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「自治体にはたらく女性の全国交流集会INあいち」を開催

「はたらく私が、輝く私であるために!」

 9月2日(土)~3日(日)、「第37回自治体にはたらくの全国交流集会」が愛知県内で開かれ、のべ約660人が楽しく学び交流しました。現地実行委員会の若い世代の発想を活かし、力を発揮した集会となりました。

 一日目全体会は、愛知商業高校の「書道パフォーマンス」で開会。「花束を君に」のメロディにのって集会テーマを書き上げ、満場の喝采を浴びました。

 自治労連本部高柳京子副委員長、愛知県本部長坂圭造委員長のあいさつに続き、田頭自治労連女性部書記長が基調報告。この集会が自治労連結成以前から開催され、今や産別を越えて全国の自治体・公務公共職場にはたらく女性が集う場となっている歴史を述べ、さらに、「職場で地域で、憲法を守りいかす共同をひろげましょう」「仕事と生活を両立して人間らしく働ける職場をつくりましょう」「職場と社会の男女平等をすすめましょう」「要求を語り合い、労働組合の強化拡大をすすめましょう」と運動提起を行いました。

身近なとりくみの報告に共感

 続く3本の運動報告のいずれもが、期せずして「働き方」に関連したものとなりました。

 東京・足立区職労からは、「保育士の働き方改革~足立の実践報告」と題して、95%が不払い残業、91.2%が持ち帰り残業という保育職場の実態を改善するため、人事委員会への措置要求や労基署への申告も視野にいれた取り組みで、2年分の残業代遡及清算や7年ぶりの新規採用をかちとった経験が語られました。

 大阪府職労からは、「安心して出産・子育てできる職場を取り戻そう」と、維新府政のもとで、妊婦が終電まで残業し流産しかかるなど権利が取得できない状態が蔓延している実態のもとで、親組合や部とも協力して「パパママ相談会」を開くなど、組合員の要求を拾い実現に向けた取り組みが話されました。

 地元の豊橋市職労からは「看護師が働き続けられる職場づくり」について報告。夜勤月9回以上の職員が5割という実態のもと、手当支給をかちとったが本当の願いは家族とすごす時間を増やすこと。深夜の使用に危険を感じる駐車場の照明を明るくする、妊婦用の白衣を支給させるなど、職場要求をとりあげ働きやすくしてくれる労働組合の存在は有難いが、その活動には学生時代の教室清掃のようにみんなで協力することが欠かせないと話されました。

「権利の上に眠るな」とエール

「女性は本当に輝けるのか?女性活躍社会のオモテとウラ」と題し、社会学者の上野千鶴子さんが記念講演。多数の著書で有名な方であるだけに、この講演を聞くために来た!という参加者も多数いたようです。

 上野さんは、男性が稼ぎ主、女性は一般職雇用+寿退職という世帯モデルが変容してきた過程を解き明かし、男女雇用機会均等法が実は派遣法と同時に成立したなど、女性活躍といいながら女性を使い捨て労働力として「活用」しようという新自由主義経済の狙いを明らかにしました。状況打開の処方箋は、(1)労働時間の短縮(2)年功序列制の廃止(3)同一労働同一賃金の確立とし、育児介護などケアの公共化も欠かせない。男女共同参画の目的は、一部のエリート女性の活躍ではなく、社会的弱者に寄り添える社会を作ること。また昨今の安倍政権の暴走に対しても、政治を変えさせるためにたたかうことが大切と、故市川房江さんの「権利の上に眠るな」という言葉を引きながら私たちに熱くメッセージを送られました。

 講演はわかりやすかったと好評で、男性参加者からも、「全ての人の尊厳が保障され、自律できる支え合いの仕組みをどう作るかは、行政の仕事としても、労働組合運動としても、真剣に考えていかなければならない切実な課題であると、改めて感じました。家族賃金の問題も、社会保障のあり方と合わせて議論していく必要があるのではないでしょうか」などの感想が寄せられました。

 その後の夕食交流会は、岩倉市職の男性保育士「だるまBROS.」を中心に「笑顔キラキラ」をみんなで歌い踊り、たいへん盛り上がりました。

講座・分科会で、仕事を、働き方を、学び語り合う

 2日目は、1講座6分科会3見学分科会に分かれ学びました。

「輝くわたしであるために~体のメンテナンスしてますか~」の分科会は超満員で、後から来た人をお断りするほど。「日本国憲法9条・24条の輝きを未来へ」の講座では、「社会生活と憲法はつながっていて、それが空気みたいに大切と言えると感じた」などの感想が寄せられました。「キャリアデザインで強み発見!」の分科会は、初企画。「自分を振り返ることができた」と好評でした。「どうすすめる? 職場の労働条件底上げ」の分科会では、2020年度から施行されるについて、内容と運動のポイントが説明され、「パートさんが多い職場だが、組合加入はわずか。”こんな話聞いたよー”と投げかけ、意識してもらいたい」などの声が出されました。

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