地方財政、道州制、地方分権、公務員賃金

を議題に都道府県職部会が知事会と懇談

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 2月28日、自治労連都道府県職部会は、全国知事会と懇談し、地方財政、道州制、地方分権改革、地方公務員給与などの問題について意見を述べ、全国知事会の考え方を質しました。都道府県職部会から高柳副部会長、杉田事務局長ほか幹事が出席、自治労連本部からは橋口副委員長、杉本中執が出席しました。全国知事会からは調査第一部長ほか各担当者が出席しました。懇談の内容は次の通りです。

●地方財政の拡充について

知事会「地方財政の充実は、意見の一致するところ」

自治労連「行革努力を強要・誘導する算定方式導入も問題」

 全国知事会 調査第一部長は「地方財政の充実は、意見の一致するところ。これまでも意見を表明し、国に伝えている」「臨時財政対策債は減らすべきであり、交付税の上乗せも求めているが、現実に厳しい状況である。消費税増税は、地方財政充実の1つと捉えている。法人実効税率の引下げは地方の法人二税にも影響し、問題がある」と回答しました。

 自治労連からは、「交付税が実質0.8兆円も減額され、公務員人件費削減などの『行革』努力を強要・誘導する算定方式が導入されていることも問題である。憲法にもとづく『住民の福祉の増進』を図る役割を発揮するため、地方の財源格差を是正し、財源保障の機能を果たす制度を拡充すべき」「全国知事会は消費税の増税に賛成しているが、地域経済への打撃も考慮すべきである。法人住民税の国税化にも反対すべき」と要請しました。

●自民党の道州制基本法案について

知事会「どんな制度であるか明確になっていないもとでは判断できない」自治労連「憲法25条の理念を否定し、住民のくらしと地域を破壊する」

 自民党の道州制基本法案について、知事会事務局は、「道州制の動きはあるが、どんな制度であるか明確になっていないもとでは判断できない。知事の中には推進の意見も反対の意見もある」と回答しました。

 自治労連からは「道州制は上からの押しつけですすめられているイメージが強い。国のあり方、都道府県のあり方についてしっかりとした議論が必要である。自民党は『都道府県はいらない』という考え方に立っており、知事会として意見表明すべき」と要請しました。

 これに対して、知事会事務局は「意見の分かれるところもあり、議論を進めなければならない」と答えました。

●市町村への権限移譲について

知事会「引き続き市町村への移譲を進めたい」

自治労連「多くの支障事例が報告され、財源保障を国に求めるべき」

 権限移譲について知事会は、「権限委譲は推進の立場であるが、問題点については財政措置など、必要なことは要望しなければならないと考える。引き続きご意見をお聞きしたい」と回答。自治労連は「権限委譲で専門性が低下し、分権によって非効率な部分も生まれている。市町村では人員削減で業務だけ下りてきても対応できない状況もある。市町村では処理できないため、一部事務組合化や共同処理体制、県への再委託などの事例も見受けられる。拙速な権限委譲は住民サービスの低下につながっている」と指摘しました。「県から委譲を受けた事務が担えずに、再び県に事務を委託した市町村もある。国は、権限移譲に必要な財源は措置していると言うが、市町村の現場からすれば財源は不足している。知事会として権限移譲に必要な財源保障を国に求めるべきだ」と要請しました。

●『給与制度見直し』について

知事会「その内容は不明であり、現時点では判断できない」

自治労連「給与水準低下の懸念がある。今の段階から国に意見を」

 『給与制度見直し』について全国知事会事務局は「内容が不明であり、現時点では判断できない」と回答しました。

 自治労連は「今回の『見直し』によって給与水準を低下させることになるのではないかという懸念がある。今の段階から国に意見を上げてほしい。滋賀県や大阪府では賃金カットが長く続き、職員の士気や職員・教員・警察官の確保にも支障が生じている。また、地方では自治体職員の賃金が地域水準となっている実態があり、地域経済にも大きく影響する」と要請しました。

 

 最後に橋口副委員長が「全国知事会とは、立場の違いはあるが、一致する点も多くある。今後もお互い問題点などを指摘しながら、大いに意見交換していただきたい。一致する点は国にも積極的な意見反映をお願いしたい」と求め、懇談を閉じました。

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