5月7日、都内で公立保育所の「民営化、認定こども園化」に対する運動をすすめる学習集会を開催しました。

 安倍政権の悪政の下で、公立保育所の民営化が全国各地で進められ、さらに、新制度を踏まえて公立保育所と公立幼稚園の認定こども園化も静岡市、岡山市はじめ各地で急速に広がっています。

 本集会は、杉山隆一先生(佛教大学教授)から民営化をめぐる背景と政策課題について、長瀬美子先生(大阪大谷大学教授)から認定こども園を考える基本的なポイントについての講演で学習を深め、全国の各地の民営化に対する地域での共同の運動を交流し、認定こども園化された園では、労働条件や事務処理、子どもの生活づくりや保育の在り方などについて、どんな問題が明らかになってきたのか、労働組合としてどんな取り組みをすすめてきたのか等を報告・交流しました。

第1部 「公立保育所の民営化反対の運動強化のために」

image003「公立保育所民営化・認定こども園化の背景と反対運動の課題」と題して杉山隆一先生(佛教大学教授)に講演いただきました。杉山先生はこれまでの公立保育所の民営化の要因が行政改革によるコスト削減、社会福祉基礎構造改革による「選択と契約」を基礎とした制度改定、小泉政権による三位一体改革による公立保育所への一般財源化と人員抑制の推進、さらに、公共施設等総合管理計画などによる財政誘導などを指摘。認定こども園の制度的問題点や保育運動の課題などを解説し、公立の果たしている役割を打ち出すこと、公共保育施設の新たなありかたを住民とともに模索することが大事とまとめられました。

 各地の運動報告では、まず「墨田区保育所等整備計画を白紙撤回させるたたかい」と題し墨田区職労から、続いて「大阪府内における公立就学前施設の統廃合・こども園化構想の現状と運動」と題し八尾市職労が報告しました。民営化と認定こども園化の計画内容を紹介し、認定こども園化は待機児対策にはならず、財政効率を優先して子どもや保護者のことが軽視されていると批判しました。また、地域の運動では、保護者や住民とSNSなども活用し幅広くつながりを広げ、TVなども取り上げるなど地域での世論を広げ進めていることが報告されました。

 第2部 「認定こども園化をめぐる現状と課題について」

「施設の形態に関わらず、乳幼児に求められる保育の在り方」と題して長瀬美子先生(大阪大谷大学教授)に講演いただきました。 

 長瀬先生は、幼児保育の在り方に大事なこととして、安心できる安定した生活づくり、夢中になれる活動の提供・保障、時期にふさわしい人間関係づくり、学習の基礎となる力(興味・関心、考える意欲、言葉で伝え・理解する、知ることの楽しさ等)を育てることが大事だと、わかりやすい事例を挙げながら話されました。保育所も幼稚園もそれぞれ100年の歴史があり、それを一体化するには十分な協議が必要だと強調されました。認定こども園の現場からの報告では、「認定こども園の現状と課題について」を岡山市職労が、「習志野市の認定こども園の現状」を習志野市職が、「静岡市の認定こども園化に対する市労連の取り組み」を静岡市労連がそれぞれ報告し、現場の混乱と悩み、その中でも賃金や資格人員配置などで前進を切り開いている取り組みが報告されました。

第3部 今後の運動にむけた討論

 本部から、民営化や認定こども園化の自治労連の実態調査(中間)結果やこの間確認されてきた運動の基本点等についての報告を受けて、参加者から質疑や運動報告などが活発におこなわれました。最後に、保育闘争委員の高橋さん(自治労連保育部会長)がまとめと閉会を行い、私でもテレビに出る時代(保育の運動が報道される)になっている、攻撃は厳しいがここに確信を持ち大いに運動を広げようと締めくくりました。参加者アンケートは参加者の半数から提出があり、各地で頑張っている仲間がいることが分かり元気がでたなど、感想が寄せられました。