image005 自治労連は3月27日(日)、自治労連会館で「原発立地・周辺地方組織担当者会議」を開催しました。この会議は、①福島第一原発事故の現状と安倍内閣の原発推進政策の問題点や原発立地・周辺の地域、自治体が抱える問題を考え、課題を明らかにし、各地の取り組みや経験、教訓を共有すること、②原発ゼロを実現し、原発に依存しない地域、自治体をつくるための意思統一を図り、今後の自治労連の方針にいかし、原発ゼロに向けた取り組みを発展させることを目的として開催されました。

はじめに福島副委員長より主催者あいさつがあり、「世論調査では原発の再稼働反対が5割を超えている。昨日の集会にも全国から3万5千人が集まり、反原発の国民的運動は盛り上がっている。しかし原発立地自治体では経済的な問題を抱えている。原発廃炉を求めると同時に、地域の経済、産業の再興が課題となっている。原発立地とその周辺地域のみなさんと議論を深め、自治労連の運動にいかし発展させていきたい」と述べました。続いて、元衆議院議員の吉井英勝さんより「原発をなくし、原発に依存しない地域・自治体をつくるために」と題した学習講演が行なわれました。

吉井さんは「1基で約5000億円かかる原発建設は、大きな儲け口になっており、原発メーカーや大手ゼネコン、大手の鉄鋼に資金調達のためのメガバンクなど、原発建設には『原発利益共同体』が群がっている。安倍首相は輸出に躍起だが、原発には技術が必要で、技術者を養成するためには、運転中の原発で経験させる必要がある。再稼働は技術者を養成するためでもある」と指摘。また「地域住民と一緒に議論して、どんな再生可能エネルギーに取り組むかを見定め、事業体が地元住民や地元農林漁業、中小企業になる工夫をし、自治体が助成金などで効果的に事業がすすむ仕組みを作ることが必要だ」と、自治体の果たすべき役割についても述べました。

特別報告では、滋賀、福島、静岡、京都、佐賀から次の報告がありました。

滋賀「大津地裁への訴えは『福井原発訴訟(滋賀)を支える会』が中心となって行なわれ、初めて稼働中の原発を止めるという判決が下された。万が一、大飯や高浜などで事故が起きれば、びわ湖の汚染は避けられず、近畿の1400万人が利用する水を失うことになってしまう。避難の際も、福井から滋賀への道は1本しかなく、電車も強風で止まることもよくあり、混乱は避けられず、安全に避難することなど不可能である。また、栗東市では福島から避難してきた高校生が4月から採用され市職員になることから、より身近なところでも福島とのつながりを感じられると期待している」

福島「未だ10万人が避難している状態で、昨年の国勢調査で、双葉町、富岡町、大熊町では人口ゼロという衝撃的な結果が出された。国は避難指示解除で『帰れ』というが、水道などのインフラ、病院や働く場所などが整備されなくては、帰りたくても帰れない。安心して『住みたい』と思える環境に戻してもらわないといけない。自治体では、仕事量が増大しているが職員は増やせない。全国の自治体からの派遣職員についても、すでに5年が経過していることから、派遣元自治体は『もう派遣は終了だ』と認識している。住民との狭間で、無理を重ねてしまい、体調不良やメンタルヘルスなどの問題も増加している」

静岡「浜岡原発がある御前崎市は、来月市長選挙が行なわれ、2人の候補者は共に再稼働問題を争点にしていない。しかし、御前崎市内の世論調査では『争点にすべき』という声が6割に達している。浜岡原発の規制委員会審査が行なわれる中、年明けに県の同意が考えられる。最後のハードルとなる県知事の同意に対し、浜岡原発の再稼働に同意しないよう求める署名を昨年17万筆提出した。さらに運動を集中させていく」

京都「福井県の高浜原発から京都府の舞鶴市役所まではわずか12キロしかない。昨年、関西電力と原子力規制庁が5回にわたり地域協議会に出席して、原発事故対策と安全確保についての説明を繰り返したが、参加できる人が制限され、質問が禁止されている。実態は電力会社と国による一方的な学習会となっている。原発の再稼働を止める運動を、避難計画問題をはじめ、住民の命と安全を守る、憲法と地方自治のたたかいとして再構築する必要がある」

佐賀「玄海原発のある玄海町は人口6千人だが、原発の作業員が宿泊する旅館が15軒も営業している。原発反対運動を呼びかけているが、原発が地域にもたらす経済効果は確実に存在する。唐津上場商工会は、玄海原発が停止した場合の玄海町と隣接する唐津市を合わせた経済損失が年間34億円になる試算を発表した。原発の長期停止で地域経済の先行きに不透明感が続いている。旅館組合は少年サッカーの大会やフラダンスフェスティバルを誘致し、原発以外の宿泊客を確保する努力もしている。玄海原発1号機の廃炉は決まっている。原発によってゆがんでしまった行政や経済を転換し、第一次産業など地元の産業を再生して、地域を再興することが課題だ」

 会議では、①原発問題に対する取り組みを、憲法と地方自治を住民のくらしの中にいかす運動として位置付けて進めること、②原発に依存しない地域づくりを、原発立地・周辺の住民が「主人公」となって進める運動にしていくことが重要であると確認しました。