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機関紙『自治体の仲間』2017年 8月号 Vol.525 平和の思い次世代へ 核兵器廃絶の未来をつくりだす夏

核兵器廃絶の未来をつくりだす夏

平和の思い次世代へ

長崎自治労連・長崎市従組
▲被爆継承推進事業の一環で行った碑めぐりで、原爆落下中心地、平和公園、小学校などを案内する三根さん(左から2人目)

核兵器廃絶と恒久平和の実現を世界に訴え続けている長崎市には、原爆被爆対策部被爆継承課があります。核兵器禁止条約が国連で採択された歴史的な転換期に、被爆継承課で働く長崎市従組の仲間に想いを聞き、条約採択につながった「ヒバクシャ国際署名」など長崎自治労連のとりくみを紹介します。

核兵器禁止条約は廃絶への大きな動き

被爆継承課は原爆資料館内に設置されており、青少年平和交流事業や平和祈念アピールの実施、平和学習教材の作成を担当する平和学習係と、被爆資料の収集・保存・管理・展示を行う被爆資料係があります。

平和学習係の三根礼華(みねあやか)さんは国連での核兵器禁止条約採択について「私は仕事だけでなく、個人としての平和活動を通して被爆者と接するなかで、『二度と悲劇を繰り返さない』『もっと被爆体験を広めなくては』との思いをよく聞きます。核兵器禁止条約は被爆者たちが、自らの体験を通して訴え続けてきた核兵器廃絶への大きな動きです。これからも『次世代が語り継いでいく』という形で支えていきたい」と語ります。

平和について考える機会を広めたい

三根さんが携わる『語り継ぐ被爆体験』推進事業では、「交流証言講話」の完成をめざしています。「託したい方(被爆者)」と「受け継ぐ方(交流証言者)」との交流会を7月に開催し、8月中旬からは、被爆者への聞き取りや話し方研修などを行ないます。

この事業について三根さんは「平和を伝える手段や機会をサポートしたりつくったりすることは、私が一番やりたいことでした。被爆者のみなさんの想いや表現したいことを実現するにはどうすればいいのかを第一に考えています」とやりがいを話します。

「とりくみを積み重ねて、事業も2年目を迎えました。被爆者と交流証言者、両者の想いが込められた『交流証言講話』を長崎県内外に伝えることで、平和について考える機会が広まってほしい」と期待します。

ヒバクシャ国際署名 引き続き集めたい

長崎自治労連は、この間、「ヒバクシャ国際署名長崎県民の会」などの街頭宣伝・署名活動にも参加しながら、各職場での署名をよびかけてきました。核兵器禁止条約の採択を喜ぶとともに、日本政府に対して条約批准を求め、引き続き署名活動をすすめる決意です。

▲長崎市では、署名宣伝行動に田上富久市長も参加するなど、核兵器廃絶の訴えが広がっています


ヒバクシャ国際署名が力に

開発・所有・使用など全面禁止 核兵器禁止条約が採択

ニューヨーク国連交渉会議
▲全国から集めた296万3889筆の署名を届けた代表団。自治労連から桜井眞吾書記次長が参加

国連の核兵器禁止条約の交渉会議で7月7日、国連加盟193カ国中124カ国の投票、122カ国の賛成で条約が採択されました。

日本政府はアメリカとの同盟関係を重視し、「禁止条約は核保有国と非核保有国の対立を深める。日本政府がとる核軍縮アプローチとは異なるもの」と交渉に参加せず、条約にも「調印しない」考えを示しています。

条約は核兵器廃絶の必要性を明確にし、核兵器の開発、使用、威嚇、所有などすべての行為を禁止した画期的な内容となっており、9月20日から各国の署名が始まり、50カ国以上の批准を得て発効します。

自治労連もとりくみ条約採択を後押しした「ヒバクシャ国際署名」は、岩手県や滋賀県知事ら自治体首長にも広がっています。日本政府の条約の批准は、核のない世界の実現にとって重要です。自治労連は、今後も条約批准にむけ職場と地域から、署名などのとりくみを継続していきます。

▲交渉会議ホワイト議長(左)に署名目録を渡す代表団


全国から要求持ち寄り17夏季闘争勝利へ

くらし改善の賃上げを

7・21 中央行動 第3次最賃デー
▲銀座デモで「働くことは個人の尊厳」「みんなの力で流れを変えよう!」と歌いあげる声に合わせてリズムにのるの仲間

全労連・国民春闘共闘・公務労組連絡会は、2017年夏季闘争の勝利に向けて7・21中央行動を行いました。2017年人事院勧告での公務員賃金引き上げ・労働条件改善、臨時・非常勤職員の賃上げと均等待遇の実現、退職手当の引き下げ阻止、定年延長実現などを求めて自治労連の230人を含め、1000人以上が集まりました。

中央行動で、全国の仲間が要求を各省庁へ訴えました。内閣人事局前では、大阪府職労の小松康則書記長が、大阪府での7年間にわたる賃金カット、人勧の不実施、意図的な引き下げ勧告による賃金抑制と、職員削減・長時間労働によって「大阪から人が逃げていく」と悲痛な現場の声を伝えます。また現場では、再任用職員の役割が求められるなかで、賃金と労働条件の引き上げも求めていき、安心して職務に専念できる職場づくりができるよう訴えました。

また総務省前行動では、広島、茨城、京都の仲間から訴えがありました。広島市児童館指導員労組の小林佳子副委員長からは、「職場には非常勤職員しかいない。指導員の専門性を考えているのか」と現状を批判し、臨時・非常勤職員の会計年度職員制度導入について「年度ごとにブツ切りで維持できるような専門性ではない」と抜本的な均等待遇と安定した雇用継続を訴えました。

茨城自治労連酒井進書記長は、公務職場での深刻な長時間労働について「いっせい職場訪問を行うなかで職場の長時間労働の実態がよく見えた」と語り、「職場訪問をスタートラインとして、実態をもとに団体交渉を強化し要求実現を勝ち取っていきたい」と決意を表明しました。

また、地方創生の問題点について、京都自治労連川俣勝義副委員長から、大きな自治体に依存する「広域連携都市」のやり方や、企業誘致に依存する時代遅れの経済政策への批判があり、「だれもが安心してくらし続けられる地域づくり、住民のために働きがいある職場づくりをすすめていきたい」と述べました。

人事院前行動では、8月の人事院勧告が迫るなか、大幅賃金の引き上げ、現給保障の継続、退職手当引き下げ反対、非正規労働者の処遇改善などの要求を人事院に訴え、「公務労働者の賃金・労働条件改善を求める」署名を提出しました。

7月末の中央最低賃金審議会で全国の最低賃金引上げ目安が決まる時期にあたる今回の中央行動では、厚生労働省など各省庁前行動、日比谷野外音楽堂での決起集会、銀座・東京駅に向けたデモで「最低賃金を引き上げよう」と訴えました。

▲総務省前でのシュプレヒコール
▲炎天下のなか総務省に向かって現場の声を訴える広島・小林さん(中央)と茨城・酒井さん(右)、京都・川俣さん(左)
▲愛媛からは6人の青年が参加
▲高知自治労連のみなさん。デモでのラップコールに「なかなかノリきれなかった」とはにかみます


九州北部豪雨 現地福岡からのレポート

被災住民の生活を守る復旧応援に期待

▲現地ではボランティアの受け入れも始まっています。写真は7月23日、泥のかき出しをするボランティア

7月5日から7日にかけ、九州北部を中心に記録的豪雨が襲いました。7月26日現在で死者35人、行方不明者は6人、現在も福岡・大分県で、600人以上が避難を続けています。被災直後の現地報告とともに災害救援カンパを要請します。

豪雨災害の被害状況を調査するために、7月9日、「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会」は、福岡県朝倉市を訪問しました。

参加した福岡自治労連の懸谷一書記長は、みのう農民組合の井上組合長らから話を聞き、被害が大きい場所を案内してもらいました。

被害にあった農民組合組合員の相良さんは、「老人会の行事で出ていて助かったが、田植えの終わったばかりの水田も家もすべて流された」と語りました。

同じく組合員の上村さんは、「あっという間に水が来て、米や肥料、畳などを急いで上にあげた。万能ねぎやズッキーニなどを作っていたが、土砂が流れ込んでダメになってしまった。復旧には時間がかかる。国や自治体の支援が必要だ」と訴えました。

救援カンパのとりくみ

自治労連として、被災者救援と復興を目的に7月新たに発生した「九州北部豪雨災害」と「秋田記録的豪雨災害」の救援カンパをとりくんでいます。お問い合わせは、お近くの組合まで。

▲7月9日の朝倉市の状況


介護の現状・職場の労働実態を学び合う

利用者・家族 介護労働者に安心を

介護関係労働者全国交流集会 愛知県・名古屋市
▲明治学院大学社会学部教授の河合克義さんをコーディネーターに三重、愛知・豊橋市、鳥取の現場から報告を受けるシンポジウムも開催しました

高齢者の生活と貧困問題をどうするか

「2017年介護関係労働者全国交流集会」が、7月1~2日、愛知県名古屋市で開催され、全国から66人が参加しました。

基調報告では、「介護において、さらなる給付抑制・利用者負担増や、要介護1、2の保険はずしなどが行われ、必要とする介護が受けられなくなっている」と問題提起がされました。

また、記念講演で、河合克義さんは「介護保険につながらない高齢者が増加している。地域の高齢者の生活問題や貧困問題を全体として捉えるという視点で政策をつくりだしていくことが重要」と指摘しました。

職場から声をあげていくことが大事

群馬自治体一般労組からは、小田宗行さんら3人が参加。2日目の分科会で、各地の介護職場の実態について交流しました。人手不足が話題になり、小田さんは「しっかりとしたケアをしたくても、現実には忙しさもあり利用者の声に耳を傾ける余裕がない。少ない職員数で利用者を介護している実態が理解されていない」と現場の問題を投げかけます。

小田さんたちが勤務している職場ではサービス残業、パワハラなどの問題があり、そのたびに団体交渉で改善を勝ち取ってきました。「道のりは、辛く長いものでしたが、組合が一緒に支えてくれました。より良い仕事を行う、自分たちの処遇を改善する、そのために団体交渉を行う事が一番大事」と決意を語りました。


主張 平和を考える8月

歴史的岐路に立つ今、憲法がいきる日本を未来に残そう

8月15日は終戦記念日です。アジア・太平洋戦争では、300万人を超す国民の命が失われました。さらに、旧日本軍は2000万人ものアジア各国の人々の命を奪いました。その反省から私たちは再び戦争をしないと決めた日本国憲法を獲得しました。自治体労働者は「二度と赤紙(召集令状)は配らない」を合言葉に、戦争に加担するのではなく、住民生活の安全・安心のために働くことを大きく掲げてきました。

自治労連もその意志を引き継ぎ、「憲法を住民生活にいかすことを自治労連の特別な任務」と位置づけ、各地で憲法キャラバンや憲法学習のとりくみをすすめてきました。憲法キャラバンでは、安倍改憲に対して「拙速」「改憲の必要はない」など自治体首長から危惧の声が寄せられました。

非核時代の幕開けとなる核兵器禁止条約

7月7日の国連会議で、「核兵器禁止条約」が国連加盟国の3分の2にあたる122カ国の圧倒的多数の賛成で採択されました。核兵器が初めて違法とされ、人類史上類をみない残虐な大量殺戮兵器である核兵器は廃絶すべきとする、人類的・国際的規範が確立する時代の幕が開けました。

日本政府は、アメリカの核抑止論にしがみつき会議に不参加。一方、全自治体の96%の市町村が加盟する国内の平和首長会議が「ヒバクシャ国際署名」に協力する決議をあげ、15県知事を含む746の自治体首長が署名(7月24日現在)するなど、地方段階での核兵器廃絶の運動は大きく前進しています。

日本国憲法に学ぼう

8月の自治労連第39回定期大会の運動方針(案)では、「今私たちは、日本を憲法がいきる国として存続させるのか、安倍政権のめざす『戦争できる、権力者の意のままにできる国』とさせてしまうのかの歴史的な岐路に立っています。憲法がいきる日本を未来に残すため、今、『全体の奉仕者』として住民福祉の増進のために働く私たちこそが全力を尽くす時です」と呼びかけています。

安倍首相が憲法9条を中心とした憲法改悪を明言するもとで、この夏、平和を考えるとりくみが各地で開催されます。平和主義、基本的人権の尊重、国民主権を掲げた日本国憲法、それを不断の努力によって守り続けてきた草の根の運動に学びあいましょう。


北から南から憲法キャラバン

憲法をいかし、住民生活を守る自治体

▲岩手・遠野市でも「平和憲法の維持は当然」

自治労連は憲法を守りいかし、地方自治を発展させる流れを築こうと、憲法キャラバンを提起。そのなかで、自治体の苦悩と奮闘が明らかになっています。今号では、岩手、沖縄の仲間のとりくみを紹介します。

岩手 「改正」発言は問題ある

岩手自治労連は憲法や震災復興、原発事故、「ヒバクシャ国際署名」、沖縄基地問題について、各自治体と懇談しました。

多くの自治体で安倍政権の「憲法改正」発言は問題があると表明しています。

核兵器廃絶をめざす「ヒバクシャ国際署名」では、齋藤清壽・平泉町副町長が「国際署名は町長も喜んで署名する」と話し、他自治体でも署名運動への共感が示されました。

また国の強権的な地方自治への侵害が問題となっている沖縄基地問題について、戸羽太・陸前高田市長や多田欣一・住田町長らからは、「国の対応に問題がある」と表明されました。

沖縄 憲法はくらしの根幹

沖縄県事務所は、地方自治の担い手である自治体職員への憲法の研修、地域の過疎問題をめぐって懇談しました。

憲法にもとづく自治体職員のあり方を学ぶ研修実施について松本哲治・浦添市長は、「憲法は国のあり方で、くらしの根幹だ」と述べ、「新人研修はやらないといけない」と述べます。

「地域に若者が少ない」と苦悩を話す南城市では、新しいまちづくりのための働きかけや、市としての計画が実を結び、人口増に結びついたと話題になりました。

「保育士確保が難しい」と述べた豊見城市では、「保育士確保には保育士の賃金引き上げと待遇改善をすすめる必要がある」と提案しました。

▲沖縄・浦添市との懇談


全国ですすむ職場訪問

不払い残業「自己責任じゃない」

高知自治労連
▲職場訪問で聞き取りをする室戸市職労の福留裕治委員長(奥)と寺内遼生青年部長(右)

高知自治労連では、いっせい職場訪問の意思統一を行い、県内の単組代表者会も開き周知徹底しました。県本部の役員・書記も職場訪問に参加。現在、半数を超える単組で実施しています。

室戸市職労では、7月12日に単組9人と県本部3人で実施。19時から職場を巡回し、声かけとアンケートの聞き取りを行いました。組合役員の訪問に驚きながらも職員はみな歓迎してくれ、アンケートにも気軽に答えてくれました。室戸市は、本庁職員の半数が非正規という状況で、正規職員の残業時間が増えている実態が明らかになっています。

職場訪問にとりくんだ各単組からは、「組合らしいとりくみだ」「役員が職場を回ることの大事さや、職場の声を直接聞くことができてよかった」との感想が寄せられ、参加した県本部役員・書記からも「単組の職場実態や自治体間の違いがよくわかった」と、職場をリアルに捉えることの大切さを確認しました。

不払い残業は、どの単組でも生じています。その理由の多くは、「請求しづらい」「予算がない」です。不払い残業でも仕事をする理由は、「仕事に責任がある」が多くなっています。住民のための仕事を放り出すことはできない、という思いが、「責任」という言葉にあらわれています。

長時間労働解消は個人の力では解決しません。「自己責任」から組織的対応へ、今こそ労働組合の出番です。


すすむ評(32)

平泉町で初めて 非正規の仲間が組合に加入

岩手自治労連 平泉町職員組合・岩手自治体一般労組
▲6月14日の非正規職員懇談会

平泉町役場では、これまで臨時職員など非正規職員の組合加入はありませんでした。平泉町職では非正規職員に関わる要求前進も勝ち取っていましたが、非正規職員の切実な声を要求に結びつけ、改善を勝ち取るために、5年前に非正規担当の執行委員を配置し、2015年から毎年、非正規職員懇談会を開催してきました。

今年6月14日の第3回懇談会には、幅広い職種の臨時職員が参加しました。懇談会終了後には3人が岩手自治体一般労組と自治労連共済に加入しました。

これまでの懇談会で寄せられた要望にもとづき当局と交渉した結果、賃金改善や年休日数の拡大、勤務条件通知書の交付など前進した成果を報告し、あらたな「会計年度任用職員」についても県本部役員を招き学習しました。

そして「一人でも加入できる」岩手自治体一般労組を紹介し、自治労連共済の優位性ついて説明し「全県の非正規の仲間が結集し声を上げることが、職場を変え、働き方を変える大きな力になる。ぜひ組合に加入してほしい」と訴えました。

職員からは、「要求の前進は職員組合のおかげ」との感謝の声や、「組合加入に年齢制限はあるのか。自治労連共済は魅力的だ」「休憩時間に休める部屋がほしい(運転手)」「月に2回は土曜日出勤で連続休暇がとれない。年休も年間3日程度しか取れない。人員増が必要(保育士)」「インフルエンザで休む場合、所得保障がほしい(調理員)」など関心と要望が寄せられました。引き続き正規・非正規が一体となって懇談会を続けて、組合への加入をよびかけていきます。


シリーズ2 いちから学ぶ仕事と権利

人事院勧告制度のしくみ

人勧特集号の活用と積極的な要求書提出を

8月初旬には、自治体労働者にも大きな影響を与える人事院勧告が行われますが、公務員賃金をめぐる人事院勧告制度の概要と問題点を解説します。

正式には「職員の給与の改定に関する勧告」といい、国家公務員法の規定により、人事院は毎年1回以上、俸給表が適当かどうか国会と内閣に「報告」する義務があり、俸給表に定める給与を5%以上増減する必要が生じたと認めるときは、報告にあわせて適当な「勧告」をすることが義務づけられています。(5%未満でも勧告は可能。最近では2013年の勧告は行われていません)

勧告に先だって5、6月に「職種別民間給与実態調査」(民調)を地方人事委員会と共同で実施(2006年4月から対象事業所が拡大し、企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上、今年は約1万2400所を抽出)し、調査結果を国家公務員(行政職(一)俸給表適用者)と比較して報告・勧告を行います。比較する月例給は4月支給分、一時金は前年冬とその年の夏の支給分です。

地方公務員と地域労働者の賃金に影響大

勧告の取扱いに関する閣議決定と同日に総務省から自治体に文書が出され、「技術的助言」と称する実質的な強要により地方人事委員会勧告や賃金確定交渉に大きな影響を及ぼしています。

地方の公務員賃金は、自治体の臨時・非常勤職員や公社・事業団といった公務公共職場、商工会など地域の公的団体の労働者賃金に影響を及ぼすなど地域経済振興の面からも重要です。

地域の労働者や関係団体とともに地方人事委員会や自治体当局への要請・懇談に積極的にとりくむことが求められます。同時に『自治体の仲間』人勧特集号を活用して勧告内容の問題点を洗い出し、要求書を提出して人事委員会や当局との交渉に備えましょう。


カジノ・万博・地方自治 職場の実態から学ぶ

語り合いましょう〝公共の役割〟

第19回 大阪地方自治研究集会 7月9日 エル・おおさか
▲自治研集会には職員や住民203人が参加しました。写真は開催あいさつをおこなう森裕之教授

第19回大阪地方自治研究集会が7月9日に開催されました。7年ぶりの自治研集会では、「語り合いましょう『公共の役割』」をテーマに、住民生活にかかわるさまざまな問題と自治体の現場や労働組合のとりくみを検証し、あらためて大阪における住民本位の行政を確立させていくための報告や交流が行われました。

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冒頭に、集会実行委員長で立命館大学の森裕之教授(大阪自治体問題研究所副理事長)が、「『大阪都構想』という住民が求めていない統治機構〝いじり〟に対して、『住民自治を活性化して声をあげていくことが大切』」とあいさつしました。続いて大阪自治労連・中島早登司副委員長が基調報告をし、自治体労働者・地域住民など8人によるリレートークが行われました。これを受けて阪南大学の桜田照雄教授は、大阪府知事・大阪市長らによるカジノや万博誘致について「大阪経済はさらにダメになる」と問題点と住民への影響を指摘しました。フロアから「大阪市の職員基本条例の実情」「大阪府立公衆衛生研究所の統合問題」「行政の災害対策や農林業政策問題」などの発言がありました。

最後に、大阪自治体問題研究所理事長で奈良女子大学の中山徹教授は「大阪の経済状況や貧困問題はどの指標を見ても全国的に最も厳しい状況であり、府民の不満や不安をあおって自治体を牛耳っているのが維新。それに対して、保守・革新をこえて『大阪市を守らなアカン』と共同した大阪市の住民投票のたたかいや『カジノはあかんやろ』という共同のとりくみなど、今の自治体の状況を大きく変えていく可能性が一番高いのが大阪」と自治研集会が開催された意義に触れて集会をしめくくりました。

「くらしのなかに憲法をいかす」に共感

自治研集会に参加した大阪府職労青年部長の塚元寛貴さんは、「短い時間でしたが、大阪の抱える課題について、各々の分野から発言がありました。とくに『くらしのなかに憲法をいかす』という仲間の言葉に共感しました。自治体職員が憲法に精通することは当然ですが、住民とともに憲法をいかし、自ら職場やくらしのなかで実践することが必要です」と自ら学び実践する意義を語ります。

「住民の方々と一緒に学ぶ機会はそう多くありません。大阪の課題について一緒に学び深め合い、住民のみなさんによりよいサービスを提供するために、これからも頑張りたい」と決意を語ってくれました。


優勝 中国ブロックチーム

世代・職場・地域をこえ交流を深める

自治労連 第24回 全国将棋大会 7月14日~15日 神奈川・湯河原
▲熱戦を終え充実した顔の参加者のみなさん

第24回目となる全国将棋大会は7月14~15日、「将棋の聖地」と言われる神奈川県湯河原町「杉の宿」を会場に、日本将棋連盟・勝又清和六段を招き、10地方組織16単組、実行委員会役員を含め37人の参加で開催しました。

大会の結果

優 勝 中国ブロックチーム(岡山・倉敷市職労)
準優勝 関東甲越Aブロックチーム(埼玉・飯能市職、深谷市職労)
3 位 北海道・東北Aブロックチーム(岩手・盛岡市職労)
4 位 近畿Aブロックチーム(大阪・東大阪市職労、茨木市職労、大阪市労組)
5 位 四国ブロックチーム(愛媛・宇和島市職、松山市職労、香川・公務公共一般労組)
6 位 関東甲越Bブロックチーム(東京・世田谷区職労)
7 位 東海北信ブロックチーム(愛知・名古屋市職労、名水労)
8 位 近畿Bブロックチーム(滋賀・栗東市職)
9 位 北海道・東北Bブロックチーム(岩手・一関市職労)
10 位 九州ブロックチーム(鹿児島・かごしま公務公共一般労組)

個人4連勝
吉田 昌弘(関東甲越Aブロックチーム・埼玉・飯能市職)
小松原道広(中国ブロックチーム・岡山・倉敷市職労)
吉本  晃(中国ブロックチーム・    〃    )

多様な文化・スポーツ要求の一環と自治労連の文化・スポーツ活動の発展、組合員同士の交流・団結を深めることを目的とする本大会では、九州ブロックから鹿児島、オール若手で編成された滋賀・栗東市職の初参加、さらに今大会では全国大会の場にが初出場するなど、「初めてづくし」の大会となり、参加者は対局に交流と大いに盛り上がりました。

日本将棋連盟・勝又六段による参加者への指導対局や「将棋とAI(人工知能)」の動向、また連勝新記録を出した「藤井聡太四段」の話題に参加者は熱心に耳を傾けました。

大会は、3人1チームの団体戦で、各ブロックから勝ち上がった10チームが変則トーナメント(4回戦)をたたかい抜きました。

2日目の第4回戦では、関東甲越ブロックAと中国ブロックチームが優勝を争って対戦しました。互いに1日目を3戦全勝した大将・副将・三将の強敵同士。相手の手を読みすすめ、大将戦と副将戦で勝ち星をあげた中国ブロックが3年ぶりの優勝を果たしました。

▲初参加の滋賀・栗東市職の3人


今月の連載・シリーズ

いい旅ニッポン見聞録
第19録
さいたま市 鉄道博物館
「発車よーし!」鉄道の歴史は、人類の歴史

宿場町から鉄道の町へと発展した大宮

かがやきDAYS
〔38〕
神奈川・鎌倉市職労 中田(なかた) 隼(はやと)さん
「フレスコボール」に夢中

思いやりをパートナーに届けるスポーツ

まちコレ
Collection38
別子飴(べっしあめ)
どこかなつかしい5つの味が魅力

愛媛県新居浜市

うレシピ
第69品
福岡・北九州市職労 永倉 久恵さん
じゃがいもとソーセージのマスタード炒め

「マスターどう?」「うまいんじゃが」

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