悠湯 旅情2013年4月号 Vol.473

GW(ゴールデンウィーク)は雪の回廊と弘前城の桜で 青森市・酸ケ湯(すかゆ)温泉

四季折々、自然と「ヒバ千人風呂」が織りなす大湯治場

 酸ケ湯は、今年、アメダスの観測地点積雪深記録5メートル60センチ超を更新した豪雪地にあります。八甲田山の西の麓にあり、日本海からの強風が多量の雪をもたらします。しかし一年中営業し、青森駅から路線バスも定期運行しています。群馬県四万(しま)温泉とともに国民保養温泉地全国第1号に指定された湯治棟が立ち並び、観光と湯治客で一年中にぎわっています。特に、混浴の「ヒバ千人風呂」が有名。源泉が自噴している「熱(ねつ)の湯」、高温源泉を加水している「四分(しぶ)六分(ろくぶ)の湯」と、千人は入れそうな大浴場です。泉質は酸性硫黄泉で、神経痛・胃腸病・皮膚病に効能があります。PH3の打たせ湯「湯瀧(ゆだき)」は、ビニール袋を頭にすっぽり被って湯をあてます。宿泊は、旅館部と湯治部に分かれ、湯治部は自炊と湯治食がありますが、旅館部と同じ豪華な食事も予約できるので、狭い湯治部屋で過ごすのも一興です。  周りには奥入瀬(おいらせ)渓流・十和田湖があり、新緑から紅葉の季節折々に楽しめます。八甲田山は冬のスキー、夏の登山を含め一年中姿を変えます。ハイキング程度なら、八甲田ロープーウェイで登り、酸ケ湯に降りてくる青森トドマツ・沼めぐりのコースがあり、初心者も気楽に親しめます。紅葉シーズンは特に人気があり、ハイキング後は浴場と食堂が混み合っています。  近くに、これも人気の蔦(つた)温泉の周りの6沼をめぐる蔦沼(つたぬま)自然教育路があります。蔦沼は紅葉時には周囲が朝日に真っ赤に色づき、水面にもくっきり映る圧巻の沼に変貌します。  GWは奥入瀬渓流も十和田湖も雪が残っているため、歩くのは難しく、車からの眺めになります。酸ケ湯の奥のブナ林に囲まれた4月末に開通する国道103号線の雪の回廊を走り、弘前城の桜見物という雪と桜のコラボがおすすめです。弘前城は全国に現存する12天守のひとつで国重要文化財に指定されています。城内の桜はソメイヨシノを中心に千本以上あり、天守閣周辺には数多くの枝垂れ桜の大木があります。  酸ケ湯の後は弘前市内に宿をとり、夜桜と朝日に映えるお堀に垂れる桜の下をボートで楽しめば、東北の遅い春を満喫できます。さらに太宰治の生家「斜陽館」のある金木に五所川原から津軽鉄道で足を延ばすこともできる春の津軽です。

▲弘前城天守閣を包むように枝垂れ桜

▲4月下旬に開通する酸ケ湯奥の103号線の雪の回廊

 


温泉メモ

【酸ケ湯温泉旅館】

所在地/
青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢  50番地
問い合わせ/
017−738−6400
交通/
酸ケ湯温泉前下車・JRバス、 青森駅から1時間10分、 青森空港から車で1時間
営業日/
通年営業

▲雪に埋もれず立ち並ぶ本館と7棟の旅館