核兵器のない平和で公正な世界を

 広島市、長崎市への原爆投下から71年目の今年、2016年原水爆禁止世界大会は、広島市・長崎市を会場に8月2日から9日までの日程で開催されました。被爆者をはじめ、日本各地からの参加や世界各国の政府機関やNGOなどの代表者が参加しました。今年の原水禁世界大会では、昨年の国連軍縮会議以降、国連が具体的で効果的な法的措置を議論する作業部会が設置され、核兵器を持つ国が包囲され、孤立してきている状況がさらに加速していること、地上にある15,000発の核兵器廃絶、被爆者の平均年齢が80歳を超えた下で、「被爆者が生きている内に核兵器廃絶を」の願いに、「被爆者が呼びかける国際署名」を世界規模で取り組むことなどが呼びかけられました。

[国際会議(広島)]

 原水爆禁止世界大会―国際会議が8月2日から4日まで開催され、被爆者をはじめ、全国各地の日本代表、海外からの代表者が多数参加して熱心な討論がおこなわれました。

image003 今回の国際会議には、2005年のNPT再検討会議で議長を務め、2010年には核兵器廃絶アピール署名を受け取った、ドゥアルテ元国連軍縮問題担当上級代表も参加しました。

 主催者報告を野口邦和さん(世界大会実行委員会運営委員会代表)が行い「核戦争阻止、核兵器全面禁止・廃絶、被爆者援護・連帯の3つの目標が運動の原点。国連で核兵器廃絶に向けた作業部会が始まり、核兵器禁止に向けて大きな転機がきている。いまこそ反核平和の世論と運動をさらに前進させ、核保有国を包囲する具体的な措置を迫っていきましょう」と呼びかけました。

第1セッション「広島・長崎の原爆被害、核兵器の非人道性、被爆者のたたかい」、第2セッション「核兵器禁止条約、核兵器のない世界、平和運動と市民社会の役割」、第3セッション「核兵器のない世界への共同、核抑止力論の克服、紛争の平和的解決、脱原発、安全なくらしと環境」で討論。その後、セッションのテーマごとの分科会でさらに、具体的な討論と意見交流を行いました。平野中執は第3分科会で議長を務めました。

 4日、分科会の報告とともに、セッションでの討論を踏まえた国際宣言案が冨田宏治関西学院大学教授(起草委員長)から提案され、「『被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名』を広げること、核保有国をさらに包囲していくための取り組み、国連核兵器廃絶デーや国連軍縮週間など行動、反戦・反核のたたかいを国際連帯して行動することなどを提起したもの」と報告があり、参加者の拍手で宣言は確認されました。なお、国際宣言案は、国連作業部会でも配布・報告がなされています。

 

[世界大会-広島]

○開会総会

 8月4日2016年世界大会開会総会が広島県立総合体育館で開かれ、4500人が参加しました。

image017 小田川義和全労連議長が開会宣言を行い、「国連で核兵器廃絶への法的措置に向けた議論が本格的に開始されたが、これは被爆者やわれわれの運動によって核兵器の非人道性の認識が国際社会で共有されたからだ。『被爆者国際署名』を力に核兵器に固執する勢力を世論の力で追い詰めよう」と訴えました。広島市の松井市長のメッセージなどが紹介されました。

冨田宏治関西学院大学教授が主催者報告を行い、来賓あいさつでは日本被団協の岩佐幹三さんが「被爆から70年余りたった今でも原爆は被害をもたらし続けている。決してこのような苦しみを誰にも負わせてはなりません。「被爆者国際署名」はこうした私たちの願いが込められている。亡くなった被爆者の魂もみなさんの運動を見守ってくれています」と核兵器廃絶に向け、ともに頑張ることを訴えました。

「ヒロシマから世界へ 被爆地からの訴え」として広島の被爆者7団体代表が国際署名に共同署名の取り組み活動を披露すると、会場は大きな拍手がおこりました。

開会総会のフィナーレには、この日平和記念公園に集結した国民平和大行進と国際青年リレーの参加者が「折り鶴」を謳いながら登壇し、「被爆者の体験に耳を傾け、広島市民の平和を大切にする思いを持ち帰り、若い人たちに広島の悲劇を決して繰り返してはならないと伝えていきます」と決意をのべると会場は大きな歓声に包まれました。

 

○分科会

image009 大会2日目の8月5日は、フォーラム「核兵器全面禁止のために-政府とNGОの対話」と12の分科会、「被爆電車に乗って」などの4つの動く分科会が行われました。この内、第4分科会「非核平和の自治体づくり」で福島功副中央執行委員長が助言者を務め、憲法をいかし守る運動や、核兵器廃絶の世論を広げて行く上で、自治体の果たす役割と、その自治体に働きかけて行く各地の運動の報告と交流がされました。

 

○広島市職員原爆犠牲者慰霊献花行動

 8月6日午前9時より、広島市役所慰霊碑前にて、自治労連と広島市職労の共催企画として献花行動が行われました。自治労連本部からは、猿橋均中央執行委員長と福島副委員長、女性image011部代表が参列し、地元広島自治労連はじめ60名以上が参加しました。

 猿橋委員長が主催者あいさつを行い、安倍政権の進める戦争する国づくりを断じて許さないことを犠牲者の方々の碑の前で誓いました。続いて、広島市職労金子委員長より、被爆当時の市役所周辺の様子や惨劇の状況が語られました。参加者全員による献花を行い行動を終了しました。

 

○核はいらない 女性のつどい

8月5日夜、「核はいらない 女性のつどい」が広島総合体育館小アリーナで行われ、海外女性代表も含めた交流が行われました。第2部のフロア発言では、広島留守家庭労組が、5月に広島で行われた青年のつどいのとりくみについて、発言しました。

 

○ヒロシマデー集会

 8月6日、広島県立総合体育館にて、「ヒロシマデー集会」が行われ5500人が参加しました。集会では、「広島からのよびかけ(決議)」が満場の拍手で採択されました。決議は、「一人ひとりの市民が行動に立ちあがり、力をあわせimage017て日本と世界を変えていく―民主主義の流れを大きく発展させる」ことを呼びかけ、「核兵器を禁止し、廃絶する協約の交渉開始をもとめる世論の巨大なうねりをつくりだそう」と訴えています。

 国連・政府代表のあいさつで、国連軍縮問題担当上級代表代行のキム・ウォンスさんが、「若いみなさん。将来の世代が核兵器の惨劇を理解できるよう、被爆者の声を響かせてください。広島と長崎は、核兵器が破滅的な被害をもたらすことを思い起こさせます。核兵器が再び使用されない唯一の絶対的な保障は、核兵器の全面廃絶しかありません」とあいさつしました。

 特別企画「被爆71年、被爆者の願い」では、被爆者が被ばくの実相、核兵器廃絶、平和への思いを語りました。

 被ばく2世・3世のアーティストによるミニコンサートが行われ、最後に会場全体での「ウイシャルオーバーカム」の合唱で「世界大会―広島」は幕を閉じました。