過酷な労働・非正規差別・地方交通切り捨てと闘おう

交通労働者の団結で公共交通の安全・安心を

 15名の尊い命が奪われた軽井沢バス転落事故から2年が過ぎました。この事故の背景には、私たち公営企業評議会が従来から指摘をしてきた、バス運転者の過労運転、規制緩和による運行業者の乱立などの問題がありました。

 過酷な労働条件の中、ただでさえ人手不足が深刻となっているバス事業の現場ですが、「働き方改革」の不十分な残業規制ですら5年間の猶予が設けられるなど、過労運転、乗客の安全確保には程遠い国の施策が進められています。

 公営企業評議会に結集する横浜、長崎、北九州、八戸の公営バス労組4単組は「地方の住民の足を守れ」「改善基準告示」の改正など訴え、1月19日、公営バス事業に関する要請書を国交省・厚労省に提出しました。

地方交通の環境整備に予算確保

 規制緩和による民間企業の路線バスへの参入で、公営バスは優良路線を民営バスに奪われ、財政悪化が進み、地域の足、特に過疎地の住民の足を奪う結果となっています。私たちは補助金の拡充などの予算確保に務めるよう要請しました。

 国交省は平成30年度予算において、厳しい財政事情の中、地域公共交通確保維持改善事業として、地域鉄道や離島航路などの補助と合わせて約209億円を確保した、引き続き今後も地域の足を担う乗合バス事業が、円滑な事業運営を行うための環境整備等について尽力したいと回答しました。

バス運転者の超勤規制の猶予に反対する!

 昨年、政府の打ち出した「働き方改革」において、自動車の運転業務に係る労働時間の規制の見直しは、5年間猶予を与えるとされ、また、その後も例外適用が認められるなど「改革」に値しないものとなっています。参加者からは差別的取扱いを改め、長時間労働・過労運転を防止することを優先せよ等の意見が出されました。

 厚労省は、バス業界において月80時間以上の超過勤務を行っている労働者は40%、他の産業の3倍に達していることは認識しているとした上で、5年猶予の理由は、労働生産性を向上させた上で新たな勤務体系や給与水準を作る事に時間がかかること、第二種免許を取得するのに時間がかかり人材確保が困難であることなどをあげ、実効性が確保できるように進めていくことが重要であり、しかるべき時に一般則の適用を目指すとして、けっして蔑ろにしている訳ではないと回答しました。

過労運転撲滅に向け具体的な施策を!

 国交省が2017年に行った「バス運転者の労働時間等についてアンケート」においても、私たちが以前から指摘をしてきたように、多くの運転手が十分な睡眠時間を取れていないなどの過労運転の実態が明らかとなりました。

 私たちは、国として具体的な改善策を立案するとともに、厚労省に「改善基準」見直しを働きかけるべきであると質しました。

 国交省も、睡眠時間が5時間以内のバス運転者が約25%いう結果であったことは承知をしており、睡眠不足に対する方策について検討しているところと回答。しかし、「改善基準」については、厚労省の管轄であるとの理由で過労運転防止のための省庁間の働きかけは行わず、何らかの見直しが検討される場合には、自動車運送事業を所管する立場から、厚労省に対して協力して行きたいと無責任な態度に終始しました。

非正規に支えられる地方バス事業

 北九州の仲間は、「職場では嘱託職員が9割をしめ、60歳以上の賃金カットなど徹底的な人件費削減を行っている。しかし、これでも経営は改善できない。私たちの市だけではなく全国的で構造的な問題だ。民営化も解決の手段とはならない。民間では利潤を優先した路線選択を行い、近隣の街でもバス路線が廃止されるなど住民が不安をいだいている。公営バスであれば利潤追求だけでなく黒字路線の利益を赤字路線に回すなど路線維持のための努力ができる。公営バスの役割の重要性を認識してほしい」と訴えました。

 八戸の仲間は、「嘱託職員によってバス運行が保たれているといっても過言ではないとし、私たちは正規職員よりも長い時間働かされているのに給与は少ない、これは『同一労働同一賃金』どころか差別にも値する状況」と国交省に迫りました。

 国交省は非正規の賃金差別等については、「労使の問題」「総務省の管轄」と回答を回避しましたが、参加者からは、「運転者不足の解消、過労運転防止のためには労働条件の向上が優先かつ不可欠であることは明らか」との声が上がりました。

「改善基準告示」の見直しを!

 横浜の仲間からは、私たちの労働条件は、労働基準法とは別に「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」)によって定められており、路線バス、観光バス、高速バスなど様々なバス運転業務形態に対して一律の基準が適用されています。

 連続運転の規制についても「4時間が限度」とされていますが、それは観光バス、高速バスを想定しており、市街地を走る路線バスも同様に扱うことは非現実的です。90ヶ所余りのバス停に停車し、乗降扱いをくりかえし道路状況によっては3時間以上走りっぱなしになる事もしばしあり、生理的に健康状態を壊しかねないと、実物の運行指示書を示し訴えました、

 実際に運行できない机上の運行表でダイヤを組むことは意図的であり、改善指導を通知すべきと迫る中、厚労省は、即答はできないとしながらも、私たちの職場実態については持ち帰ると回答しました。

 これに対して、長崎の仲間は、「もう何年も『改善基準』が職場の仲間を苦しめていると訴えてきた。当局側はこの『改善基準』を最大限利用して過酷な勤務を組んでいる。そして、そのシワ寄せは立場の弱い嘱託の人たちに回る。なぜ改正の方向に行政が向かないのか?」と怒りを露わに現場の仲間の声を伝えました。

公営バス労働者の自治労連への結集をめざして

 過疎地の足が切り捨てられ、人手不足の中でバス運転者になり手がない。現場のバス運転者も高齢化が進み、公共交通の現場は公営も民間の瀬戸際の状況となっています。

 私たち自治労連公営企業評議会に結集する公営バス労働者は、真の「働き方改革」「同一労働同一賃金」が求められる現場からの声を力に、公営バス労働者の結集を目指して活動を続けます。