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第15回全国公企青年のつどいin名古屋

 同じ仕事をしている他都市の仲間の姿を見た!全国から76人が参加

  第15回全国公企青年のつどいが6月2~3日、名古屋市・名古屋水道労働組合(名水労)で開催され、76人の仲間が集まりました。
 青年のつどいは、開催地の職場見学を企画の中に入れることによって、他都市の同じ職域の仲間の職場を実際に見て、仕事を通じての意見交流ができる企画として続けられてきました。
 1日目は、営業所、配水事務所、浄水場、下水処理場4つの職場見学に分かれ、全国で委託化が進行していく中で多くの直営業務をまもりつづけてきた名水労の実際の職場を見ることができました。
 東日本大震災をはじめ、多くの災害時にも高い評価を得てきた名古屋上下水道の技術・技能の高さに、参加者からは「ここまで直営でできるのはすごい」「やはり日常的に業務をしていないと管理監督もできない」などの感想の声があがりました。

交流会では名水労青年女性部が大活躍!
  職場見学の後には全体会・交流会が行われ、あいさつの中で植本議長は、「青年のつどいが『自分の職場以外を知る貴重な機会』であり、私たち公企評もそれを重要視している。全国の仲間と交流・学習して経験を単組に持ち帰ってほしい」と話しました。
 また、名水労・近藤委員長(公企評事務局長)は「青年のつどいは私が青年部だった頃、他都市の事業を知りたいという動機から始めたもので、自分の職場だけでなく広い視野で見ることができた」と話し、「今後も引き継いでもらいたい」と呼びかけました。
 交流会では、名水労青年女性部からのプロジェクターを使った活動紹介があり、1年間のさまざまなとりくみが写真を交えて紹介されました
 また、名水労が直面している課題である「現業職」の不採用と給与引き下げ問題を、有名なドキュメンタリー番組を真似た寸劇「プロジェクトM」で紹介し、名水労方針の職種の壁を超えた「協働業務」とは何かを、団体交渉の厳しい場面をユーモアを交えての名演技で再現、参加者の喝采を浴びました。
 交流会では、南は長崎から初参加の静岡など参加者全員が各単組の自己紹介を行い、次回開催地の埼玉県公企労から来年度の意気込みが語られました。

「現場は人が足りない・経験ある職員が不足」 分科会で各事業体での実態が話し合われる

 2日目の分科会では、技術伝承と新規採用、人材育成の課題が共通の話題になり「現場を知ることが大事」「委託が拡大し委託業務の内容もわからない」など参加者が将来に不安を抱えながら仕事を行なっている実態が交流されました。

職場見学並びに分科会での討論での意見感想から
(事務・営業所部門)
 ノウハウ伝承が話題の中心となり「採用されても転職や退職してしまうこともあるし、採用募集しても集まらない状況になっている」といった水道事業に人が集まらない実態や、「役職をたくさん作り、「課長補佐」にして業務の内容は変わらないのに残業代を出さない」「上下水道局になっても、上下の業務の違いもあり業務がうまくいかない」「上下水事業統合したが上下のすりあわせがうまくいかず図面管理ができない、上下統合にはデメリットもある」など仕事の進め方についても意見が交わされました。

こんなものまで直営で自作?興味津々の参加者

(管路・配水部門)
 施設見学では資材や業務内容の説明を受けました。日常使う資材は常に公用車に積載され、保管資材も整理整頓されている状況を見て、「直営部隊をもっているだけに技術力が違う」「うちとは違うな」という素直な感想や、管路センターの組織は業務の役割がしっかりと決められていることに驚いていました。
 業務内容については直営なるが故の詳細な説明を聞き「直営力が大事」「業務技師の技術力が高い」などのその根拠となる理由が参加者に伝わり、「異動が多い行政職でも異動範囲を関連するところへ絞るなど対策が必要」などの意見が出されました。

他都市の施設を見ると勉強になります

(下水処理場部門)
 同じ規模の下水処理場でも歴史や地域性によってその設備の内容も大きく変わることが話題になりました。「どうして名古屋は揚砂設備がないの?」「土壌脱臭装置があるんだ・・・」など、自分たちの職場だけでは知り得ない技術屋同士の会話が聞こえてきました。
 翌日の分科会では、本庁で設計業務を業務とする青年は、「処理場を見て、とても勉強になった」と語り、名古屋は経験ある技術者が維持管理や長寿命化なども知恵を出し合い、メーカーやコンサルの言いなりになっていないことなど技術屋論議が活発にかわされました。
 また、それぞれの職場の労働条件や職務内容も話題となり、名古屋の現業職と行政職が一緒に業務を行う「協働業務」についての論議、下水処理場には欠かせない交代勤務職員の労働条件・勤務実態の意見交換などが行われました。

緩速ろ過池の残る鍋屋上野浄水場で

(浄水場部門)
 「事業規模が違っても、悩んでいる中身は同じ」という意見が出されました。どの事業体も技術力の維持が大きな問題となっており、技術力を維持していくには、直営で学び実践できる職場が必要、名古屋の技術水準の高さを見て「自分たちもがんばらなくては」と思ったとの感想がありました。
 広がっている委託化についても「今は信頼関係のある業者との長期契約だが、委託業者が替わる時が心配」「若手職員がまだ育っていない」「直営を経験していない若い職員が『直営でできないから委託しかない』と思うようになっている」などの危機感が話し合われました。
 また、人事政策が重要で「再任用職員を第一線で働かせているので、再任用職員も人に教えるゆとりはなく、技術の伝承ができない」「局・部を超えた人事異動が頻繁になりエキスパートがいなくなってきた」など、異動基準の問題や欠員補充交渉だけで精一杯など、人に関する課題が話題の中心となりました。

近藤事務局長による水道法改正の学習会

 最後の全体会では公企評・近藤事務局長から、水道法「改正」(案)のねらいと公営企業で上下水道事業を運営していく意義について学習を行いました。
 「水道法『改正』は、国が現行の水道法1条にある水道事業の保護育成を行ってこなかったため、人材育成が進まず疲弊している」「国は解決策として広域化と民営化を進めようとしているが、上下水道事業が疲弊した原因をよく知り、具体的解決策を持つ必要がある」「国が進めようとしている広域化・官民連携の実態をもっと学習するためにも7月に行われる自治体学校『水』分科会や、10月の公企集会にも参加し、単組の仲間や地域住民に知らせていってほしい」と訴えました。
 まとめでは、公企評・神谷事務局次長が、「公企評のとりくみで他都市の話や、実際に小規模水道を取材に行くことで水道事業が抱えている実態を始めて知った」と語り、「公企評は省庁への要請でも国に対して実態を訴えている。公企評の運動を次世代につなげていこう」とまとめました。

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