社会的パートナーである自治労連との協議を抜きにしたILOへの報告はありえない

消防職員への団結権を早急に付与すべきだ

 自治労連と消防職員ネットワーク(FFN)は共同で、11月16日、先のILO総会にて出された「消防職員への労働基本権付与」に関するILO勧告について、消防庁に要請を行いました。自治労連から桜井副委員長、蛯名・水谷中執、FFNから松永会長が参加し、消防庁からは消防・救急課と国民保護・防災部防災課から2人が参加しました。

 要請では、最初に蛯名中執からILO勧告の実現を求める自治労連の立場について説明。桜井副委員長からは、「住民生活を守る点からも消防職員への労働基本権の付与は重要であり、これはILOも含め世界では当然のことと認識されている。日本における消防職員の現状が、世界から見れば異常なことであり、国の機関としては最も消防現場を理解している消防庁としてぜひ関係機関に働きかけていってもらいたい」と消防庁の積極的な対応を要請しました。

 消防庁は、消防職員の労働環境の改善には健全な労使関係の構築が必要だとの認識を示した上で、国は厚労省に取りまとめを指示して既に報告を済ませていると回答。これに対し要請団は、「ILOは社会的パートナー(労働組合等)との協議を進めて勧告を進めることを促してきたのであり、自治労連との協議を抜きに報告を済ませたことは、報告自体に不備があると言わざるを得ない。自治労連とも協議をして報告をし直すべき」と訴えました。

FFN松永会長が厳しい消防職場の現状を訴え

 FFN松永会長は、「自治労連との協議を抜きに報告をすることは、消防職員や労働者の代表に対してだけではなく、国際機関であるILOを無視する、世界的な機関を蔑ろにする行為だ」と見解を述べ、さらに自身が身を置く消防職場の実態を説明し、「人員不足が蔓延していて住民の安全・安心を守る役目を遂行することが危惧され、さらに、そこで働く消防職員の健康状態も過密な労働により危険な状況にあり、ハラスメントもあちこちで起きている。こうした状況の改善には職場で消防職員が自由に声を上げられる環境が必要。消防職員への団結権の付与は絶対に必要なことだ」と訴えました。この訴えに対して、消防庁は消防職員委員会を改善する目的の告示の内容を示すなど、消防職場の実態に理解を示しました。

参議院議員(総務委員)10人へ要請

 消防庁要請に先立って参議院の総務委員長を含む10人の総務委員(国会議員)に要請を行い、政府や国会としての対応の強化を訴えました。

 山下芳生参議院議員(日本共産党)は、「社会的パートナーとの協議なしで報告をあげる方向はあり得ない。(11回もの勧告を事実上蔑ろにしてきた)これまでと同じ対応では済まされることではない。この問題での論戦に臨んでいきたい」と述べました。