2月18~19日に、滋賀県草津市で第22回埋蔵文化財関係職員交流集会が開催されました。参加は岩手県から岡山県までの8地方・17職場から33人が集いました。集会の参加者は、すでに定年を迎えた古参から若い世代を加えながら、徐々に世代交代しつつ、各地方で仲間とのつながりを増やしていくかたちとなって継続しています。今回の集会は、政府がすすめる地方の行政改革が推進されているなかで開催されました。
 1日目は、埋蔵文化財を取り巻く情勢で特徴的な話題の4件が報告されました。報告1「指定管理者制度で働く公務公共労働者と労働組合と文化財」では、滋賀県内で起こっている文化施設などでの問題点が挙げられました。極めて専門性の高い業務と、歴史的な資産を永続的に管理・運営する上では指定管理者制度はなじまない点が、具体的な事例を挙げて指摘されました。報告2「歴史遺産を活かしたまちづくりの新しいネットワーク」では、大東市に所在する大阪府下最大となる中世の山城の国史跡化をめざす活動のかなで、地域住民と行政の取り組みが発表されました。街の財産を住民とともにいかに連携して保護・活用していくのか、興味深い事例研究となるものでした。
 報告3「大規模事業への対応」では、高速道路など東京オリンピックなどに関連した大規模事業に伴う発掘調査の対応に苦慮する神奈川県内の事例、報告4「今後の埋蔵文化財行政をめぐって」では、歴史・文化・伝統は地域に密着していること、埋蔵文化財行政は責任の所在など制度的に不安定な要素がいくつかあること、これまで地域の文化財保護を担ってきた世代が急速に世代交代しており、行政の枠組みのなかで何を継承するのかなど、多くの問題提起を行いました。
 2日目の全体会では、1日目の話題を基調として参加者全員からの発言がありました。各自治体では、職員の高齢化と世代交代が進んでいること、人員不足で慢性的な残業があるなか、超勤の上限があり持ち帰り残業となっていること、後継者となる考古学専攻の学生は発掘現場を経験する機会が極端に減少していること、若手職員とベテランでも心理的な距離の隔たりが極めて大きいこと、若い世代に対して埋蔵文化財行政職場の魅力が感じられなくなっていることなどが報告されました。
 今回は、若手参加者からの発言も多く得られ、将来への展望も見えつつありました。行政サービス改革による文化の安易な切り捨てに対して、これを阻止し市場化を許さず、人材育成に将来的な展望を持っていく必要があること、そして文化財はいかなる形でも責任の所在は最終的には行政にあり、自治体が文化財に関してしっかりとした理念を構築し、それを十分に遂行できる正規職員での体制が必要なことなど、多岐にわたる情報を共有しました。
今回の集会は、新しい仲間を加えながら地域や世代を越えて全国の仲間と深く交流できたこと、そして継続は力なりということを参加者全員が実感した集会となりました。