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  11月16日・17日の2日間、長野県大町市で、「再生可能エネルギー普及 全国フォーラム2013 in大町」が開催されました。この全国フォーラムは、エネルギーシフトを求める国民の声が高まっていることや、地球温暖化が深刻化するもとで、省エネ推進、再生可能・自然エネルギー普及が急務となる中で、その障害となっている問題点を明らかにし、問題解決をはかる政策課題、運動課題についての意見交流をはかるために、全労連、自治労連、公害地球懇が参加する実行委員会の主催で開催されました。

 主催者あいさつに立った清水鳩子さん(公害地球懇)は、「今回の全国フォーラムを、再生可能エネルギーへの大転換となる第一歩の日にしていきましょう」とあいさつしました。フォーラムには、日本共産党や社会民主党、地元大町市の牛越市長からメッセージが贈られ、紹介されました。地元からの報告では、長野県立池田工業高校の高山さん(3年生)から、小水力発電の取り組み報告がありました。池田工業高校では、2007年に水車を製作し毎年改良等を重ねてきましたが、2011年には電灯を設置して通年発電を行うこととなり、小水力発電に係る水利権の申請が必要になったことから水利権の許可申請を行い、2011年12月27日付けで水利権の許可を得ました。高校が小水力発電の水利権を取得したことは、全国的にも極めて珍しい事例とされています。

 「原発事故は、取るべき安全対策をとらなかった国・東電による人災である」

 吉井英勝前衆議院議員が記念講演

image005 記念講演では、吉井英勝前衆議院議員から「原発1基の建設に約3000億から5000億かかり、大きな儲け口になっている。大手原発メーカーや大手ゼネコン、大手素材供給メーカーに資金調達のメガバンクなど、原発建設には『原発利益共同体』が群がっている。」と原発ビジネスの実態を説明しました。また、衆議院議員当時に行った原発関連の国会論戦を報告し、「震災時の津波に対して東電は、『想定外、想定外』と言っているが、2006年には福島原発への津波の危険性を東電技術者が国際会議で報告している。2008年には15.7mという想定波高の数値を試算している。結論は、金がかかる対策はせず、国民の命より利益を優先した。原発事故は、取るべき安全対策をとらなかった国・東電の責任であり、人災である」「今こそ世論を集中し、政府、東電を批判し ていかなければならない」と訴えました。

 特別報告では、地元大町市で活動する「NPO法人地域づくり工房」の傘木宏夫代表から「再生可能エネルギーで地域おこし」と題した報告がありました。傘木代表は「大町には農業用水路が網の目のように張り巡らされているため、そこから自然エネルギーを引き出し、地域おこし、環境学習の場として活用する取り組みを行っている。小水力発電は1年半かけて許可をとり、2003年10月より3つのミニ水力発電所を『性能実験』の名目で立ち上げた。2005年に『地球温暖化防止活動環境大臣賞』、2013年には『日本水大賞の未来開拓賞』を受賞することができた」「再生可能エネルギーの普及といっても、環境破壊や電波障害、景観の問題や制度の壁、さらには住民の理解など様々な障害がある。やってみないとわからない、完成しないとわからないこともあるが、広げていかないと世の中は変わらない。全国各地で地消地産の再生可能エネルギーが普及されることが求められている」と語りました。

 翌日に行なわれた分科会では、「再生可能エネルギー普及をめざす入門講座」、「住民と自治体の共同で作るエネルギー事業前進に向けて」、「原発に依拠せず飛躍的な再生可能エネルギー普及に向けて」のテーマごとに分かれて、活発な討論が行なわれました。

 

「一人ひとりの小さな省エネを進める先に、原発からの脱却が実現する」

 全国フォーラムの全体集会に先立ち、「大町エコツアー」のオプション企画が行われました。

 「地域づくり工房」の傘木代表のガイドで、大町初のメガソーラー施設である「北アルプス太陽光発電所」や、「大町市の豊富な水資源を活用して、エネルギーの地産地消を」との想いからつくられた、農業用水路を利用する「大町市町川発電所」の見学、「地域づくり工房」が地域で取り組む、小水力発電普及活動やバイオ軽油の普及活動を見学しました。バイオ軽油は地域の旅館や飲食店の廃油を資源として、月2000リットル生産し、旅館の送迎車や、ごみ収集車に使用されています。今回のエコツアーで使用したマイクロバスも、バイオ軽油を使用していました。しかし、大町市はごみ収集車の新機種への更新を理由にバイオ軽油の利用を停止する方針です。傘木代表は「燃料で省エネができるのに、市は高額の代金を支払って省エネ車を購入する。地域に今ある資源が活用できなくなれば、本当のエコにはならない」と語りました。また、「地産地消の再生可能エネルギーの普及や一人ひとりの小さな省エネを進める先に、原発からの脱却が実現する。小さな取り組みでも全国各地で広がれば大きな運動になる」と語りました。 参加者からは「再生可能エネルギーについて大変勉強になった」「再生可能エネルギーが抱える様々な障害には気づかなかった」「まず、自分たちでできること、電気の無駄遣い、浪費はやめ、省エネに取り組んでいきたい」など、多くの感想が寄せられ、エコツアーは大成功で終わりました。