image008 自治労連公営企業評議会(以下、公企評)は1月15日、東京・参議院議員会館において12地方組織・14単組35名の参加で省庁要請行動を行いました。

 要請省庁は、総務省、国土交通省(水行政、公営バス事業)、厚生労働省(水行政、公営バス事業)、経済産業省(公営電気事業、水行政)、環境省、農林水産省、6省庁9部門、各省庁からは担当官が対応しました。

総務省「民営化ありきではない」と回答

 業務委託と人員削減により、水道や下水道職場から技術やノウハウが失われている。現場での人材育成もできなくなる。本来の目的を果たすことが困難となり、危機的な状況にある。との指摘に対して、総務省は、「民間企業がすべての面で優れているとは考えていない。技術継承が必要な業務は(民営化の)対象とは考えていない。公営企業の運営基盤強化の手法として提示している、民間の活用等の手法については、地方公営企業法第3条に規定する『その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。』が前提と考えている。各事業体あての通知等にもこのことは明記している。その「柱」となる部分が徹底されていないということであれば、周知を行っていきたい。」と回答がありました。

厚労省(水行政) 災害時にも中核的な存在となる水道事業体には直営技術・技能を残すような方向性を!

 2016年1月6日に各事業体宛に出された簡易水道統合計画の3年延長措置についてのやりとりでは、その趣旨を確認し「通知はすぐに回答を求めるものではない」との回答がありました。毎年、訴えている「国が進める簡易水道統合は統合後の水道事業経営が問題になる」ことや貴重な自己水源を失うこと、などへの回答は不十分なままです。

また、災害時などの支援や事業体の技術力低下の問題では「災害時には日常業務で培われる経験・技能が必要だ」とした国会での答弁が活かされていないことを挙げて追及し、厚労省の「どういう対策を講じるか課題だが、人材育成の視点が欠けてはいけない。事業体個別では難しいことであればキーパーソンがいる」との考えに対し「具体的な手法として災害時にも中核的な存在となる事業体には直営技術・技能を残すような方向性を助言をしていただきたい」と訴えました。

国交省(水行政)現場力のないアセットマネジメントは画餅」

 下水道に携わる職員の減員、高齢化、包括委託等の拡大による現場の技術力の低下が深刻になっている。「(処理場の一部直営維持」と以前に回答があったことを踏まえ、その具体化、技術力の空洞化を招くPPP/PFI推進の見直しを重点に訴えました。

 国交省は、「計画の策定などの公権力の行使には地方公共団体が管理者としての責務をはたすこと、コンセッションの導入に対しても管理者としての責務を果たせる体制整備をはかることなどを周知している」と回答しました。

 私たちは、いま、鳴り物入りで国交省が推進しているアセットマネジメントも、その試行を行った自治体のレポートでは、現場に熟練の職員がいない中で、そのアセットのデータ自体の信頼性に問題があり、計画通りに進まないことなどを指摘、現場力のない中で「画餅」となりかねないものであり、現場力の重要性を認識するよう求めました。

経済産業省(水行政) このままで行けば官民共倒れ

  経済産業省がすすめている上下水道事業のコンセッション方式について「国内企業のための施策として推進する立場だろうが、水道法や公営企業法の趣旨を理解しているか」「総務省も、どのような事業形態とするかは事業者の選択だが、公共の福祉の増進を忘れては本末転倒だ」と言っていることを伝え、自治体を巻き込んで海外水ビジネス展開を狙っている姿勢に対し「国内の委託受注者も上下水事業体も技術力の継続が危うく、このままだと官民共倒れになりかねない」ことを強く訴えました。

 経済産業省(電力) 原発は廃炉にします!

 原発事故後の4年前の要請で経産省は「長中期的に原発は廃止する」と明言、しかし、エネルギーミックスに原発は20%強盛り込まれ、原発は再稼働が進められています。今回、私たちは「廃炉にむけての実効ある計画を」と問いただしました。経産省は「原発は古くなったらいずれは廃炉にせざるを得ない」と、私たちの要請の趣旨をはぐらかす不誠実な対応、まさに事故前に先祖返りです。

  今年4月から電力小売り自由化が始まるが、そのためにも原発を再稼働したいのではないか?国は国民の安全より、経済を優先しているのではないか?今回の電力システム改革が失敗すればアベノミクスの失敗となるので是が非でも原発を再稼働しなくてはならないのではないか?との問いに、原発で作った安い?電気を買う人がいれば原発は必要だということだと回答がありました。

 環境省 自治体に対する原発事故の補償基準を明確にせよ!

 福島原発事故に起因する浄水過程や汚水処理過程で発生する放射性物質を含む汚泥、焼却灰の保管場所の土地使用料、住民説明用の資料作成に係る費用などについて、東京電力は補償対象としていない。福島原発事故の補償交渉について、環境省も含めて、国が責任をもって補償基準を明確にするよう追及。これに対して環境省は、各自治体で交渉してほしいと無責任な回答。

 地下水保全、水源保全について、水循環基本法に基づき関係省庁と連携し、実効ある法制度の整備を強く要請し終了。

 農林水産省 水循環基本法がめざす健全な水循環の回復のため農水省の施策に期待

 農水省へは、水循環基本法に関して「水循環基本計画のパブリックコメントは唐突に短い期間で行われ、今後、設置される「流域協議会」に地域住民の意見反映ができるのか危惧している。農水省からも住民参画ができる仕組みについて発言してほしい」と伝え、「農水省が進めている施策と私たちの要請内容は、これまでも一致する部分が多く期待している。とりわけ水循環基本法がめざす健全な水循環の回復には、農水省の施策が重要だと感じている。森林を育てるには長い年月がかかるが、人材を育てるにも年月がかかる。農水省が中心に農林業の振興により、水源地域の生活がまもられることを期待したい」とエールを送りました

  要請行動には、日本共産党 田村貴昭衆議院議員を始め吉良よし子、梅村さえこ議員秘書のみなさんに同席していただきました。