悠湯 旅情2012年7月号 Vol.464

深い森と霧のなかに霧島温泉郷 鹿児島県霧島市

自然の力あふれる霧島いたるところに源泉が噴出

 霧島高原は、韓国岳(からくにだけ)、高千穂峰等からなる霧島連山の山麓を包括した地域をさし、今年3月16日には屋久島と分離して、新たに「霧島錦江湾国立公園」として指定され直し、九州新幹線の開通とあいまって人気急上昇中です。近隣には、えびの高原や「天孫降臨伝説」で有名な霧島神宮もあり、また、鹿児島市内や桜島へも車で2時間前後で行くことができます。  「花は霧島、煙草は国分」と謳われているおり、霧島高原は初夏のミヤマキリシマをはじめ、四季折々の花々が咲き誇り、また鬱蒼と繁る深い森に包まれた、標高800メートル前後の霧島連山の山麓に広がっています。  この一体は、火山群である霧島連山の賜物として、随所に豊富な温泉が湧き出ている国内有数の一大温泉郷でもあります。  「旅行人山荘(りょこうじんさんそう)」は、霧島温泉のなかの「丸尾温泉」のさらに奥の山にある一軒宿ですが、「窓を開ければ展望台」と自称するほど見事な眺望に恵まれた宿です。  天候がよければ、錦江湾と、もうもうと噴煙を上げる雄大な桜島が露天風呂やレストランの眼前に広がり、思わず声を上げたくなるような景色が楽しめます。  また、霧島の名のとおり、深い霧に包まれることも珍しくありませんが、霧の日は山並みの間を流れる白く深い霧が何とも言えない情緒を作り出しています。  温泉は白濁した硫黄泉と無色の単純泉の2つの源泉があり、大浴場・露天風呂と、森に点在する4つの貸切露天風呂で楽しめ、旅の疲れを芯から癒してくれます。  宿の敷地は5万坪もあり、専用の散策林に一歩立ち入れば、風に鳴る木々のざわめきと小鳥たちのさえずりしかない静寂の世界が広がっています。  宿にはギャラリーもあり、訪館時は、イカ画家・宮内裕賀(ゆか)さんの「イカ展」が行われていました。海を泳ぐイカをさまざまに表現した絵画で、驚きの世界でした。6月からは別の展示が行われています。  ロビーでは毎週土曜日の夜にピアノコンサートも行われるなど、温泉・散歩・景観に加え、絵や音楽も楽しめる至れり尽くせりの宿です。  もちろん、もうひとつの(最大の?)楽しみの食事も十分納得できるものでした。「旅行人山荘」は鹿児島観光にうってつけの、心も身体も休まる宿です。

▲噴煙を上げる桜島 この数日後に鹿児島市内に火山灰が大量に降りました

▲深い森に包まれた、天孫降臨神話の「霧島神宮」

 


温泉メモ

【旅行人山荘】

所在地/
鹿児島県霧島市牧園町
高千穂字龍石3863
電話/
0995-78-2831
交通/
鹿児島空港からバス35分、
JR霧島神宮駅または
霧島温泉駅バス25分
立ち寄り入浴/
大人500円 正午〜午後3時
(貸切露天風呂はプラス1000円
午前11時〜午後2時10分)

▲森のなかに佇む「旅行人山荘」