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【シリーズ131】自分でつくった野菜は愛おしい

My Way My Life2011年6月号 Vol.451

高知・南国自治労連 吉岡 早代(よしおか さよ)さん

自分でつくった野菜は愛おしい

 5月に入り、全国各地で夏日が観測されるなか、畑では太陽を一身に浴びて育つ夏野菜の準備が整いつつあります。  吉岡さんは野菜づくりを始めて4年。「知り合いとの会話から興味がわいて、『畑を貸すからやってみる?』と言われて乗ってしまいました」と振り返ります。苗を見ては次々と買い、スイカ、トウモロコシ、ズッキーニ、サツマイモなどを少しずつ植えていきました。種から育てる場合、発芽までの2週間は除草や水やり、天気など気がかりの多い時期ですが、「焦ったらいかん。野菜は気が長い生き物」と吉岡さんは言います。初めてスイカを収穫した時、切ってみたら果肉が真っ白だったという失敗がありました。早く収穫し過ぎたのです。「野菜づくりは子育てに似ていると思う。手をかけ過ぎても、かけなくてもダメ。じっくり待つことが大事やね」と、3人のお母さんである吉岡さんらしい例えで野菜づくりの魅力を語ります。  吉岡さんの畑は南国市の自宅近く。今ではナス、トマト、ジャガイモ、玉ねぎ、ニンニクなどが植えられています。苗を植える際、クタっとしている葉には細い支柱を添え、やさしく結びつけます。ニンジン、ゴボウなどの根菜を収穫する時には土を深く掘り、抜くにも力を必要とします。膝をついて全身を使い、まさに土まみれの作業ですが、吉岡さんはホクホク顔。「経験の浅い私でも野菜はきちんと育ってくれる。本当にかわいいき」と収穫したニンジンに語りかけるように話します。土を掘り、ミミズが出てくると「それだけ土に栄養がしみ込んでいるってことやね」と、あくまでも野菜をやさしい目線で見つめます。「どんなに形が悪くても愛おしい。『よくここまで育ったね』って、葉っぱも全部食べます。自分でつくった野菜が一番おいしい!」とうれしそうです。  吉岡さんはこれまでスキー、テニス、マラソンなどアウトドアスポーツを趣味としていました。それは、体を酷使するものでもありました。しかし、野菜づくりは「無になれる」と吉岡さんは言います。「思い立ったら突き進んで、ある程度までいったら次へ、というのが私のやり方だったけれど、野菜づくりは続けられる。収穫できて、おいしくて、これ以上の癒しはないねぇ」と、きょうも土にまみれながら、自ら育て上げた野菜の収穫に心を弾ませます。

▲ニンジンの収穫を喜ぶ吉岡さん。葉はサラダにして食べると柔らかくておいしいそう

▲料理も大好き。「得意な料理はありません。何でもつくれちゃう(笑)」