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「長時間労働NO!人員ふやして、いい仕事がしたい!」 自治労連・予算人員闘争をすすめる交流集会を開催

5月と6月期に、全国で「いっせい職場訪問」を提起
 自治労連は4月22~23日、「長時間労働NO!人員ふやして、いい仕事がしたい!予算人員闘争をすすめる交流集会」を静岡県伊東市で開催し、27地方組織、73単組、本部から175人

が参加しました。 
 1日目の全体会で主催者あいさつをした猿橋自治労連中央執行委員長は「職場では人員不足の中で、長時間労働と健康破壊が後を絶たない。予算人員闘争は職場要求と住民要求を一体のものとして実現をめざす民主的自治体労働者論の実践でもある。この集会で、全国のすすんだ経験や教訓を学び合い、夏季闘争から確信を持ってたたかおう」と呼びかけました。  

 続いて基調報告を行った中川書記長は、5月、6月期に組合役員が長時間残業の実態を把握するために自治労連として全国いっせいに職場訪問に取り組むことを提起しました。その後、福島中央副執行委員長がコーディネーターとなりパネルディスカッションを開催。京都府職労連書記次長の中村知彦さん、足立区職労副委員長の鈴木俊治さん、岡山市職労部長の小松佳子さん、上田市職労副委員長の本間繁さんの4人が、パネリストとして報告しました。

全職場から要求書を提出、職場での懇談会、住民との共同が人員増の力に
<パネルディスカッション>

 パネリストからは「職場を訪問する超勤実態調査を2014年6月から毎月連続34回実施している。職場からは『組合が訪問に来てくれる日は超勤がつけやすくなった』『次はいつ来てくれますか』と期待の声が寄せられ、組合への信頼も高まっている。人事当局も実態調査を行なわざるを得なくなり、人事委員会も調査を開始することになった。たたかいで人員増や時間外手当の遡及、行政改革推進課との交渉・懇談の実現、組合加入など、様々なことが得られた」(中村さん)。
 「保育園では95%が不払い残業、91.2%が持ち帰り残業、休憩時間30分以下が85.5%など異常な実態が明らかになった。人事委員会に『勤務条件に関する措置要求』、労働基準監督署に『法令違反の提訴』等を行うことを視野に入れた折衝を行ってきた結果、不払い残業代の支払いや8年ぶりの正規職員の新規採用、『事務量の見直しを検討する』との回答を引き出すことができた」(鈴木さん)。
 「育休を取得しにくい状況になっている危機感から、育児休業の正規職員配置を要求してきた。市労連の統一要求書にも盛り込み、『休む人』だけでなく『送り出す職場の要求』となるように取り組んだ。その結果、2016年4月1日に育休職員のいる17の職場、2017年4月1日に19の職場に正規職員が配置されることになった」(小松さん)。
 「職場全体で人員要求を考え、確立した。所属長や部長との話し合いを通じて、当局の組織ヒアリングに要求を反映させた。予算人員闘争と賃金闘争を両輪の闘いと位置付け、年間サイクル化した。2015年には63人の新規採用、土木や建築、保健師など専門職の採用、採用年齢の引き上げなど、大きな前進を勝ち取った」(本間さん)など、たたかいの経験や教訓が報告されました。

<全体討論>  

 パネリストへの質疑応答の後、参加者による全体討論を行いました。
 「『子育てしながら働くことは不安でいっぱい』という声が職場から寄せられていた。岡山の経験に学び、育児休業の正規職員配置を組合本体のメイン要求に掲げて取り組んだ結果、  今年度は全体の職員数が9人増加、そのうち6人が育児休業の正規代替として配置された」(愛媛・新居浜市職労)。
 住民とともに『子どもたちにあたたかい学校給食を届ける会』を結成して運動をすすめ、22年ぶりに調理員の新規採用を勝ち取った。当局に『新陳代謝の範疇で新規採用をする』ことを約束させ、民間委託を検証する委員会の報告書に『直営の必要性』を明記することができ、『直営校を存続し、新規採用も行なう』という教育長の発言につながった。たたかいは学校嘱託職員労働組合の結成にもつながっている」(北九州市職労)。
 「時間外勤務が年間1000時間を超える職員が昨年度20人いたことや、『超勤申請の時間を指示して削らせる』『新人の超勤申請は認めない』など、数々の労働基準法違反やパワハラの実態について是正を求めたが改善されず、労働基準監督署に申告してたたかった。是正勧告を勝ち取り、NHKや地方紙でも報道され、37年ぶりに職員定数の増員を実現させた」(滋賀県職)。
 「要求アンケートに取り組み、全職場で懇談会を実施した。課長からは『組合の人員要求は後ろ盾になるので重要だ』という意見が寄せられるなど有意義なものとなっている。人事当局は『市の計画通りの人員削減は無理だ』と言わざるを得なくなった。来年度の計画は、当初よりも多い採用人数に変更されている。組合の要求書は市の政策会議の場でも使われ影響を与えている」(静岡・伊東市職労)。
 「『毎日残業で死にそうだ』と言う職場の悲痛な声や、上司に『サービス残業は千葉の文化だ』と言われた職員がいることから、本庁職場で残業調査を行い、全職場でオルグを実施した。2016年11月には県の本庁副課長会議・各部出先機関次長会議で『時間外勤務命令は事前命令を前提としているが、行われていないケースがある』と報告され、組合が指摘してきた問題を当局に一部認めさせることができた」(千葉県職労)。
 

 「残業調査アンケートでは36%が『過労死の不安を抱えている』と回答。月45時間以上の残業が36%、過労死ラインの80時間以上の残業をしている人が10%もいた。今年2月の県議会では、ある議員から『組合が行った残業調査アンケートでは、5割以上の職員が不払い残業があると答えている』との指摘もあった。今年4月から、労働時間の短縮を目的とした人員増と人員配置を実現させた」(神奈川県職労連)。
 「給食まつりの開催など、住民とともに給食をよくする取り組みをすすめ、給食センターの直営堅持と22年ぶりの調理員新規採用を勝ち取った」(上田市職労・現業評議会)。
 「大阪の衛都連は『市民と自分のために、いい仕事がしたい』をテーマに毎年、職場職種別交流集会を開催している。大阪府職労は『仕事も生活も大切にする本当の働き方改革を』とキャンペーンに取り組んでいる。本庁で残業実態調査を実施し、交渉でリアルな職場実態を訴え、職員の一律削減をストップさせることができたが、抜本的な解決には至っていない。連休明けからは、出先職場も含めた全職場対象のアンケート調査にも取り組む」(大阪自治労連)などの発言があり、交流を深めました。 

「予算人員闘争が、身近なものに感じられた」「いろんなヒントがあって、あれをやりたい、これもやりたいと意欲が出てきた」  

 2日目には、参加者が9つに分かれての分散会が行われ、自治労連の提起する5月、6月期のいっせい職場訪問の取り組みをはじめ、職場・地域からの予算人員闘争をどうすすめるかについて、活発な討論が行われました。参加者からは、「予算人員闘争が身近なものに感じられた」「分散会では自分の悩んでいることが課題となり、各地の取り組みや実態が聞けて良かった」「いろんなヒントがあって、あれをやりたい、これもやりたいと意欲が出てきた」など、多くの感想や決意が寄せられました。

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