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機関紙『自治体の仲間』2018年 2月号 Vol.531 大幅賃上げを 2018国民春闘で生活改善

安倍「働かせ方改悪」と9条改憲許すな

大幅賃上げを 2018国民春闘で生活改善

▲経団連ビルにむかって東京・丸の内をデモ行進し、18春闘スタートをアピールする公務・民間労組の仲間たち

全国で新春宣伝行動や要求書づくりなど、18国民春闘勝利をめざすとりくみが始まりました。1月17日には全労連・国民春闘共闘委員会主催の18春闘闘争宣言行動が行われ、経団連包囲行動では、内部留保をため込む大企業に社会的責任を果たさせ、すべての労働者の賃上げと雇用の安定で、生活改善と地域経済の活性化につなげるよう追及しました。

大企業は社会的責任を果たせ

経団連包囲行動

経団連ビル前行動では、小田川義和・国民春闘共闘委員会代表幹事(全労連議長)が「8時間働けば普通にくらせる賃金と雇用の実現、中小・零細企業との適正な取引ルールの確立に、経団連は真正面から応えるべきだ」と指摘。経団連が発行する『経営労働政策委員会(経労委)報告書』に触れ、「賃上げへの前むきな姿勢は見せたものの、すべての労働者の賃上げこそが経済活性化のカギとなる立場にはない」と批判しました。

そして、大幅賃上げの実現とともに、国会で審議される「働き方改革」と9条改憲の阻止にむけて全力でたたかおうとよびかけました。

春闘を起点に、夏・秋の賃上げのたたかいへ

経労委報告書では連合春闘要求に対し「『2%程度』というベースアップ要求は極めてハードルが高い」とし、連合がかかげている「総額1万500円以上」という要求について、「実態からかけ離れた水準である」と大幅賃上げに否定的な見解を示しています。

自治労連は、「生計費にもとづく賃金要求」の実現にむけ、全労連・国民春闘共闘の最低賃金要求「誰でも時間額1000円以上、日額8000円以上、月額17万円以上の賃金」、賃上げ要求「月額2万円以上、時間額150円以上の賃金引き上げ」をかかげるとともに、公務公共関係労働者を含む自治体内最賃は「今すぐ1300円以上」をかかげてたたかいます。

4年連続となった賃上げの流れを、すべての労働者の生活改善につなげ、夏から秋にかけての公務員賃金や最低賃金の引き上げに結実させる「春闘を起点とした賃金闘争」としていきます。

すべての単組・組合員が結集を

自治労連は2~3月に、各地方組織・単組による「働き方」「働かせ方」を問い直す「いっせい職場訪問」をよびかけ、同時に「安倍9条改憲NO」3000万人署名を展開していきます。

公務・民間労組総がかりでとりくむ3月15日の全国統一行動に結集しましょう。

▲17日同日、厚労省前でも労働法制改悪に反対の声をあげました


各地で出足早く

みんなの声と団結力で今年も要求実現しよう

自治労連愛媛県本部

▲新居浜市職労の仕事はじめの早朝宣伝

自治労連愛媛県本部に結集する各組合は、仕事始めの1月4日に早朝宣伝を実施しました。

昨年「育休代替の正規配置」を勝ち取った新居浜市職労は、今年も組合員・管理職を含めた「職場全体で声を上げて、一緒にとりくみを強めていこう」と職員によびかけています。

西条市職労は、機関紙『組合情報』を全職員に配布し、「みんなが団結し、自治体職員として『やりがい、生きがい、誇り』を持って仕事ができる、ワクワク明るい職場環境づくりをめざしましょう」とよびかけました。昨年11月の交渉で「働きやすい職場づくりに汗を流したい」「市役所がブラックだったらいかん」との市長の発言を受け、人員配置や職場要求を整理し、2月に県本部統一要求書と同時に提出することを確認しました。

愛媛県本部は、18春闘でも市民サービス向上と、安心して働ける職場と待遇改善をめざし、奮闘する決意です。


「働き方改革」の本質、自治体と労働者への影響

安倍「働き方改革」NO!の声 職場・地域から大きく

全労連 伊藤圭一氏(雇用・労働法制局長)に聞く

▲通常国会が1月22日に開会。雪が降るなか国会前で名ばかりの安倍「働き方改革」に反対の声を上げました

低賃金・長時間・過密労働が社会問題になる一方で、労働者不足などによる日本経済の停滞も不安視されています。これに対し安倍政権は「働き方改革」を打ち出し、通常国会での労働法制「改正」をめざしていますが、過労死ラインの時間外労働を容認するなど法案の内容には大きな問題があります。安倍「働き方改革」の本質と影響について、全労連の伊藤圭一雇用・労働法制局長に聞きました。

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伊藤圭一氏

全労連常任幹事、雇用・労働法制局長。1988年より労働調査協議会で調査研究員として民間大企業や公務職場の労使関係、労働条件、生活・家計実態、労働者意識などの調査に従事。97年より全労連事務局へ。

18世紀以前に後退「労働法がない世界」へ

伊藤 「働き方改革」と標榜していますが、実際には労働者保護に関する規制の緩和が目的です。とくに労働者の命と健康にかかわる労働時間規制「8時間労働原則」を根底から否定するなど、時間管理などの雇用者責任をなくそうとしています。また、「雇用されない働き手」を拡大させ「厚生年金」や「雇用保険・労災保険」など労働者の保護・権利を否定ないし骨抜きにしようとしており、たいへん危機的な状況です。これでは、工場立法が制定された19世紀初頭よりも昔の劣悪な労働環境へと後退してしまいます。

-どうして、このような状況になったのですか?

伊藤 実は、労働法制を審議する厚生労働省の労政審(労働政策審議会)が変質しています。この間、労働法の専門家ではない経済学・経営学などの規制改革派の委員が多数送り込まれ、労働基準法の主旨をふまえない議論がされています。しかも労政審での議論すら軽視して法案が取りまとめられており、まるで森友・加計学園問題のように、政府・財界の思惑に沿った「結論ありき」の「改正」議論となっています。

-行政へはどのような影響があるでしょうか?

伊藤 企業が雇用労働者を減らして法規制の及ばないフリーランス化をすすめて、社会的責任を放棄する方向にむかえば、社会保障制度から税構造のあり方まで大きく変容します。このことが自治体財政にも影響を与えるもので、自治体のそもそもの目的である「住民福祉の増進」を達成することが困難になります。
また、労働行政に目をむければ、労働者の心身の健康と安定した生活を図りながら、「生産性向上」の悪弊が出ないように、企業側を指導・監督するという本来の役割も果たすことが困難になってしまいます。

公務労働者は遠慮なく声をあげて

-春闘でのとりくみについて自治労連に何を期待しますか?

伊藤 おそらく各職場では、自営業者も含め民間労働者とふみ込んだ議論や意見交換には困難があるかと思います。
だからこそ労働組合として、相互に働き方の問題点や一致する要求を率直に確認し合いながら、公務と民間労組が連携して「抜本的な働き方改革を」と大きく職場と地域にアピールすることが、力になります。
2月末には法案が取りまとめられ、3月から国会審議が始まると言われています。労政審のスタンスは変質していますが、政府も「働き方改革」をかかげた以上、労働者や労働組合の動向に注視しています。
「大幅賃金引き上げ」「人間らしく働ける職場づくり」などの職場要求をかかげて、公務労働者のみなさんには遠慮なく声をあげていただきたいです。

安倍「働き方改革」のポイントと問題点

①残業代ゼロで働かせ放題の合法化、月100時間・年960時間もの過労死ラインの時間外労働の容認
②正規と非正規の賃金格差容認の名ばかり「同一労働同一賃金」法整備
③解雇の金銭解決制度の創設
④「雇用されない働き手」の拡大
⑤外国人技能実習制度や国家戦略特区による低賃金労働者の海外からの受け入れ拡大

安倍「働き方改革」の問題点について、伊藤氏が動画で解説しています。全労連ホームページまたは、動画サイト「YouTube」で「Zenrorenweb」を検索


憲法を守り戦争させない

広げよう 安倍9条改憲NO 3000万人署名

▲清須市職労が1月12日に行った「旗開き学習会」で紙芝居を実演しました

自治労連は、すべての職場と地域で「安倍9条改憲NO」3000万人署名を広げ、加えて日本国憲法を語る人を増やしていこうと提起しています。署名活動と「憲法を語る」ことを通じて自治体・公務公共労働者の役割や、平和9条の役割を確信にしようと各地方組織・単組でとりくみが始まっています。自治労連愛知県本部保育所部会では紙芝居にとりくんでいます。

軍備より保育に予算を 平和な日本を子どもたちに

「憲法について考えたことありますか?」愛知県の青年保育士が、童話『三匹の子ぶた』をモチーフに、紙芝居を作成しました。手書きのかわいらしいイラストに色もつけています。成長した3匹の子ぶたが就職活動など、厳しい現実にぶつかります。理想と現実のギャップに悩む子ぶたたちに、お母さんぶたは憲法の意味を教え、励まします。

保育所部会事務局長の吉田早苗さん(名古屋市職労)は、「紙芝居を通じて『保育と憲法はつながっている』と伝えたい。保育は子どもたちの成長を喜び、未来を託す仕事です。一人ひとりを大切にする保育は、憲法の理念にも通じます」と話します。

また、保育職場むけに「安倍9条改憲NO」3000万人署名推進ビラも作成し、「保育署名」とともにとりくみましょうとよびかけています。

憲法を守る 3000万人署名に確信を

かつて自治体職員や国家公務員は、戦争を推進する体制の一員として労働者や住民を戦場に送り出す役割を果たしました。いま、「自衛隊」を、海外の戦争協力に送り出すか否かが9条改憲によって、問われています。

前文科省事務次官の前川喜平氏は国公労連機関誌『KOKKO』のインタビューで、現役文科省職員のときに、安保法制反対の国会前集会に参加していたことを明かし、「憲法9条が国外に行って戦争をしないということの歯止めになっている」「憲法9条をいかに大事にしていくか問われている」と述べています。

自治労連は、18春闘を通じて、改憲発議をさせない圧倒的な国民世論を職場・地域からつくりあげます。


もっと賃上げ、雇用の安定を-

自治労連2017~18年 要求・職場アンケートより

自治労連の要求・職場アンケートが、18春闘から始まる賃金・職場要求書づくりをすすめるため、全国でとりくまれ、これまでに自治体・公務公共職場に働く仲間4万7500人から回答が集まりました(1月現在)。この声を力にすべての労働者の大幅賃上げを勝ち取りましょう。

生活実態

今年も過半数の53.2%が「生活が苦しい」

年間収入は、今年も「増えた」が、30.4(昨年30.6)%、「変わらない」50.5(昨年51.0)%、「減った」19.2(昨年18.4)%となり、4年連続賃上げのなかでも生活改善につながっていない状況を反映しています。

生活実態として「かなり苦しい」「やや苦しい」を合わせた数字は53.2(昨年52.4)%で、今年も半数を超えています。

【生活実態】

賃上げ要求

月額「1~3万円」が6割超 時給「50~400円」が9割

賃上げ要求額は、月額回答で「1万円」が27.3(昨年31.1)%、「3万円」20.1(昨年18.5)%、「2万円」13.6(昨年16.6)%となり、時間額回答では、「100円」が28.9(昨年30.5)%、次いで「400円以上」17.7(昨年15.1)%、「200円」が13.9(昨年14.2)%となりました。

要求額の加重平均は、月額が2万7033(昨年2万3598)円と昨年と比べて3435円上がり、時間額が176(昨年163)円と13円上がりました。

月額要求は「2万円」を中心に「1~3万円」が約6割超、時間額要求は「100円」を中心に「50~400円」が約9割超を占めており、全労連・自治労連統一要求の、「だれでも月額2万円以上、時間額150円以上」が、多くの仲間の要求であることを裏付ける結果となりました。

【賃上げ要求(月額)】

政府への要求

くらしにかかわる要求が上位を占める

対政府要求(3つ選択)は、「医療・介護・保育の充実」51.7(昨年47.9)%、「景気・物価対策、中小企業振興」35.6(昨年44.5)%、「年金・生活保護拡充」34.7(昨年33.4)%が上位で、「最賃・公契約改善」27.3(昨年25.7)%、「消費税増税中止、大企業・富裕層課税強化」が27.2(昨年28.2)%など労働問題が続いています。

また生活の困難さを反映した、「安定雇用、失業者保障」20.7(昨年26.1)%となり、「戦争法廃止・憲法改悪反対」14.6(昨年10.5)%が若干増え、「地域経済活性化、持続可能な地域づくり」は14.3%となっています。

【政府への要求で実現したいもの】


主張 2018国民春闘

安倍9条改憲NO! 安倍働き方改革NO!

1月22日に第196回通常国会が開会し、安倍首相は施政方針演説で「生産性革命」と、耳あたりのいい言葉で改革を訴えていますが、その中身は財界のための「稼ぐ力」を求める「働かせ方改革」です。

また、「米国言いなりの外交・軍事政策」の推進で、辺野古新基地建設の強行とあわせ、今国会での「憲法改正」に意欲を燃やしています。

安倍「働き方改革」は残業代ゼロ・長時間働かせ放題に加え、「雇用によらない働き方」を打ち出すなど、労働法制をなし崩しにするものであり、18国民春闘ではこれまで以上に、「労働法制の改悪を許さないとりくみ」の強化が求められています。

春闘を起点に「すべての労働者が生活改善できる賃上げ」と「低賃金と格差の解消」の共同の運動により経済の好循環を作り出し、だれもが安心して働き続けられる社会をつくらなければなりません。

「会計年度任用職員制度」では、正規の非正規化、公務のさらなる民営化が懸念されるなど問題点を明らかにして「正規・非正規つなぐアクション」の運動をすすめ、公務公共サービスの担い手として、企業のねらう「公的サービス」と「社会保障」への営利追求を許さないたたかいを、住民とともにすすめましょう。

自治労連第56回中央委員会(1月25・26日)での討論では、「学校給食完全民営化の当局方針に対して、一定の直営校を残すことができたのは、正規・非正規が団結してあきらめなかったから」と、たたかいの教訓が語られました。「国民春闘の意味からも、公契約適正化運動が重要なポイント」「公契約適正化運動は自治体労働組合だからできる運動」との発言があり、改めて「制度的賃金闘争」の重要性を共有しました。

安倍9条改憲阻止のたたかいについて「私たちのくらしは憲法で成り立っている。政治家のための憲法ではない」「憲法を改悪させないことは、自治労連結成意義の根幹にかかわるもの」「子どもたちの将来を考えると、どうしてもやらなければいけない署名」など、課題を乗り越えて運動をすすめている発言がされました。

確立した方針に確信をもって、たたかう仲間を増やし、地域に足を踏み出し、改憲勢力の策動を圧倒的世論で阻止する運動をひろげ、18国民春闘勝利にむけ総力をあげましょう。


子どもたちに豊かな育ちと読書のよろこびを

第17回 学校図書館&公共図書館の充実を求めるつどい

自治労連も参加する「子どもに豊かな育ちと読書の喜びを 学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどい実行委員会」の主催で「第17回学校図書館&公共図書館の充実を求めるつどい」が長野県上田市で1月8日に開催されました。

現在、「図書館の現場では多くが非正規雇用」「文科省組織改編問題」「地公法等一部改正による会計年度任用職員問題」という全国的な課題や困難に直面しているもとで、記念講演を行った梅本恵さん(図書館司書や職員の情報交流誌『ぱっちわーく』元事務局長)は、地域・個人・組織・団体の「横のつながり」が重要だと強調し、今後の図書館運動については、「求める図書館像を論理的・具体的に語れることが大切だ」と訴えました。

参加者はその後3つの分散会に分かれ、意見交換を行いました。

参加者からは、梅本さんの記念講演で強調された「情報の共有と『横のつながり』の重要性を感じた」「歴史に学び、今やるべきことを考えていく、ということが印象に残った」などの発言がありました。

最後の全体会では、会計年度任用職員問題についての学習会などによって、長野県上田市内35校の図書館司書が上田市小中学校図書館職員労働組合に全員加入したことなどが紹介され会場は活気づきました。

▲各地から集まった参加者が交流

▲上田市小中学校図書館職員労組の宮島恭子さん(正面右端)は「いろんな立場の方々の実態や意見を聞けて、有意義で刺激的な1日でした」と話します


被災地の復興へ

かごしま自治労連

かごしま自治労連とかごしま公務公共一般労組は昨年12月19~20日、7月九州北部で発生した豪雨の災害復興ボランティア(福岡県朝倉市杷木)に参加しました。

19日は被災地視察を行いました。災害発生から5カ月が経った被災地には、濁流にまきこまれた家屋、道路が川となった痕跡が残っていました。2日目は農家のビニールハウスに流れ込んだ土砂を掻きだす作業を行いました。粘土状の泥を取り除いた、農家の方からは「助かりました」と喜ばれました。

ボランティアの参加者は、「当初よりボランティアが少なくなっている気がする」や「ボランティアの高速道路使用の無料化を12月で打ち切らず続けて欲しい(その後、今年6月まで延長)」「ボランティア頼みでは限界。重機を使うなどもっと国からの支援が必要だ」「農業への被害も深刻だと実感した」と感想を語りました。


現場の「困難さ、思い」伝える

1・29医療関係府省・団体へ要請・懇談

▲看護協会との懇談に参加する全国の仲間

自治労連は地域医療と公立病院の充実を求めるとりくみとして、毎年とりくんでいる「いのちと地域を守る意思統一集会」(関連記事)を1月28日に開催しました。翌29日には医療関係府省の総務省と厚生労働省に要請を行い、全国自治体病院協議会と日本看護協会との懇談・意見交換を行いました。

夜勤・交代制勤務などで日本看護協会と意見交換

日本看護協会は、「看護の資格を持つ個人が自主的に加入」して作られている日本最大の看護の職能団体で、政府に対しても積極的に政策提言を行っています。

協会は「いのち、暮らし、尊厳をまもり支える看護であるために」を理念に活動しています。この間、自治労連は、協会との懇談で、医療現場や組合員の実態を伝え、自治労連と協会との一致点を確認しながら意見交換をすすめてきました。

1月29日の懇談では、健康や生活に大きな影響をあたえる夜勤・交代制勤務やハラスメント、賃金制度、診療報酬改定などの点について意見交換。特に夜勤・交代制勤務について協会から、「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」(協会発行)を活用しながら問題解決にあたってほしいなど意見が出されました。

▲日本看護協会福井トシ子会長は「意見交換を行い、前にすすめていけるようにしたいと思う」とあいさつ


すすむ非正規公共評(38)

働き続けられる職場を勝ち取る

山梨県事務所 山梨自治体一般労働組合

▲これからも学生たちのために働いていけることを喜ぶ箕浦さん

山梨みどり奨学会は、高校生を対象とした奨学金などを取り扱っている公益財団法人です。事務は県の高校教育課が担当し、正規職員1人と年度更新の非正規雇用職員2人で実務を担っています。

箕浦要(みのうらかなめ)さんは10年勤務、同僚も3年勤務のベテランです。箕浦さんたちは「いつまでも働き続けられる」と言われ、一昨年までは通知書交付のみの更新でした。

しかし、2017年3月中旬、次年度契約について突然よびだされ、「定年60歳、更新回数3回まで」の契約書に同意しないと「3月いっぱいで雇い止め」と通告されました。明らかに「無期転換申込権」を行使させない対応に「納得できない」と2人は山梨自治体一般労組に加入し交渉。

当初、財団側は「採用権は県にあり、契約は成立している」との一点張り。労組は「無期転換逃れの対応である」「契約の一方的不利益変更は違反である」と追及しました。

また、箕浦さんはもうすぐ60歳となり、無期転換を行っても定年退職となることも壁となりました。しかし、箕浦さんの勤務実績や高年齢者雇用安定法の趣旨も示して交渉を続け、昨年12月に、「無期転換権を認める」「2人とも65歳までの勤務を可能とする」との回答を勝ち取りました。2人は「働き続けられるようになってよかった」「声を上げてよかった。労働組合ってすごい」と喜びます。

今後の目標は、賃金の低さや一時金と退職金がないという賃金労働条件の改善、労使合意にもとづく就業規則の整備です。箕浦さんたちは「これからも労組を通じて声を上げていきたい」と決意しています。


シリーズ8 いちから学ぶ仕事と権利

無期雇用・正職員化めざそう 不当な雇い止めは許さない

無期雇用転換ルール

有期雇用労働者の無期転換を定めた労働契約法第18条の施行から5年が経過し、2018年4月から無期雇用転換への申込権の発生が本格化します。

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無期転換のタイミングと要件のチェックを

無期転換の申込権は、①有期労働契約の通算期間が5年を超える(通算期間のカウントは2013年4月1日以降に開始した労働契約が対象)、②契約更新の実績があること、③同一の使用者との契約更新であることの3要件を満たしていれば発生します。

契約の内容や契約更新の経過に不安がある場合は、労働組合に相談して確認することが重要です。

労働組合に入って確実な無期転換を

無期転換申込権が発生した場合、その契約期間の初日から末日までの間に、労働者から使用者に申し込むことが必要です。使用者はこれを拒否することはできません。

一方で、無期転換申込権の発生を阻止しようと、更新上限5年ルールを口実に契約更新直前の雇い止めや契約に「空白期間」をもうけて、通算契約期間をリセットするなど、使用者による脱法・潜脱行為が起きています。

また、あくまで「無期雇用」への転換であるため、確実な転換と、転換後の賃金・労働条件については、労働組合に加入・申し入れ・交渉することが大切です。

公共・関連職場でルールを知らせて

地方独立行政法人や自治体の外郭団体、社会福祉法人、指定管理事業者などの公共・関連法人では労働契約法が適用されます。

安定雇用の第一歩として、無期転換ルールを職場の有期雇用労働者へ周知していき、「正規職員化」を含めた抜本的な要求実現をめざしましょう。


社会保障の矮小化を許さないたたかいを

いのちと地域を守る学習・意思統一集会in東京

▲「憲法と社会保障~社会保障の変容に自治体・住民はどう関わるか~」と題し講演する芝田教授

住民のいのちと地域を守り、地域医療を支え、懸命に働く仲間の切実な要求を実現させるため、自治労連と自治労連医療部会が主催した学習・意思統一集会が1月28日に東京で開催され、今後の運動について確認し合いました。

記念講演では、立教大学の芝田英昭教授が、憲法制定の過程の歴史的背景などを述べ、政府は生存権を保障する国の役割や社会保障を、個人・家族・地域住民の役割にすり替え、社会保障を矮小化しようとしていると指摘します。

基調報告では、住民目線に立った公立病院や公的病院の役割の発揮に必要な人員体制の拡充、今回6年に1度の診療報酬と介護報酬のダブル改定を迎える下で報酬切り下げなどを許さないとりくみを強めることが重要だと強調しました。

特別報告は、労働条件改善などに向けた仲間のとりくみが話され、多くの参加者が勇気づけられる集会となりました。


新規加入組合紹介

▲左から、しまね介護福祉ユニオンBONDSの湯浅委員長、宇治市消費生活相談員労組の今久保委員長、長崎県央職組の田中さん

1月25~26日、千葉県で行われた第56回自治労連中央委員会で、3単組の加入が承認されました。

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しまね介護福祉ユニオンBONDS

介護の理念や知識、技術も重要ですが、仕事にやりがいや誇りをもって就労しても、心と身体を壊すなど離職していく。職場改善を県に要請するため勉強している。「ボンズ」は、「きずな」という意味です。
(湯浅恒子執行委員長)

宇治市消費生活相談員労働組合

私たちは時間給の嘱託職員として働いてきました。昨年、嘱託職員の夏休みが増えました。これは以前からの労働運動のみなさんのおかげ。引き続き市民のための先人たちが勝ち取ってきた権利を守っていきたい。
(今久保(いまくぼ)智子執行委員長)

長崎県央医療福祉職員組合

職場で起こったパワハラ問題をきっかけに、組合加入しましたが、今後も働きやすい職場をめざしていきます。今後ともよろしくお願いします。
(組合員の田中聰さん)


今月の連載・シリーズ

図書館の本棚
2冊目
漆原宏 著
ぼくは、図書館がすき 漆原宏写真集

日本図書館協会(2013年4月) A5判・87頁 定価:2,800円+税

いい旅ニッポン見聞録
第24録
兵庫県神戸市・戦没した船と海員の資料館
海員組合がつくり運営 戦没船と船員の博物館

神戸・三宮から博物館へ

かがやきDAYS
〔43〕
大阪・守口市職労 渡司(わたし) 考博(たかひろ)さん
仕事も音楽も自分らしく
まちコレ
Collection43
UmeetS(ウミーツ)
海の恵み(ひじき)から作られたスイーツソース

千葉県勝浦市

うレシピ
第74品
愛媛・松山市職 戸田 克江さん
簡単メンマ

ありったけのこころを込メンマした

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