日本列島 おどろき・おもしろミュージアム2012年11月号 Vol.468

千葉県佐倉市 DIC川村美術館

佐倉十万石の街・北総台地に立つ美術館

 DIC川村美術館は、DIC(株)(旧大日本インキ)の収集した美術品公開のため1990年総合研究所敷地内に設立されました。収集作品は1000点を超えています。  展示室を入るとレンブラントの「広つば帽を被った男」が迎えてくれます。主な展示ジャンルでは、印象派とエコールド・パリ、20世紀抽象絵画、近世・近代の日本美術に特徴があります。  印象派などではモネ、ルノアール、ピサロからピカソ、マティス、藤田嗣治、シャガールなど豊富です。シャガールの「ダビデ王の夢」は生涯の作品のなかで最大の作品の一つで目を引きます。  抽象画の出発点とも言われ、ロシア・アバンギャルドの代表格マレーヴィッチ「シュプレマティズム」(ロシア革命1917年作品)は20世紀に大きな影響を及ぼした作品です。革命後も暫くこの傾向は旧ソ連で広がりを見せ、シャガールが「ロシア帝国もソヴィエト・ロシアも私を必要としない」と1922年にパリに移ります。この作品はイタリアの大女優ソフィア・ローレンが所有していたそうです。戦後のバーネット・ニューマンの赤と白だけに塗り分けられた「アンナの光」の部屋、7枚の巨大な抽象画に取り巻かれるマーク・ロスコ「ミーグラム壁画」の部屋など20世紀抽象画を体験するのもいいでしょう。  日本美術では長谷川等伯の「烏鷺図屏風」(国重要文化財)を始め、尾形光琳、橋本関雪、横山大観等が多彩に所蔵されています。日本画は光で痛みやすいため公開状況はHPで確認を。  美術館の周りは自然研究路が整備され四季の花々を楽しめます。雪割草・福寿草から桜、カタクリ、大賀はす、十月桜、水仙などが咲き、入館しなくても散策できます。市内には黒船来航時に老中筆頭を務めた堀田邸と武家屋敷、オランダ水車と53万本のチューリップの佐倉ふるさと広場など楽しめる施設もあります。同じ佐倉市内にある国立歴史博物館はじっくり見る施設ですので、またの機会がお勧めです。

▲白鳥・カモがくらす池を挟んだ三角屋根のDIC川村美術館

▲四季の花にあふれる自然研究路が素敵。9月は酔フヨウと洋ススキ

 


ミュージアムメモ
所在地/ 千葉県佐倉市坂戸631番地
交通/ JR佐倉駅・京成佐倉駅から無料送迎バス(時間確認)、 タクシーは約3,000円
開館時間/ 午前9時30分〜午後5時
休館日/ 毎週月曜日、年末年始
入場料/ 900円、児童・生徒500円(企画展時は別)
問い合わせ/ 0120−498−130
HP/ http://kawamura-museum.dic.co.jp/