3月29日、『思い切った「処遇改善」で保育士を増やそう!3.29緊急集会』を、自治労連、全国福祉保育労働組合、全国保育団体連絡会の三団体で組織する実行委員会の主催で衆議院第一議員会館にて開催しました。

image003新年度の準備などで多忙な中、緊急の呼びかけにもかかわらず集会には全国から保育士、保護者など150名(自治労連は30名)が参加し、保育士の専門性が発揮され、子どもたちが元気に育つ保育のため思い切った「処遇改善」で保育士増やそうと訴えました。

 緊急集会には、待機児童問題・保育士不足問題への関心の高さからテレビ、新聞など多くの報道関係者が取材に訪れ、翌日に集会の様子が新聞報道されました。また、日本共産党からは高橋千鶴子衆議院はじめ8名の衆参国会議員が、民進党からは山井和則衆議院議員、初鹿明博衆議院議員が連帯の挨拶をおこないました。

 集会の基調として福祉保育労が「保育士をめぐる状況と課題、専門性を発揮して働き続けられるために保育士たちの願い」と題して報告しました。報告の中で、保育者の地位確立・向上させるため、憲法と児童福祉法にもとづく公務労働として位置づけさせ、専門職としての地位・身分にふさわしい保育士の処遇改善を求め、国に必要な費用をきちんと用意させることが必要。この間の運動や「保育園落ちた」の衝撃などで事態を動かし、5野党が法案提出を行ない、これらに押される形で政府も緊急対策を発表せざるえない情勢になった。しかし、安倍政権の緊急対策は、更なる規制緩和策であり、処遇改善は無いに等しく、公的責任の後退、保育の質の低下をまねき、改悪だ。みんなが声をあげることが何より大切。実際に矛盾が集中している全国の自治体、職場で声をあげ、関係者全体が国に改善を求めていこうと訴えました。

 続いて、現場からの訴えが行なわれ、①民間保育所の保育士から、2児の父親であり正規保育士として働いているが、第2子は待機児が多く保育所に入れず、幼稚園に預けている。高い幼稚園の保育料を払うことが困難だと、正規であっても生活が困難な低賃金の実態を訴えました。

②保護者の立場から、子どもを民間保育所に預けているが、保護者は子どもたちを預けられればどこでもよいと思っているわれではない。安心・安全がしっかりと保障された中で子どもたちが健やかに育つことを願っている。待機児解消は規制緩和・つめこみではなく保育士を増やして問題解決をと訴えました。

③公立の非正規保育士の立場から、公立保育園では、臨時職員や非常勤、アルバイト、派遣などの非正規職員が多く存在しているのが実態だ。東京都では44.7%。全国では6~7割の非正規が存在し保育所運営をしている。何年働いても昇給もほとんどなく、子どもたちの笑顔に支えられ頑張っている。子どもにとって正規も非正規も大好きな「先生」だ。公務公共一般保育ユニオンでは「保育は最低賃金2000円以上」をめざして社会的にアピールしていく、と訴えました。

④ベテラン保育士の立場から、保育士の専門性は一朝一夕に育つものではない。国は省令等を改正して待機児童・保育士不足解消のためとして幼稚園教諭や小学校教諭、養護教諭などの活用を進めているが、これら保育士配置に係る特例は保育士の専門性をまったく軽視している。保育の問題は、子どもの成長発達を支える保育保障の視点から検討すべきだ。「保育士をばかにするのもいい加減にしろ」と現場の思いを訴えました。

⑤経営者の立場から、民間保育園の園長さんは、政府案は「保育士の賃上げを見送る一方で施設定員の緩和で子どもを詰め込むものであり、現場はもう立ち行かない。現場の保育士からは『これでは保育士死ねというのか』という声があがっている」と政府が発表した待機児童緊急対策を批判しました。

 フロア発言では、全国保育団体連絡会の実方事務局長が、「保育士の処遇改善は保育問題解決のための最優先課題 -保育士確保と待機児童解消の実現のために-」と題した見解を発表したことを報告。その中で、政府がだした規制緩和策は保育士の処遇改善に逆行し、保育の質の低下に直結することなどを指摘し、保育士の処遇改善なくして保育士確保と待機児童の解消はできない。国の責任で制度の抜本的な改善と財源の確保を求める運動を進めようと呼びかけました。