2014年1月に鎌倉市当局から、鎌倉市職員労働組合及び鎌倉市職員労働組合現業評議会に提案された「新たな人事・給与制度」については、密度の濃い交渉の末、8月末に労使合意に達し、市議会9月定例会に上程されました。妥結内容には給与水準の大幅な低下を含んでいます。そこで、職員の生計維持のため、最長で6年間かけて段階的に現給からの引き下げを行う「激変緩和措置」を盛り込むことによって、ようやく妥結水準となったものです。

 ところが、9月12日、鎌倉市総務常任委員会は給与ベースで最大17.9%(年収で143万円)の削減となる条例修正案を可決しました。このまま、9月26日の本会議で可決されるなら、労使交渉による合意内容が没却されるばかりか、職員の生活がなりたたない事態に陥ることは必至です。

 このような労使合意を無視した条例案に対し、鎌倉市職労と神奈川自治労連に結集する組合員は限られた期間ですが、市長、議長要請、議会各会派要請に取り組んでいます。また、連日職場宣伝を行い、組合員の団結を示す署名行動に立ち上がっています。

 事態をうけて神奈川自治労連弁護団は、9月24日、中村聡一郎鎌倉市議会議長および松尾崇市長に意見書を提出しました。この日の意見書提出には、堤弁護団長、小花弁護団事務局長の他、高橋神奈川自治労連書記長と、鎌倉市職労から小原委員長他の9名が参加しました。

 提出に際し、堤弁護団長は、「市議会が激変緩和措置の削除をすることには違法の疑いがある」とした上で、「大幅な賃金引き下げの場合、民間においても激変緩和措置をすることは常識であり、国や自治体等でも当たり前に行なわれている」「労使合意によりすでに期待権が生じており、議会による議決はこれの侵害にあたる」「総務常任委員会で、労使合意内容を修正することについての法的検討をしたように聞いているが、懲罰であっても減給は10%を超えてはならないというのが、労基法の定めであり、この点でも今回の修正案はおかしい」「大震災の時には、現地の自治体職員は命を賭して、住民を守ってきた。職員というものはそういう存在だ。法外に高いなら別だが、そうでないのに賃金を切り下げること自体も疑問」と説明しました。

 組合からは、「職員には家族もいて、家族の生活がかかっている。激変緩和措置がついてはじめて、ぎりぎりの決断をして労使合意したもの」「労使合意したものを議会が内容変更できるということになれば、労使交渉の意味がなくなってしまう」「『平成22年度に総務省からワタリの指摘を受けて以来、鎌倉市は何もしてこなかった』という議論が総務常任委員会であったと聞いているが、23年度には、市民生活を守る財源確保に向けて、暫定削減の労使交渉が始まっており、24年8月から平均7.75%の暫定削減がスタートした。これと同時並行での給与水準の引き下げはしようもない。何もしなかったのではなく、暫定削減以降、職員は家を売ったり、子の大学進学を諦めさせたりする厳しい生活に耐えてきた。『何もしてこなかった』というのは事実と異なる」と説明しました。

 要請を受けた中村議長は、「修正案については議会手続に委ねられている。26日は午後1時から議会運営委員会を開き、午後2時からの本会議運営について議論する。本日の意見書はコピーして本日中に各議員に配布する」としました。

 松尾市長には、「組合は大変な苦労をして妥結決定をした。今度は市長が議会に承認してもらう番、修正案が出たが身体を張って労使合意の実現をして欲しい」と理事者が奮闘するよう強く要請しました。松尾市長は、「労使合意を尊重することは基本であり努力したい」としました。

 自治労連は、鎌倉市議会あて要請書および鎌倉市職労あて激励書の緊急ファクス行動に取り組んできました。鎌倉市職労の組合事務所には、励ましの便りやファクスが9月24日現在、全国各地254団体から寄せられています。