悠湯 旅情2012年4月号 Vol.461

津波に耐え、ボランティア宿泊拠点に 宮城・南三陸町 南三陸温泉

復興に向け歩み始めた 南三陸の海の素晴らしさに祈り込め

 石巻、原発のある女川を経て国道398号線を北上した所に位置する南三陸町は、南三陸金華山国定公園に指定されているリアス式海岸の景勝地です。南三陸町は2005年に志津川湾をともに囲んだ志津川町と歌津町の2町が合併して誕生しました。  南三陸温泉の「南三陸ホテル観洋」は、海岸線の弁天崎という屈指のビューポイント付近にある一軒宿です。しかし、昨年3月11日の大津波により、大露天風呂のある2階まで被害を受けました。当日の宿泊客を仙台に送り届けたのは16日だったそうです。直後にオーナーが「町の復興復旧の拠点にする」と宣言し、この1年、壊滅的な被害を受けた町の復興のため、全国からのボランティア支援の宿泊施設として提供しました。今では一般客も戻り、にぎわっています。浴場では手を真っ黒にした、ワカメの仕分けボランティアに来ている学生に会いました。9450円から宮城復興宿泊プランがあります。  このホテルは「2012年プロの選ぶ日本のホテル・宿百選」の28位に選ばれました。温泉は、海洋性ミネラルやヨードたっぷりのナトリウム・カルシウム塩化物泉の深層天然泉です。絶景露天風呂に入ると、目の前に広がる海が静かな姿に戻り、ワカメ養殖も再開した南三陸の海の素晴らしさに感動します。正面から朝日が昇り、初日の出の名所でもあります。  料理は、このホテルを経営し、水産業復興に奔走する気仙沼の阿部長(あべちょう)商店が、回復しつつある地元の海産物などを届け、アワビの踊り焼き・フカヒレあんかけ・カニなど10種類ほど並び、絶品です。  近くに「神が岩を割り集落の仲たがいを調停した」という神割崎(かみわりざき)があり見所となっています。  南三陸町は復興実施計画にとりくんでいますが、約20カ所の高台移転か、にぎわいのある集中した街かが議論されており、住宅確保はこれからの課題です。町中心部では鉄骨だけが残った町防災センターにたくさんの花が手向けられ、多くの人が手を合わせていました。町役場は跡形もなく流され、被災した公立志津川病院に替わる公立診療所が3月に始まりました。  仮設商店街ではワカメなど海産物、地元の住民が作った復興グッズなどを販売しています。町の観光協会のホームぺージでも「みなみな屋」で検索できます。

▲日の出が部屋の正面から拝め、朝日に海がきらめきます。2階の露天風呂の前の木には津波の痕跡のビニールが引っかかったままです

▲歌津(うたつ)中心部の被災した低地に再建した仮設店舗。ワカメ・メカブ・鮪など新鮮な海産物も並んでいます

 


温泉メモ

【南三陸ホテル観洋】

所在地/
〒986−0766
宮城県本吉郡南三陸町黒崎99−17
交通/
三陸自動車道「桃生・津山I.C.」から 
約18キロ 南三陸町内はJR気仙沼線
未復旧のため要問い合わせ
問い合わせ/
0226−46−2442
HP/
http://www.mkanyo.jp/