自治体の仲間最新号

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機関紙『自治体の仲間』2019年 2月号 Vol.543
長時間労働是正 2019年国民春闘
生活改善できる大幅賃上げ実現を

長時間労働是正 2019年国民春闘

生活改善できる大幅賃上げ実現を

▲経団連ビルに向けて東京・丸ノ内をデモ行進し、19国民春闘スタートをアピール

19国民春闘がスタートし、全国で宣伝や要求書づくりが始まりました。全労連・国民春闘共闘委員会は、1月16日に19春闘宣言行動をとりくみ、厚生労働省前行動、東京・丸ノ内デモ、日本経済団体連合会ビル包囲行動を行い、内部留保をためこむ大企業に、労働者の大幅賃金引き上げと雇用の安定など社会的責任を果たすよう追及しました。

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すべての労働者の大幅賃上げを

厚労省前では、国民春闘共闘・野村幸裕事務局長が、安倍政権の下で労働者の実質賃金が5%減少していることに触れ、「定期昇給分の2%と合わせ計7%、2万5000円の引き上げ、最低賃金引き上げをすべての労働者の要求に位置づけてたたかおう」とあいさつ。

その後、自治労連・桜井眞吾副委員長が、青年部が実施したアンケートで、「社会で気になること」に、「医療・年金・社会保障問題」「消費税など増税」「保育や教育への公的支援」が上位を占めたことを紹介し、切実な住民要求や自らの将来の不安を反映していることを報告しました。

そして、地方自治体でも国政でも安倍政権のやり方を変えるために、今春の統一地方選挙、夏の参議院議員選挙では、全力をあげると決意表明し、「全体の奉仕者として、アメリカや大企業、首相官邸のためではなく、国民全体のために働くことを追求していこう」と呼びかけました。

国民の安心と労働者の権利を守ろう

経団連ビル前では、主催者あいさつに全労連・小田川義和議長が立ち、425兆円もの内部留保をため込んでいる大企業に対し、下請け企業を含むすべての労働者に大幅賃上げを行うよう求め、8時間働けばまともな生活ができる持続可能な社会づくりを訴えました。

続けて、民間労組からは、出入国管理法の改正が安い労働力を求める大企業の意向に応えたものであり、賃上げ要求に応えない大企業に対し、消費税増税反対とともに地域と連帯してたたかう決意表明がありました。

最後に、行政サービスを市場原理に委ねようとする動きに対し、国公労連が国民の安心と労働者の権利を守るために、共同のたたかいを広げようと参加者に訴えました。

▲「大企業は社会的責任を果たせ」と経団連に向けて声をあげる公務・民間労組の仲間たち


第18回 子どもに豊かな学びと読書のよろこびを
学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどいを開催

図書館は生涯学習に不可欠

「学び」でまっとうな主権者へ

▲全国教育文化会館・エデュカス東京に123人が集まり、前川喜平さん(左)の講演を聞きました

自治労連も実行委員会に参加している「子どもに豊かな学びと読書のよろこびを 学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどい」が1月14日に開かれ、元・文部科学省事務次官の前川喜平さんが記念講演しました。

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前川さんは、政治と教育について「(昨今の)政治的中立性というのは『政治に触れるな』ということ。これは『権力を批判するな』と言っているのと同じだ」と指摘し、「政治的中立性」を理由に職員や住民の意見が封じられる危険性を訴えました。また、「(教育関係者などが)個人の見解を述べてはいけないというのはやりすぎ。現実の事象を取り上げて、積極的に政治教育してもいい」と語りました。

そして、図書館の役割について、「生涯学習は『自ら学ぶ』もの。学ぶことは、まっとうな主権者になるために必要であり、図書館は生涯学習のために不可欠の場所だ」と話しました。

つどいの後半は、4つの分科会で、現場でのさまざまなとりくみが参加者から報告され、討議と交流が行われました。


第58回自治労連中央委員会

30年積み上げた自治労連運動に確信 さらなる発展を

▲全国から中央委員と傍聴を含め254人が参加しました

自治労連第58回中央委員会が1月24~25日に横浜市内で行われ、2019年国民春闘に向けた方針を確認しました。あわせて24日夜に「自治労連30周年記念レセプション」も開催されました。

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中央委員会では中川悟書記長から2019年国民春闘方針案などが提案され、全体で33人が発言し、討論に参加しました。

討論では、職場での要求書づくりなどがすすむなか、会計年度任用職員制度の導入にともなった臨時・非常勤職員の待遇改善とあわせた組織拡大が報告されました。

長野からは賃金の独自カット提案を連日の朝ビラ宣伝と8割の組合員が意思を示した集会を成功させて撤回させた経験や、東京特別区では人事委員会の大幅賃下げ勧告を多くの仲間が声をあげ、勧告を実施させなかった経験が語られました。

また、最低賃金の引き上げが高卒初任給に大きく影響を与えていることや、公契約運動が自治体非正規労働者の賃金底上げにつながっていることも報告され、春闘を起点とした賃金引き上げのサイクルが重要であると発言がありました。

増勢と継承やりとげ自治労連を強く大きく

討論のまとめで中川書記長は、世代交代がはじまっている単組の事例に触れながら、「厳しいたたかいのなかでも、全国の仲間が励まし合いながら前進している。そのことを確信に、30周年の節目に増勢へ転じ、次世代への継承をやりとげて、自治労連を強く大きくしよう。政治の流れを変えよう」と訴えました。

▲全国の経験を交流する中央委員

自治労連の新しい仲間です

第58回中央委員会で新たに2単組の加入が承認されました。2020年から導入される会計年度任用職員制度をはじめ、雇用不安を抱える自治体非正規職員の労働条件改善に向け、全国の仲間とともにがんばりましょう。

[岐阜・飛騨市一般労働組合] みなさんと力を合わせて前へ

今日は私たちを仲間に加えていただき、ありがとうございました。飛騨市の非正規雇用職員や障害がありながら市役所で清掃の仕事をしている非正規雇用職員、また年次休暇も認められていないような民間で働く労働者など、わずか6人の小さな組合ですが、みなさんと協力しながら前にすすんでいきたいと思います。

[京都・宇治市非常勤職員労働組合] 健康で働き続けられる職場へ

非常勤嘱託職員として11年勤務しています。毎年3月に更新が繰り返されるなかで2020年より会計年度任用職員制度が始まり、雇用に対する不安が募っています。宇治市職労にアドバイスをいただき、昨年12月18日に京都自治労連同席のもと、組合結成しました。健康で長く働き続けられる職場になるよう活動していきます。

30周年レセプション開催

改憲ゆるさない決意新た

自治労連結成30周年、自治労連共済結成30周年、自治労連・地方自治問題研究機構設立20周年の記念レセプションが1月24日、神奈川県横浜市で開催されました。

自治労連は1989年3月17日に結成。猿橋均委員長は「30年を節目とし、たたかいの歴史と到達を学び、組織を大きく強くしていこう」と呼びかけました。

「杉本正と横浜弦楽五重奏団」の記念演奏や、自治労連の歩みを綴ったスライドが上映され、憲法を守りいかす「特別な任務」を実践し、安倍改憲を阻止する決意を固め合いました。

▲記念レセプションであいさつする猿橋均委員長


辺野古米軍基地建設の埋め立て賛否問う沖縄県民投票

県民投票の成功で圧倒的な民意示そう

2月24日投票日

沖縄・辺野古新基地建設工事をめぐる埋め立ての賛否を問う県民投票が、2月24日に実施されます。昨年9月に、市民団体「『辺野古』県民投票の会」が、有権者9万2848筆の署名を集めて県民投票を直接請求し、県議会で条例が可決されました。一部の市議会で投票に関する予算を否決し、市長も参加に反対や保留を表明するなど、全県実施が危ぶまれましたが、選択肢を「賛成」「反対」「どちらでもない」の三択とする条例改正が可決され、全県実施の見通しです。沖縄県民の民意を示すだけでなく、民主主義と地方自治のあり方にとっても重要な住民投票です。全労連と自治労連は県民投票の成功のため支援行動を展開しています。


自治労連2018~19年「働くみんなの要求・職場アンケート」より

要求を力に勝ちとろう 賃上げで生活改善

自治労連の「働くみんなの要求・職場アンケート」が、全国でとりくまれ、これまでに自治体・公務公共職場で働く仲間4万6077人から回答が集まりました(1月現在)。19春闘から始まる賃金・要求書づくりの基礎として、アンケートに寄せられた声を力に、すべての労働者の賃上げを勝ち取りましょう。

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生活実態

今年も過半数の52.9%が「生活が苦しい」

年間収入は、「増えた」が32.2(昨年30.4)%、「変わらない」が50.4(昨年50.5)%、「減った」が17.4(昨年19.2)%となりました。非正規では、「増えた」が23.8(昨年24.7)%、「変わらない」が58.9(昨年56.9)%、「減った」が17.3(昨年18.4)%となっています。5年連続賃上げのなかでも生活実態について大きな変化は見られず、生活改善につながっていない状況となっています。

生活実感として「かなり苦しい」が13.4(昨年15.2)%と「やや苦しい」が39.5(昨年38・0)%を合わせた数字は52.9(昨年53.2)%となっています。そのうち非正規では、「かなり苦しい」が16.3(昨年17.1)%と「やや苦しい」が37.8(昨年37.6)%を合わせた数字は54.1(昨年54.7)%で、どちらも「生活が苦しい」が半数を超えています。

▲【生活実態】

賃上げ要求

月額「1~3万円」が6割、時給「50~400円」が9割

賃上げ要求額は、月額回答者で「1万円」が26.8(昨年27.3)%、「3万円」が19.8(昨年20.1)%、「2万円」が13.4(昨年13.6)%と前年並み、5万円以上の回答合計は21.2(昨年16.4%)を占め昨年よりやや増加しました。時間額回答者では、「100円」が28.5(昨年28.9)%、次いで「400円以上」が18.2(昨年17.7)%、「200円」が13.9(昨年13.9)%となりました。

要求額の加重平均は、月額が2万6405(昨年2万7033)円となり、時間額が177(昨年176)円となりました。月額要求は「2万円」を中心に「1~3万円」に6割が集中。時間額要求は「150円」を中心に「50~400円」が9割超を占めました。全労連・自治労連の統一要求の「誰でも月額2万5000円以上、時間額150円以上」が、多くの仲間の要求であることを裏付ける結果となりました。

▲【賃上げ要求(月額)】

政府への要求

くらしにかかわる要求が上位を占める

対政府要求(3つ選択)では、多い順に「医療・介護・保育の充実」が48・0(昨年51.7)%、「最低賃金の引き上げ・全国一律最低賃金制度導入、公契約法・条例制定、均等待遇実現」が35.5(昨年27.3)%、「年金・生活保護制度の拡充、失業者の生活保障」が29.1(昨年34.7)%、「消費税増税中止、大企業・富裕層への課税強化」が26.9(昨年24.9)%、「景気・物価対策、中小企業振興」が25.8(昨年35.6)%、「憲法改悪反対、戦争法・共謀罪廃止など平和と民主主義の擁護、核兵器廃絶」が24.9(昨年14.6)%となっています。

特徴は、昨年同時期より「最低賃金の引き上げ・全国一律最低賃金制度導入、公契約法・条例制定、均等待遇実現」が8%増加していること、「憲法改悪反対、戦争法・共謀罪廃止など平和と民主主義の擁護、核兵器廃絶」が10%以上増えており、賃金・労働条件改善や平和への要求が強まっていることを示しています。

▲【政府への要求で実現したいもの】


主張 19国民春闘

職場要求と政治課題を結び政治の流れを変える春闘に

19国民春闘では、すべての労働者の賃金底上げのため、大企業の社会的責任で民間労働者の大幅賃上げを実現し、最低賃金引き上げと公契約の適正化、公務員賃金改善につなげることが重要です。

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大企業の内部留保は425兆円に膨れあがり、安倍政権発足時より30%増加し、報酬1億円以上の大企業役員が2倍近く増えた一方で、この5年間で労働者の実質賃金は5%減少し、年収200万円未満のワーキングプアは12年連続1000万人を超えています。アベノミクスが、国民生活を犠牲にし、大企業と一部富裕層に富を集中させたことは明らかです。

しかも、「毎月勤労統計調査」に不正が発覚し、強調してきたアベノミクスの成果や消費税10%増税の根拠はくずれています。

長時間労働の一掃と人員増 非正規労働者の雇用を守り公務公共サービスの拡充を

「働き方改革関連法」が昨年成立し、自治体職場での時間外上限規制は待ったなしの課題であり、長時間労働一掃のためには人員増が不可欠です。春闘期から「いっせい職場訪問」にとりくみ、時間外労働規制と予算人員闘争をすすめましょう。

また、会計年度任用職員制度の施行に向け、多くの自治体が6月議会での条例上程をめざしています。一方で臨時・非常勤職員の仕事を包括委託するなど、地方自治体の役割が崩されていく事態が生じています。

改憲発議阻止の運動を確信にさらなる共同を広げよう

安倍首相は9条改憲に固執し続け、米国いいなりの武器の爆買いが、社会保障や地方財政を著しく圧迫しています。しかし、この間「3000万人署名」や野党共闘の広がりにより、秋の臨時国会で、自民党改憲案の国会提示を許しませんでした。安倍9条改憲、「戦争する国づくり」と辺野古新基地建設を阻止するため、「3000万人署名」と「憲法キャラバン」を成功させて、組合員とともに、住民との共同を広げていきましょう。

今年は、春の統一地方選挙、夏の参議院選挙の年です。国民が地方政治と国政の在り方について一票を投じ、消費税10%への増税、社会保障切り捨て、改憲策動を阻止し、政治を変えるチャンスです。19国民春闘を政治課題と結んで、「政治の流れをかえる」春闘にしていきましょう。


大幅増員、長時間労働是正へ

「やりがい」と「辞めたい思い」

1・20 いのちと地域を守る学習・意思統一集会

▲東京都内で開催された集会に全国から58人が参加

大幅増員・夜勤改善と長時間労働是正の運動をすすめるための学習と意思統一の集会が20日に開催され、全国の仲間からの職場実態の報告と、昨年とりくまれた「自治体病院に働く職員の労働実態アンケート」の中間報告が行われました。

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特別報告では、岩手・奥州市医療局労組から、地域で周産期医療や小児医療などの医療体制が維持できなくなっている状況が報告され、東京・都庁職衛生局支部からは、都立病院の地方独立行政法人化に反対するたたかいの経過と決意が語られました。

大阪・りんくう総合医療センター労組は不払い賃金請求裁判、愛媛の津島・吉田病院局労組は「平成30年7月豪雨」時の経験を報告。長野・浅間総合病院労組からは、昨年実施した職場訪問の経験と重要性が報告され、今年11月に長野で開催される「第19回自治体病院全国集会」への参加も呼びかけられました。

参加者からも各地の状況やとりくみについて質問・発言がありました。

若干の改善あるも続く劣悪な職場環境

「自治体病院に働く職員の労働実態アンケート」は、調査対象を前回の「看護職員」から「自治体病院職員」に拡大し、最終集約日(12月7日)までの間に、前回2014年度の約8500枚を大きく上回る約1万3000枚の集約を達成。

今回の中間報告は11月9日までの到着分を単純集計した報告ですが、前回結果と比較し「サービス残業なし」が増加するなど若干の改善がみられるものの、勤務形態が大きく変化し、引き続き厳しい労働環境であることが浮き彫りになりました。

意識調査では職員の多くが「やりがいを感じながらも辞めたいと思いつつ働き続けている」ことも明らかになりました。

「医療体制の確保を」医療現場の実態伝える

医療関係省へ要請 医療関係団体と懇談

1月21日、総務省と厚労省への要請と、全国自治体病院協議会および日本看護協会との懇談を行い、医療現場の実態を伝えました。

総務省に対して、「病床機能報告制度があるが、成果主義になっていないか。自治体病院が赤字だといわれるが、赤字ではなく、必要な歳出だと自治体に伝えて欲しい」「再編・統合が経営・賃金形態の異なる病院で行われようとしている。職員に説明のないままメディアを利用し、市民へ伝えている。その結果、雇用不安から職員の離職やモチベーション低下に陥っている」と現場の声を伝え、要請行動を行いました。

厚労省への要請では、自治体病院の事業管理者に対する適正な労働時間の把握に向けた指導の徹底や月当たりの夜勤回数の実態を訴えたところ、厚労省からは、①オンコールの際の待機時間等についての扱いについて「医師の働き方」と合わせ議論を行っている、②1992年に定めた看護職員に対する基準の見直しの必要性について検討をすすめている旨の回答が示されました。

全国自治体病院協議会(全自病協)との懇談では、地域医療構想について、「調整会議などで、公立病院がベッド削減の対象とされてしまうのではと危惧している」との現場からの声に、全自病協も「病床削減ばかりが話題になっているが、本来それだけではなく、地域の状況に則した医療体制を確保していくことが重要。民間病院も含め双方で、その地域に必要とされる医療体制について話しあっていくべき」と一致点を確認しました。

▲日本看護協会との懇談を行い現場実態を共有しました

看護師が働きやすい職場を

日本看護協会 福井トシ子会長

日本看護協会との懇談には、自治労連医療部会の鮫島彰議長をはじめ全国から38人が参加。鮫島議長からは「自治体病院に働く職員の労働実態のアンケート」中間結果の報告と、労働時間の短縮、人員増、業務間インターバルなど現場の実態を協会へ伝えました。

また、看護師の特定行為や、少子化に向けて看護師確保にどうとりくんでいくのか協会と懇談しました。懇談には福井トシ子日本看護協会会長も出席し、「看護師が働きやすい環境をつくることは日本看護協会の使命だと思っている」と話しました。


すすむ非正規公共(49)

公務の委託民営化を許さない

東京自治労連 東京公務公共一般労組

▲昨年12月12日にCAD争議勝利記念シンポジウムと祝賀会が開かれ103人が参加

東京都は、2014年10月末に都立職業能力開発センター(職業訓練校)4校にあったCAD製図科の民間委託・廃科と非常勤講師の年度末解雇を通告しました。東京公務公共一般労組(以下、組合)は、都と団体交渉を粘り強く行いますが、都は姿勢を変えず、組合委員長でもある中嶋祥子さんを含む非常勤講師31人に15年3月末での解雇を強行しました。

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組合は、委員長の解雇や民間委託は、「組合つぶしをねらった不当労働行為である」と、裁判提訴と都労働委員会への救済申し立てもしながら、東京都産業労働局との団交を継続してきました。

組合は、「勝たせる会」などを結成し、5波にわたるストライキ統一行動、毎月の都庁前宣伝、職業訓練校での技能祭時での朝宣伝などを展開してたたかい続け、18年9月27日、都労働委員会で勝利和解し、中嶋委員長を含む3人の職場復帰などを実現しました。

昨年夏、争議解決の流れをつくったのは、学者や専門家と協力し、職業教育・職業訓練の公的責任とCAD科民間委託の違法性と失敗を追及してきたことでした。

委託後に定員が半減したことや、ものづくりのCAD訓練に不適切な事務系専門学校への委託が職業能力開発促進法に違反することも追及し、実際に訓練校では応募者数と卒業後に技能を活かした就職者数も激減する失敗を繰り返していることが明らかとなりました。

「委託民営化を許さない」世論づくりが争議解決へとつながりました。今後もCAD製図科の直営化をめざす決意です。


シリーズ19 いちから学ぶ仕事と権利

自治体の公的責任を放棄 住民サービスを根こそぎ丸投げ

包括委託

地方自治体が行うべき住民サービス業務の大部分を一括して民間企業に委託し、臨時・非常勤職員を解雇・雇い止めして、受託する民間企業に身分を移管させる「包括委託」の動きが、各地の自治体であらわれています。

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「包括委託」は、地方自治体が「住民の福祉の増進を図る」ために実施している業務を、民間大企業の営利の対象に開放する安倍政権の「公的サービスの産業化」(「骨太方針」2015年)の方針にもとづいたものであり、地方自治体の公的責任を放棄するものです。

この間の会計年度任用職員制度への移行に乗じて「包括委託」が行われているのが特徴です。政府・総務省は、会計年度任用職員制度の前提として、「民間にできることは民間に委託せよ」と、徹底したアウトソーシングを自治体に求めており、参入をねらう大手民間企業も「包括委託」を各自治体に売り込んでいます。

国の圧力や民間企業の動きを背景に、会計年度任用職員制度移行にともなう財政負担増や人事管理の煩雑を避けることを口実に、「包括委託」を行おうとする自治体が一部あらわれています(表参照)。

「包括委託」の問題点

「包括委託」は、①自治体職員の業務を契約期間ごとに社員が入れ替わる民間企業が行うことで、業務に必要な専門性・継続性が失われ、住民の個人情報が漏えいするリスクが高まる、②臨時・非常勤職員は雇い止めとなり、受託会社に身分を移管させるとしているが、雇用される保障はない、③公権力の行使に関わる業務は自治体職員が担わなければならず、現場では自治体職員と委託社員との直接のやりとりが避けられず、これを行えば偽装請負となる、④受託企業が契約途中で撤退し、住民サービスに重大な穴が空く危険があるなど、公務公共サービスや自治体職員の雇用に重大な問題をもたらします。

包括委託の動き

静岡・島田市

市の嘱託員・臨時職員502人が担っている業務を対象に、2019年10月、2020年4月と段階的に民間企業に包括委託する方針を打ち出す。嘱託員・臨時職員は雇い止めとなるが、包括委託を受託する民間企業に雇用が引き継がれる保障はない。

岩手・陸前高田市

2019年4月より、市の①窓口業務を含む一般事務等支援業務、②図書館運営支援業務、③被災博物館資料安定化処理及び修理業務、④市内小中学校指導支援事業(学校用務を含む)など広範な業務を一括して(株)共立メンテナンスに包括委託する。雇い止めとなる嘱託員・臨時職員の雇用を引き継ぐかどうかは(株)共立メンテナンスが決めることとしている。


民営化阻止、再公営化が世界の流れ

水は生存権であり 人権です

命の水を守る 全国のつどい in 浜松

▲1月13日会場の浜松市福祉交流センターに全国から600人以上が参加しました

世界各地で水道事業の民営化による料金高騰や感染症の発生などさまざまな問題が起こり、再公営化がすすんでいます。しかし、日本では昨年12月の水道法「改正」で、コンセッション方式の導入が可能となり、静岡・浜松市では水道の民営化がねらわれています。自治労連の仲間と市民団体は「1・13命の水を守る全国のつどい・浜松」を開催し、民営化阻止のため奮闘しています。

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▲開会に先立ち約200人がJR浜松駅前から会場まで行進し、市民にアピールしました
民営化ねらう国 追随する自治体

2013年4月に行われたG20財務相・中央銀行総裁会議で記者会見した麻生太郎財務大臣が「日本の水道をすべて民営化します」と発言したのを契機に、水道民営化の動きが広まりました。

2014年4月には、橋下徹大阪市長(当時)が、2016年3月には現在の吉村洋文市長が水道事業の民営化を提案しましたが、「低廉(安く)安全で安定的な水の提供は公営で」を求めた大阪市民の運動で廃案に追い込んでいます。

浜松市が導入しようとしているコンセッション方式とは、所有権を自治体に残したまま、事業の運営権を民間企業に譲渡するもので、政府・自民党が法「改正」でお膳立てをし、浜松市がこれに追随したものです。

民営化で安全より利益追求優先へ

「つどい」では、実行委員会の池谷豊事務局長が、「浜松市は2011年頃から上下水道のコンセッション方式導入を検討しはじめ、水道法『改正』を機に検討を加速化した。民営化によって安全よりも利益追求が優先される」と報告しました。

パネルディスカッションでは、「内閣府に民間企業関係者が入り込んでコンセッションを推進している」「運営費のほかに、役員報酬や配当にまわす利益が必要となり、世界での実態を見ても料金値上げは必至」「職員が企業に出向や退職させられ、ノウハウが奪われて、公営に戻すことも困難となる」ことが明らかにされました。参加者からは、「施設の維持・更新の工事発注も関係企業が請負うこととなり、地元企業への発注がなくなる」「企業に働く人の労働条件や自然災害時の対応が不安」などの発言があいつぎました。

住民の声を受け「当面延期」へ

この間、浜松市職と浜松市上下水道労組は、水道民営化に反対する市民団体とともに、民営化の危険性の周知と署名活動も行ってきました。

世論が高まるなか、鈴木康友浜松市長は、昨年11月の記者会見で「18年度中の導入結論は出さない」ことを表明し、さらに、今年1月31日の記者会見で、民営化議論について「当面延期」する方針を示させたことは運動の成果です。

浜松市職の良知(らち)信一執行委員長は、「粘り強い住民のとりくみの結果です。廉価で清浄な水の供給は、生存権であり人権です」と話します。

自治労連は住民の安全・安心を守るため、引き続き、住民とともに水道民営化に反対し、水道事業を守るとりくみをすすめていきます。

▲左からパネリストの尾林芳匡弁護士、アジア太平洋資料センター共同代表の内田聖子さん、水ジャーナリストの橋本淳司さん

▲市民団体とともに民営化反対を訴える浜松市職の組合員

いのちの水をうばわせない

住民とともに水を守る

民間企業は営利を目的としますので、水道料金の高騰が懸念されます。災害時の応援にも影響が出てきます。コンセッション導入の説明を何度聞いても市民に有利になるとは考えられません。私たち浜松市上下水道労組は、水道事業の公営を守るため住民とともに運動をすすめていきます。

▲浜松市上下水道労働組合 三岡 昭弘 執行委員長
民営化NOの世論

内閣府に水事業の民間企業社長が出入りしていることが明らかになったころから、浜松市水道部の態度は硬化してきました。予定されていた公開討論会を断り、定期的にやってきた私たちとの懇談も『今後行わない』と回答してきました。署名や宣伝、学習会などをすすめて、水道民営化を提案できないよう世論をつくっていきたい。

▲浜松市の水道民営化を考える市民ネットワーク 池谷たか子さん


今月の連載・シリーズ


図書館の本棚

13冊目
呉座勇一 著
陰謀の日本中世史

角川書店 2018年3月発行 新書版 344ページ 定価:880円+税


いい旅ニッポン見聞録

第35録
戦国時代の要衝として栄える
金華山の麓に残された古い町並みの川原町

岐阜市「川原町」


かがやきDAYS

〔54〕

まちコレ

Collection54

うレシピ

第85品
横浜市従 尾崎 秀敏さん
白菜と豚肉の中華風炒め

白菜、天才、食べなさい

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