自治労連はこの間、4月実施の「子ども・子育て支援新制度」にかかわって、2月21日-22日に埼玉県行田市で開催した「第23回自治体保育労働者のつどい」、2月25日に行った「新制度実施直前 子どもたちによい保育を! 2.25政府・国会要請行動」等で、「子ども・子育て支援新制度」実施直前の保育をめぐる情勢を学び、各地の公的保育を守る取り組みや保育労働者がいきいきと働き続けるための取り組みを交流し、「新制度」による公的責任の後退を許さず、よりよい保育の実現をめざす運動をするための意思統一を行ない、あわせて保育責任の実施主体である市町村への要請や国会議員要請、国に対する取り組みを進めてきました。

 こうした取り組みの中で日本共産党の梅村さえこ衆議院議員から「保育現場での実態を教えてほしい」との申し出があり懇談を実施。3月5日と12日の総務委員会の中で、自治労連が明らかにした保育現場の実態も踏まえながら「子ども・子育て支援新制度」にかかわる政府の姿勢を追及しました。

 以下は、質疑の主な内容です。紹介します。

【待機児童問題】

 4月からの入所をめぐって現場では非常事態になっており、さいたま市では、認可保育所の第一次募集で、申込数の3人に1人が不承諾となっており、自治体によっては、申込者の4割、5割が入所できない自治体もある実態を示し、待機児童問題を放置すれば、安倍政権が大きく掲げる女性の活躍、少子化対策とも逆行する事態になると指摘。高市総務大臣は「政府も待機児童が発生している現状、住民の切実な声が寄せられていることは承知している。女性が輝く社会の実現に向けても待機児童の解消を含めた少子化対策は大変重要な施策」と答弁しました。

 政府が待機児童をゼロとするとしている2017年の3歳未満児の保育ニーズに対して、市町村の事業計画を積み上げても4万6千人分の施設が不足する事、待機児童解消のための予算が来年度は457億円も減らされていることを告発し、少なくとも2014年度並みの予算確保、国有地の自治体への無償貸与などを求めました。

【公立保育所問題】

 この10年で公立保育所が減らされ、公立と民間の施設数が逆転している問題を指摘。日経デュアルの保活体験アンケートでは、約9割が認可保育所を希望し、うち4割が公立保育所を希望しているとの結果が出た事を示しながら、国の児童福祉法第24条第1項に対する見識を問いました。高階厚労政務官は「保育は大事。市町村に実施義務がある」と児童福祉法第24条第1項の意義を認めました。

 そのうえで、公立保育園潰しが極めて強引なやり方でこの間進められてきている実態を埼玉県のふじみ野市や、鶴ケ島市の例を挙げながら紹介し、「子どもの貧困が広がるときになぜ、地域の保育水準を規定する役割を持ち、地方自治法で規定する公の施設、住民の全体の財産であり、地域で豊かな保育実践を積み重ねてきた公立保育所をわざわざ潰す必要があるのか。父母の願いと逆行している」と訴えました。

 公立保育所にかかわる財源問題では、三位一体改革のときに運営費や整備費が交付税算定となり、一般財源化された経過を振り返り、「子ども・子育て支援新制度」で公立保育所が使える制度があるか質問し、政府は、一般財源化している経費以外で使える補助金として障害児を受け入れるために必要な改修費や小規模保育所を開設するための賃貸物件の改修費、保育教諭を確保するために幼稚園教諭資格者が保育士資格を取得するための費用等が対象になっていることを回答しました。

【非正規の処遇改善問題】

 埼玉県保育問題協議会の調査では、県内の約半数の市が正規よりも非正規保育士の方が多くなっていることを指摘。また東京自治労連と明星大学の垣内国光研究室がまとめたアンケートによると、東京の23区以外の市町村部では非正規率が57.6%にもなっており、補助的な役割だけでなく、保育所が6割の非正規によって支えられている実態を示し、「非正規から正規への流れを促すべきだ」と迫りました。高市総務大臣は「さまざまな働き方へのニーズもあるので、多様な働き方を用意している」なとど開き直りましたが、「正規になりたいと思っている人が正規になれていない」と批判しました。

 公立保育所で非正規保育士の不安定な雇用実態を告発し、正規保育士と同じ職務を行ないながら、一時金もないケースや賃金に経験加算もされないこと等を指摘。また、「空白期間」を設けて任用を繰り返す行為も是正されていないことを示し、「ふさわしい処遇改善を進めるべきだ」と述べました。

 質問の最後に「本当にいい保育がしたい、そういう願いに応えるような施策が広がることを希望したい。ずっと働き続けたいという現場の声に応えて、非正規職員の正規化と労働条件、待遇改善を強く求める」と述べ締めくくりました。