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 国宝犬山城、そのふもとに城下町が広がる愛知県犬山市、その犬山で11月9~10日、全国の上下水道・公営電力などに働く仲間が集う「第31回全国公企研究交流集会」が開催されました。

 自主性を守り一度は削減を見送らせた自治体に対しても、国が給与削減を押し付けて更なる不当介入を強める中、その賃金交渉の日程を縫ってかけつけた仲間もおり、まさに闘いの最中での集会となりました。

 公営企業評議会を代表して植本議長より、最近の自公政権が国民の自由を奪う危険な動きを強めていること。税と社会保障の一体改革、特定秘密保護法をはじめとした「日本を戦争できる国」とする動き、「日本は大丈夫なのだろうか?」という問いかけに私たち労働組合が先頭に立って闘っていかないと、私たちが国民から信頼を失ってしまうと訴えました。

 堺市水道労組出身の植本氏は、先の堺市長選挙においては「堺はひとつ」のスローガンの下、広範な市民の連帯の中で維新の策動を打ち破り市長選挙に勝利したことを報告、全国の仲間の支援に感謝しますと述べました。

 上下水道の職場では、この間の委託化攻撃の中で人材が失われ「持続可能な事業」が危ぶまれていいます。「公営企業をどうしていくのか?」「直営をいかに守っていくのか?」をこの集会を私達自身が考えていく場にして行こうとの挨拶がありました。

 

持続可能な社会構築への政策提言を!

 「職場から地域から、どんな地域・国をつくっていくのか」のテーマで基調報告をおこなった近藤事務局長は、上水道は人口減少・経済規模縮小の中で「採算が合わない」と、それを理由に自治体は公営事業を手放している。事業管理者は経営難の原因が過大な基幹設備投資であったことを認識する必要がある。「経営難」を理由に自らの技術・技能を手放し、委託化でワーキングプアーを生み出し、自己水源を放棄し高いダムの水を買い、それが「住民のためになることなのか?」ということを事業管理者に気付かせなければならないと提起しました。

政府の作った「新水道ビジョン」の中では、過疎地において将来「水を宅配」することまで記載しており、新たな地域「格差」を生むことが懸念されています。私たちは以前から「水はいのちです」と名づけた「政策集」を作り続けてきました。第三者委託や水ビジネスなど新たな動きが強まる中、この集会を新たな「政策」確立のステップとしようと呼びかけました。

 

「憲法改正と主権のゆくえ」をテーマに記念講演

image006 今回の記念講演は自治労連弁護団の穂積匡史氏による「憲法改正と主権のゆくえ~川崎水道住民訴訟を題材に~」、焦点となっている改憲の動きについて、いま問題となっているのは特定秘密保護法などに見られる立法改憲、本来憲法の下にあるべき法律を変え、事実上憲法を無力化する動きがあるとの話から始まり、自民党憲法改正草案を「テキスト」に人権思想、主権者像のあるべき姿を興味深く話され、自らが代理人を務める川崎で行われている住民訴訟の例をあげて、必要のないダムの水に川崎市が金を払い続けることに対して「住民全体の利益のため、いわば公益の代表者として地方財務行政の適正化を主張」し、私たちが「主権者」となるのかそれとも「お客様」となるのか、憲法に学び、問題の所在を可視化して市民が解決策を真剣に討議すべき時期に来ていると語られました。

 

※川崎市では、水需要が伸び悩む反面、神奈川県内広域水道企業団から必要のない宮ヶ瀬ダムの水を買い続ける契約をさせられています。それによる赤字解消のため川崎市当局は市内の貴重な地下水源である生田浄水場を廃止する方針を出しており、災害対策を含め市民に大きな不安を抱かせています。

 川崎市が使ってもいない水の基本料金として企業団に支払っている年間77億円の過払い金の返還を「川崎市が企業団に求める」よう要求して住民訴訟が現在行われており、公営企業評議会では、生田浄水場存続運動と共にこの訴訟を支援しています。

 

電気事業法改正の問題点

 公営電力の職場の仲間からは、国会で審議されている「電気事業法」改正について、「自由化」によって個人でも「発電会社を自由に選べる」「料金が安くなる」と宣伝されているが、アメリカでは自由化した州の電気料金の方が高いという現実や、「選べる自由」の逆に地方などでは「選べない人たち」も出てくる現実があることを注意しなければならないとの報告がありました。

 今まで国などが原価や経営内容を適正にチェックすることをしなかったことが総括原価方式の問題であり、また、今回の事業法改正案における発送電分離は「中立性の確保には不十分だ」と指摘しました。

 

検針員を始めとした委託労働者の組織化に向け

 今回の集会には検針員労組の女性組合員が多数参加、女性の参加者が全体の2割を超える大きな力となりました。外郭団体への委託から民間の競争入札へ、異常な低価格入札の中で落札者が変われば雇用が脅かされる、仮に同じ事業者が落札しても、そのしわ寄せが検針員の労働条件に反映されてくる現実があります。「黙って働き続けるか、仕事をやめるかでは納得できない。第三の道を歩み始めたい」との報告がありました。

 公営企業評議会では、「委託先の労働者は私たちのパートナー」との立場で、官製ワーキングプアーを作らないためにも検針員をはじめとした委託労働者の労働組合への組織化への働きかけを今後も強めていきます。

 

来年の「全国公企青年のつどい」成功のために

 青年分科会では来年5月に「全国公企青年のつどい」が大阪交野市で開催が予定されていることもあり、東海・近畿を中心に多く青年が集まりました。青年の組合離れが進む中で公務として職域を守る闘い、青年を組合に迎え共に活動していく知恵を出し合い来年の「青年のつどい」へつなげようと頼もしい決意表明がありました。