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自治労連公営企業評議会が業界団体と懇談

 自治労連公営企業評議会では、2月13日、公営電気事業経営者会議、日本水道協会、全国簡易水道協議会、日本下水道協会(記事掲載は訪問順)を訪問、1月に行われた省庁要請行動の国に対する要請項目、その回答の内容や各団体の課題について懇談を行ないました。

 この懇談は、公営企業評議会が上下水道・公営電力など業界団体との意見交換のため毎年行なっているものです。公営企業評議会からは、渡辺副議長、近藤事務局長、釘元常任幹事が参加しました。

 

「日本のエネルギー事情を良くしたい」と意見交換:公営電気事業経営者会議

公営電気事業経営者会議(以下「経営者会議」)では、専務理事をはじめ3名の方に対応していただきました。

 私たちの経産省に対する要請内容やその回答について専務理事より様々な見解やご意見を頂き、経営者会議が経産省に対して行っている要請内容についての説明を受けて意見交換を行ないました。
 人事異動で専務理事が替わられてから初めての意見交換ということもあり、改めてお互いの見解についての意見交換となりましたが、日本のエネルギー事情を良くしたいという基本的な立場から理解を深めました。
 公営企業経営者の立場と労働組合の立場という、お互い立場は違うものの日本のこれからのエネルギー施策を正常化するために、力を合わせ国に要請していきたいという方向を見出すことができました。
 公営電気事業は水力など再生可能エネルギー中心の経営を行なっており、公営電気事業の経営安定は日本のエネルギー事業の健全化の要です。

今後も、情報交換と意見交換を行ない、お互いの良いところは取り入れ、私たち公企評のこれからの日本のエネルギー施策を策定していきます。

 

持続可能な水道事業をめざして:日本水道協会

日本水道協会(以下「日水協」)では理事長をはじめ3名の方に対応していただきました。

 ここ数年、日水協とは水道の持続性について懇談を行なってきましたが、今年の厚労省への要請行動でも特に強調して訴えたコンセッション方式による水道事業の運営について意見を交換しました。

 私たちが、「国が進めようとしているコンセッション方式では、自治体から水道事業運営のノウハウが喪失し、災害時に他都市への応援体制が困難となる」「世界(フランスなど)でもコンセッション方式により、次期基幹設備投資に問題が生じた」ことなどを特に危惧していることを伝えました。

 また、簡易水道統合問題は統合を受ける側となる水道事業体が、統合により経営が困難となる問題が生ずることや、人口減少・収益減の中で水道事業をどう持続させていくのかは、大きな課題であり、とりわけ中小事業体では深刻であることについて意見交換が進みました。

 今後の事業展開などについてはそれぞれの立場の意見があるものの、住民のために安全・安心な飲料水の供給、持続可能な水道事業、水道技術の次世代への継承などについてはお互いに問題点を共有できる有意義な懇談でした。

 

問題が多い簡易水道事業統合:簡易水道協議会

全国簡易水道協議会(以下「簡水協」)では、事務局長に対応いただきました。

 簡易水道は国の方針により2018年までに事業統合を迫られています。しかし、この計画は国の意図するように進んでいないのが現実であり、公企評としても国に「計画策定期限の撤廃・延長」を求めいています。

 簡水協では、地方の事業体の現場の声を直接取りまとめる立場であることから、その進捗、仮に統合した場合でも、地方の実情から水道事業との統合後の経営が決して良い方向に向かうばかりではないとの心配をしており、私たちが「簡水統合は地方切り捨てにつながる」と訴えていることに対して、お互いの問題意識を共有する意見交換となりました。

私たちとしても、高度成長期に離島・山村など地方の水道普及の大きな推進力となった簡易水道が、今なお地方のライフラインの重要な要であり、国が赤字や一般会計の繰入を理由に統合を強要することは問題であることを改めて認識する懇談となりました。

 

行政側の体制の維持が課題:日本下水道協会

日本下水道協会(以下「協会」)では理事長をはじめ3名の方に対応していただきました。

 省庁要請行動において、多くの事業体で包括委託が進み、経験者の退職などで技術の継承もできず、委託先の履行状況のモニタリングも難しい状況が生まれていることを長年にわたって追求し、近年、国交省は「下水処理場の一部直営」などの方向性が出されていることなどを報告し、これらの問題についての意見交換を行ないました。

 下水部門で働く技術者が最大時の三分の二と大きく人員が減る中で、行政側の体制の維持が危ぶまれており、また高度成長期に作られた設備の老朽化対策など問題が山積している。技術者の減少、技術継承などの問題について協会としても「危機感を持っている」、「モニタリングにおいても災害時の対応においても行政側にしっかりとした技術者がいることが大切」など私たちと問題意識を共有化する部分も多く、有意義な意見交換となりました。

国は「一部直営化」と言いながら、管路包括委託の更なる導入など現場の危機感を解決する方向とは大きくかけ離れた方針を出しています。今後も関連業界の方と意見交換を行い、住民目線から官と民のバランスのとれた協力関係を築いていきます。

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