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機関紙『自治体の仲間』2017年 3月号 Vol.520 2017年国民春闘 職場・地域で要求実現へ 全国の仲間と力を合わせよう

2017年国民春闘

全国の仲間と力を合わせよう

職場・地域で要求実現へ
▲大船渡市職の職場説明会の様子。職員へ呼びかける及川悠輔さん

「大幅賃金の引き上げと底上げ、労働者・国民が安心して生き、働くことができる社会の実現」をめざし、17国民春闘は、3月15日の集中回答日と翌16日に全国統一行動を行います。各地方組織・単組では、職場訪問や学習で要求を深めながら、地域にも足を運ぶ活動にとりくんでいます。全職場・全組合員の参加で国民春闘をたたかいましょう。

岩手自治労連

春闘勝利に向け職場で団結訴え

大船渡市職では2月8日に春闘職場説明会を行いました。春闘での心構え、提出した要求書の内容を職員に伝え、批准投票の成功と行動参加を呼びかけました。

震災から6年目を迎え、災害公営住宅の整備や高台移転がおおむね完成する一方で、さまざまな理由で仮設住宅から出ることができない人がいるなど、被災者や被災地の二極化が指摘されています。

だからこそ、長期にわたる復興業務に継続的に従事できる職場の体制が求められており、職員のいのちと健康を守る労働組合の役割・使命が重要になっています。

今年、新しく執行委員になった及川悠輔さんは、「自分の声で春闘をアピールできたのはとても新鮮でした。引き続き春闘の推進に向けて、職場・地域で仲間とともに奮闘していきます」と話しています。

賃上げを勝ち取り次へつなげる春闘へ

奥州市臨時職員労組は、奥州市職労とともに2月6日に臨時職員の待遇改善を求める団体交渉を行い、来年度からの日額単価引き上げを確約させました。奥州市臨時職員労組は、これまでも臨時職員の待遇改善や福利厚生拡充などにとりくみ、正規職員と同一の通勤手当の支給、子の看護休暇など特別休暇の拡大を勝ち取ってきました。

奥州市では合併後、職員全体に占める非正規職員数が約4割となり、正規職員の採用抑制で、非正規職員がさらに増えると予想されています。

「一人ひとりの力は小さいが、みんなで団結して職場の要求を実現させていく」と、奥州市臨時職員労組は職場要求をかかげ、団結と交流を深めて、春闘から続くたたかいにつなげていく決意です。

▲臨時職員の待遇改善を求めて団体交渉をする奥州市臨時職員労組

沖縄公務公共一般労組

不安定雇用なくして非正規の待遇改善を

沖縄県公務公共一般労働組合は、2月14日夕方、「17春闘♡バレンタイン♡宣伝」を浦添市役所前で行いました。

退庁する職員と帰宅する人たちへ、バレンタインチョコと一緒に宣伝ビラを配り、「自治体の足元から不安定雇用と時給1000円以下の低賃金労働をなくそう」と訴えると、ビラとチョコの受け取りもよく、対話もはずみました。

その後、浦添市内で「春闘学習交流集会」を開催し、参加した図書館司書の組合員から「図書館司書の役割を広めて、司書の横のつながりをもちたい」、保健師の組合員からは「地域住民の健康に一番近い位置にいるからこそ地域の特徴をつかみ何ができるか学んだ」、「石垣島や宮古島でも非正規集会をやろう」など、参加者全員で17国民春闘に向けて決意を固め合いました。

▲春闘学習交流集会にあわせ、市役所前で宣伝を実施しました

地域から春闘のうねりを 3・16全国統一行動へ


格差と貧困の是正 平和かかげる春闘へ

2・19総がかり行動

総がかり行動実行委員会が呼びかけた東京・日比谷野外音楽堂集会と銀座パレードに4000人が集まりました。

戦争法廃止だけでなく、格差と貧困問題をかかげた行動となり、自治労連春闘方針の柱としても位置づけて、首都圏の地方組織・単組を中心に参加しました。


地域とのつながりが実を結ぶ

こんな地域と職場をつくりたい
▲500人が参加した1月29日の「第15回言いたい!知りたい!西大寺」で750株の花の苗を配りました。イベントは岡山市東区西大寺地区で開催しています

「現業まつり」「給食まつり」など地域に足を踏み出し、現業職の必要性を発信してきたとりくみが各地で実を結んでいます。現業職の人員削減と新規採用抑制、民間委託がすすむなか、岡山市職労で正規採用再開、高梁市職労(岡山)での14年ぶりの給食調理員採用、上田市職労(長野)でも22年ぶり現業職採用など各地で成果を実現しています。

岡山市職労

11年ぶりに学校用務員の採用を勝ち取る

岡山市職労では、昨年に続き環境整備士3人(昨年3人)、給食調理員7人(昨年6人)の正規採用を勝ち取りました。さらに今年は、11年ぶりに正規学校用務員1人の採用試験を実施させることができました。小学校で用務員をしている岡山市職労学校支部の原孝成さんは、「11年前はほぼ正規で配置されていて、採用がなくなるとは考えていませんでした」と当時を振り返ります。

長いたたかいのすえ新規採用を勝ち取ったことに「事業仕分けや、包括外部監査で『用務員は必要ない』と言われたなか、労働組合の仲間とともに声に出して訴えて、労働組合として交渉し続けてきたからこそ、採用再開することができた」と原さんも感慨ひとしおです。

住民との交流を長年重ねて

岡山市職労は、地域住民に楽しみながら公務を知ってもらおうと、2002年から毎年、市民団体とともに「言いたい!知りたい!西大寺」のイベントを実施して住民との交流を重ねています。

原さんら学校用務のブースでは、用務員が育てた花の苗を住民一人ひとりに手渡しをしながら、「1校1名の正規用務員配置」を訴えてきました。今年は750株を配りました。こうしたとりくみのなかで「住民や校長からも、正規用務員が必要だと言ってもらえるようになりました」と原さんは喜びます。

今後は、臨時職員配置が5割になった状況で、学校用務員の技士長や正規職員を中心とした体制の見直し、給食調理員の技士長制度の見直しを迫られている体制問題など山積しています。課題の解決に向け「これからが正念場」となっています。

また、正規採用がいまだ止まっている学校司書、学校栄養士の正規採用を再開させ、学校支部4職種の継続的な正規採用実現へがんばる決意を新たにしています。

長野・上田市職労

直営の意義と期待を高めた給食まつり

長野県上田市で「第13回うえだ給食まつり」が1月29日に開催されました。まつりでは「学校給食の試食コーナー」の他「第8回うえだ大豆王選手権」などのゲームも行われ、大人も子どもも楽しみました。

第1回の給食まつりが開催されたのは2005年。96年に「上田市行政改革大綱」が策定され、現業部門の民間委託推進が決定、翌年の団体交渉で当局は「今後、現業職員は採用しない」と明言し、02年には定員割れとなるなかでの開催でした。

上田市職労・現業評議会は08年に本格的な給食調理員の退職補充・新規採用交渉をスタートします。前年に「事業仕分け」で「11年から順次民間委託」とした方針と真っ向対決してきました。長いたたかいの結果、15年には学校給食の「直営」の方針が決定され、昨年には「退職分の補充を原則として新規採用で行う」という回答を引き出し、22年ぶりとなる学校給食調理員新規採用を実現しました。

このたたかいのなかで、給食まつりは毎年開催され、地域住民に学校給食への高い関心と評価を得て、「直営」存続への大きな力になりました。

▲「上田給食まつり」には、上田市からも後援をもらい、広くよびかけたこともあり多くの市民が参加しました


10万評の確立めざし

仲間がいることが支えに

第25回自治体非正規・公務公共関係労働者全国交流集会 in 奈良

自治労連非正規雇用・公務公共関係評議会は2月4~5日に「第25回自治体非正規・公務公共関係労働者全国交流集会」を奈良・橿原(かしはら)市で開催しました。29都府県から集まった209人の参加者は記念講演や各地からの特別報告、分科会・講座で学びながら交流を深めました。

1日目の特別報告で、大阪関連評学童保育指導員労組連絡会・渡司考博さんは、「守口市長は『改革ビジョン』で学童の民営化を打ち出し、それに対しパブリックコメントなどとりくみをすすめている」と民営化阻止のたたかいを報告。また府内の学童指導員による「指導員フェスタ」を開催し、「楽しく学び組織拡大にも結び付けられたとりくみだった」と元気に発言しました。


人員不足・残業増加 すすまない年休取得

自治労連2016~17要求・職場アンケート 職場の実態

先月号に続き、要求・職場アンケートの中間集約(4万6688人分)から、職場の実態について報告します。人員削減と労働強化のなかで、仕事にやりがいを持って働き続けたいという思いが、賃金引き上げとともに、人員増や休暇取得について強い要求に現れた結果となっています。

1 残業時間

250人が100時間超 不払い残業「あり」も4割超

全体の68.2%に残業が発生し、直近1カ月の平均残業時間は、15時間00分と、昨年より12分の微増。回答者のうち2233人(5%)が月40時間以上、うち250人(0.6%)が100時間超となっている現状は放置できません。

不払い残業「あり」と答えた職員は昨年と同じ41.0%で、平均時間数も10時間53分と高止まり状態です。不払い残業の理由では、「仕事の責任がある」39.4%が今回も一番多く、「申請しづらい雰囲気がある」32.7%が数年にわたり増加しており、「手当額や残業時間に上限」10.1%という制度上の問題も重大です。

▲サービス・不払い残業理由

2 年休の取得

年休取得日数は9.38日に減 4人に1人が「毎日疲れる」

年休の平均取得日数が9.38日で、昨年の10.12日から減少。「11~16日未満」21.0(昨年21.4)%、「16~21日未満」が17.0(同18.8)%と後退しました。取得理由は「家の用事」58.4%、「疲労回復・休養」40.9%、「本人の病気」37.6%、「家族の病気」26%など。人員不足と残業増の影響が、「毎日非常に疲れる」24.8%、「たまに非常に疲れる」26.3%という回答に現れています。

▲昨年の年休取得日数
▲年休の使い道

3 職場の人員・仕事のやりがい

「仕事にやりがい」あるが「人員は足りない」

仕事量は、職場全体で「増えている」57.7(昨年59.9)%、職場の人員については、「足りない」63.9(同63.7)%に対し、「足りている」と回答したのは36.1(同36.3)%と、引き続き「人手不足」が蔓延しています。

これでは長時間労働が改善されるわけもなく、疲労の度合いが高いこととあわせ、健康への影響が懸念されます。

そうしたなかでも、自治体・公務公共労働者として、仕事に「非常にやりがいがある」20.3%、「まあまあやりがいがある」56.6%と、4人中3人が「やりがい」を感じています。

▲仕事のやりがい

4 職場要求

最大の要求は賃金と人員・休暇

賃金と人員の抑制が長びくもとで、職場要求は「賃金・一時金引き上げ」が67.9%、「人員の増員」38.1%、「年休取得促進、休暇増」37.0%が上位。他に「人員配置・人事異動の改善」22.1%、「非正規雇用の待遇改善、正規化」19.9%、「仕事と家庭の両立支援の充実」18.6%が高く、働き方の改善が求められています。

▲働く条件で最も改善したいもの


主張 3・16 全国統一行動

職場・地域から17国民春闘をたたかい、全国統一行動に合流しよう

総務省の家計調査(2月)によれば、実質消費支出は前年比マイナス1.7%となり、3年連続で悪化しています。アベノミクスの破綻は明らかであり、いま必要なのは国民一人ひとりの所得を上げるため、生計費にもとづく大幅賃上げをすることです。しかし大企業は内部留保を313兆円へと増しながら、経労委報告では「年収ベースでの賃上げ」を主張し、ベースアップを回避する姿勢は、経済発展を阻害しています。

今こそ、職場・地域から、公務と民間が一体で、すべての労働者の賃金引き上げのうねりをつくりあげることが重要です。「賃金底上げ」「低賃金と格差の解消」をめざして、自治体当局に対し「全国一律最賃制度の確立」「公契約条例制定・改善」要求書を提出し、「全国一律最賃署名」に全力でとりくみましょう。

安倍「働き方改革」の本当のねらいを明らかにしてたたかう

長時間労働を是正し、過労自殺のない労働環境の実現は待ったなしの課題です。「働き方改革実現会議」は2月14日、残業時間を年720時間(月平均60時間)まで認め、繁忙期には過労死ラインまで容認する案を示しました。財界はさらに長時間労働規制を「残業代ゼロ法案」の成立が前提と主張しています。低コストで都合よく使える労働力を増やすことがねらいの安倍「働き方改革」に反対し、8時間働けば人間らしくくらせる賃金を求め、世論と運動を広げましょう。

「こんな地域と職場をつくりたい」の運動をすすめよう

地方と社会保障切り捨ての政策によって、格差と貧困が広がり将来不安が増すなか、安倍首相は国民生活を守る基本である憲法の改悪に強い意欲を示しています。

「こんな地域と職場をつくりたい」の運動は、住民とともに憲法をいかし住民生活を守り、働く者が正規・非正規を問わず、人間としての尊厳と自由を回復し豊かな生活を実現するとりくみです。

職場で春闘要求を確立し要求書を提出するとともに、「自治体の臨時・非正規職員の労働条件改善を求める国会請願署名」や「現業署名」にとりくみ、あわせて、憲法改悪阻止・戦争法廃止に向け大きく足を踏み出しましょう。

安倍政権の嘘と欺瞞の政策をはね返し、国民要求実現に向け、職場集会を基本にとりくみ、3・16全国統一行動に合流しましょう。


新しい出会いで仲間を迎えよう

▲昨年の新規採用者への説明の様子

4月からの新しい仲間を迎えるため、さまざまなとりくみが各地で始まっています。今回紹介する単組のとりくみをはじめ、全国での実践を力に多くの仲間を迎え入れましょう。

組合結成70周年とあわせて 4月の本番を

京都府職労連

京都府職労連は、1月から部・部・本部で構成する「新採対策会議」を開催しています。1月の自治労連組織集会で「去年のとりくみに、一つ新しい工夫を加えよう」の提起を受けて、今年は4つのとりくみをすすめています。

第1は、昨年初めて作成した組合紹介DVDに、多くの青年組合員に登場してもらい、青年が組合の魅力を語る内容にバージョンアップします。

第2は、「賃金手帳&勤務時間管理ノート」を作成。3月に全組合員に配布しながら、4月の新採加入呼びかけや賃金・権利学習会で活用します。

第3は、ブロックごとの新採歓迎会を昨年以上に成功させること。

第4は、府職労連独自の組織集会を3月25日に開催することです。

全国の経験に学び、府職労連の超勤調査をはじめとしたとりくみや、組織強化・組織拡大の到達点を確信に、組合結成70周年記念事業の成功、組織の本格的前進をめざして、4月の本番を迎えようと議論をすすめています。

若手・ベテラン組合員が奮闘 新入職員が加入

蒲郡市職

2月15日、蒲郡市職は新入職員研修の昼休みに組合説明会をおこないました。説明会には10人を超える先輩組合員、執行委員が参加し、委員長のあいさつの後、先輩組合員が一言ずつ、組合への加入をよびかけました。

本庁の2年目若手職員から「組合の活動を通して声を上げることの大切さを知りました。労働条件や賃金のことなど聞きにくいことは組合に相談してください。組合は気楽に相談できる場所だと思います。一緒に働きやすい環境をつくっていきましょう」、育休中の保育士からは「賃金や働く環境は、他市町とは違うところもあるので、蒲郡で足りてないところをみんなで話し合って、待遇改善を求めて頑張っています。ぜひ、みんなに入ってほしい」、ベテラン本庁職員からは「家族を築いていくなかで、賃金・労働条件は生活に直結する大事なこと。生活や家族を守るために頑張っていけたらいいね」と話しました。

よびかけの後、新入職員のほとんどがすぐに加入用紙に記入し、先輩たちは「よろしくね」と声をかけました。

▲新規採用者研修で先輩職員一人ひとりから組合加入を訴えました


すすむ非正規公共評(27)

1年中加入を促進。「やっぱり組合があってよかった」

埼玉県本部 埼玉県学童保育指導員労働組合
▲部屋をうめつくす多くの組合員で団体交渉に臨みました

埼玉県学童保育指導員労組では、昨年秋の拡大月間に23人の組合員を迎え、今も引き続き加入者が増えています。学童保育指導員の3年未満での退職・入れ替わりは、継続した安定的な学童保育運営をすすめる上で大きな支障となっています。年度途中の退職も後を絶たず、新採に組合加入を勧めることが1年を通した活動になっています。

昨年秋は、「みんなの要求をていねいにまとめる」「労使協議・労使合意のルールを労使双方で確認する」ことを「組合としてしっかりとりくむ」決意をして交渉に臨み、結果を全員に報告、次の要求を確認し粘り強く交渉を行いました。

こうした組合の原則的な活動を通して、「やっぱり組合があってよかった」「自分たちも組合に少しでも協力しよう」と組合加入がすすみました。

上尾支部の役員は、「今まで市に対して交渉を求めたことはなく、法人とも対等な立場で交渉することはありませんでした。でも、昨年度の財政難を理由にした人員体制の変更ばかりか、また今年度も大幅な給料表の改悪提案があり、もう許せないという気持ちで改めて組合活動にとりくみました。何度も会議を持ち、組合員にていねいに説明し、初めて役員以外の組合員も交渉に参加するなかで、自分も組合に参加しますという新しい仲間が増えました」と言います。

和光支部の若者は、「組合はやっぱり数が力。今の労働環境や職場環境を変えるには組合員を増やすしかない」と一念発起し、同じ若者にていねいに組合を紹介し、加入につなげました。

川越支部は、市の臨時職員という任用でありながら責任ばかりを押し付けられ、保育体制・施設の改善、賃金・労働条件の改善が進まないこと、また任用替えの問題もあり、新採や非組合員に粘り強く働きかけ、毎月組合員を増やしています。


総務省「臨時・非常勤職員の在り方研報告」とは その1

非正規から非正規への置き換えでしかない

安倍労働法制の本質を暴く [第3弾]

3、4月号では安倍政権が公務職場をどうしようとしているか考えてみます。総務省「臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会」の報告をみると、自治体と自治体労働者の役割を限定・矮小化するねらいが見えてきます。

総務省が設置した研究会は、臨時・非常勤職員の任用・勤務条件の「適正な確保」として、臨時・非常勤職員のうち、「特別職非常勤」を専門的な職に、「臨時職員」を正規職員の欠員が生じた場合に限定し、そのほかは「会計年度任用職員(仮称)」に分類する内容を提言しました。

提言にもとづき総務省は、地方公務員法・地方自治法の改正案を今年の通常国会に提出・成立させ、2019年4月1日施行をめざしています。

新聞報道では「非正規公務員にも賞与を」という見出しだけが踊っています。確かに、法律に非常勤職員等にも手当支給できると明記することは必要で、私たちの運動の成果です。一方で、地方公務員法でこれまで例外とされてきた「期限付の任用」を法律に規定することも提言しています。これは、地方公務員制度の重大な転換です。

さらに「臨時・非常勤の職のすべてについて個別に検証を行い、…適切な任用根拠を選択する」、その結果、「常勤職員と同様の本格的な業務を行う職が存在することが明らかになる場合…任期付職員制度の活用について、検討することが必要」としています。

総務省のこれまでの行政解釈でも「恒久的な職と認められる職については、特別な事情があるものを除き、雇用期間を限定して職員を任用することは適当でない」としてきたにも関わらず、「本格的な業務」に該当するか否かだけを要件として任用根拠の選択を迫っています。

自治体の継続的・安定的な業務を臨時・非常勤職員が担っている本質を見ようとしていないために、非正規から非正規への置き換えの選択肢しか示していないのではないでしょうか。

任用根拠の見直しにあたっては、「公務の運営」原則を維持し、多様な行政サービスに対応していくために、現に恒常的な業務を担っている臨時・非常勤職員を本人の希望にもとづき、合理的・客観的基準により選考するなど、正規職員化の道が示されるべきです。


第25回 自治体保育労働者の全国集会inながの

元気いっぱい学び交流

子どものいのちと安全、働きがいを守ろう
▲寸劇「保育ってなんだ」。一人ひとりが想いの詰まったメッセージボードを手に持つ

大企業の利益を優先する安倍政権は、保育の市場化を推しすすめています。公的保育制度の拡充と待機児童の解消、保育士の待遇改善を含む「保育の質」の向上が求められているもと、今年で25回目となる自治体保育労働者の全国集会が2月18~19日にかけて長野県上田市で開催され、全国からのべ900人以上が参加しました。初日は全体集会、翌日は6分科会2講座に分かれ交流しました。学び語り合ったことを力に、全国・地域での運動をすすめていこうと確認しました。

全体集会 長野の仲間が踊りと寸劇で歓迎

オープニングは開催地長野の上田・佐久・坂城の仲間による若手保育士でつくるチーム「ヤングろくもんず」で長野県民なら誰でも歌えるという県歌「信濃の国」(上田version)をバックミュージックに、手にした赤い旗を力強く回転させ、迫力あるダンスを披露。続いて坂城・阿智村の仲間による保育の規制緩和がすすむことの危険さを伝える「保育ってなんだ!?」の寸劇に、感動し涙する参加者もいました。会場全体が一体となる地元歓迎行事に、会場からは力いっぱいの拍手が長野の仲間におくられました。

戦争の悲惨さを伝える記念講演

長野県上田市にある、日中・太平洋戦争に駆り出され戦死した画学生らの遺作・遺品を展示している私設美術館「無言館」の館主・窪島誠一郎さんによる記念講演では、静かな語り口であっても伝わってくる、戦争に対する辛辣な批判に、参加者からは「心にしみました」「無言館は知りませんでしたが、戦争の悲惨さがよくわかりました」と感想がありました。

▲「無言館」館長 窪島誠一郎さん
奮闘する仲間 各地からの訴え

各地で奮闘する仲間からの特別報告では、世田谷区職労保育園分会・伊藤真咲さんから、2010年に区内の保育施設職員と保護者とで「公的保育・福祉を守る世田谷実行委員会」を結成し、「子どものいのちの問題である保育の質の向上を求める声を届けるとりくみをすすめています。今後は、待機児童を持つ保護者や民間の保育士とのつながりをひろげ、保育の質を守っていきたい」と元気に述べました。

大阪市労組の山崎永子さんは、「保育園の民営化にともない、民間保育士との格差が大きいという理由で、給料を引き下げる橋下徹前市長の方針が条例化され、最大で22%、月額にして7万円の引き下げが実施されています。引き下げをはね返し、全体の処遇改善に向けたとりくみとして、民間公務、組織を越えて市役所前宣伝にとりくんでいます」と力強く報告しました。

全体集会では他にも、文化企画として新沢としひこさんのトーク&ライブもあり、参加者全員で歌に合わせて、踊りも行いました。翌日は、6分科会2講座に分かれて、学び交流を深めました。

▲「ヤングろくもんず」による迫力あるダンス

第6分科会 みんなの保育実践や熱い思いが刺激に

分科会の一コマ

第6分科会では、自治体の若手保育者同士が「自分や地域の現状」「こうなっていきたい!ありたいすがた」というテーマで学び交流しました。

佐久市職労の油井明菜さんと加藤菜月さんは、はじめて全国集会に参加し、「みんな保育のとりくみや熱い思いがとても刺激になりました」と話し、同じ班の名古屋市職労・山本晶子さんと横浜市従・菊地麻美さんからは「今日は参加してくれて本当に良かった」と、それぞれの連絡先を交換しました。

特定の国家観を押し付け

「保育所保育指針」厚労省発表

厚生労働省は14日、保育所の運営指針「保育所保育指針」について、2018年度からの改定案を公表し、3歳以上の幼児を対象に、国旗と国歌に「親しむ」と初めて明記しました。

「指針」は現場の保育所、保育士にとって保育の拠りどころで、全国の保育所が一定の質を保ち向上する上で、大変重要なものです。自治労連は2月8日に「指針」の問題点などを書記長談話として発表しました。「指針」は「『愛国心』など特定の国家観を押し付け」るもので、安倍政権の「教育再生」が色濃く出ています。

自治労連は、すべての子どもの幸せ、保育労働者の健康とくらしが守られる、よりよい保育指針をつくるため運動をすすめていきます。


今月の連載・シリーズ

いい旅ニッポン見聞録
第14録
愛知県・名古屋市緑区有松
東海道の旅人気分で有松絞りのお土産探しも楽しい

江戸の面影残す絞りの町有松

かがやきDAYS
〔33〕
大阪府職労 古河(こが)貴久子さん
フラメンコの魅力は達成感

ステップで自分が楽器の一部に

まちコレ
Collection33
うレシピ
第64品
大阪・岸和田市職労 山口 恵さん
ボルシチ

うまっ!天までのボール☆シチ

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