被災地の早期復興を 公務員賃金の引き下げ許すな

夏季闘争勝利!5・25中央行動

 全労連・国民春闘共闘は5月25日、「被災者に寄りそう住民本位の震災復興、最低賃金の改善」などを求めて東京・霞が関を中心に中央行動を実施しました。6月上旬にも政府が公務員給与「1割カット」の「賃下げ法案」を国会に提出しようとしている重要な局面のなか開催されました。全国から1200人が参加し、早朝の宣伝行動、各省庁前行動、デモ行進、国会議員要請行動に終日とりくみました。

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▲中央総決起集会(日比谷野外音楽堂)に集まった東北の仲間(前列)

総務省前要求行動

「労働基本権の回復を」全国から署名13万筆

 総務省前に「労働基本権の回復を求める国会請願署名」13万筆が積み上げられました。
 全労連公務部会代表委員・国公労連の宮垣忠委員長は主催者あいさつで「公務員賃金1割削減を撤回せよ。今すべきことはすべての労働者の賃金底上げで内需を拡大し、公務公共サービス拡充に向けた人員増こそが求められる」と訴えました。
 全労連公務部会の黒田健司事務局長が情勢報告し、公務員賃金削減反対のとりくみ強化で6月1日から3日間の総務省前座り込み行動を呼びかけ、「協約締結権の回復を盛り込んだ公務員制度関連法案の情勢も緊迫している」と訴えました。
 決意表明では兵庫自治労連の今西清書記長が、「阪神淡路大震災で復興費16兆円のうち、10兆円がゼネコン型ハコモノ事業に使われた。公営住宅の家賃が払えず、1000人以上が退居を迫られている」と告発し、「この教訓を生かし、被災者に寄りそう住民本位の復興を。被災地で日夜がんばっている公務員の賃金削減は、いま政府が一番してはいけないことだ」と強調しました。

▲積み上げられた13万筆の署名

▲決意表明する兵庫自治労連・今西清書記長

中央総決起集会

国の責任を果たせ 地方自治発揮した復興へ

 全労連の大黒作治議長は主催者あいさつで「被災地の復旧・復興、雇用の確保に政治の力を発揮すべき時だ」、「公務員賃金10%カットは許されない。撤回を求めてたたかおう」と呼びかけました。
 被災県代表は「『水産特区』や農業の株式会社化は復興という名の構造改革だ」(宮城県労連)、「自然災害でなく、人災だ。四重苦の複合被害で住み慣れた家・故郷を追われた住民のくやしさ、無念さを東京電力と政府に強く訴える」(福島県労連)、「自治体臨時雇用は日給約6000円の低賃金だ。最低賃金引き上げに全力をつくす」(いわて労連)と抗議と怒りを込めて発言しました。
 自治労連の柴田英二副委員長は、「震災直後から行政派遣、支援カンパ・物資、ボランティア派遣の3つを全国に提起した。カンパは1億円に近づき、のべ2000人のボランティアを陸前高田市へ派遣した。全国の奮闘が公務の役割を高め、光を放っている。住民合意の市町村の復興計画を土台に国の責任を果たさせ、地方自治を発揮する復興をめざして奮闘する」と決意を述べました。

▲決意表明する自治労連・柴田英二副委員長

▲国会請願に向けてデモ行進

言わせて!!

 何年かぶりに中央行動に参加しました。被災地までは行けませんが、少しでも力になればと思い、集会に参加しました。職場では賃下げ攻撃が来ると家のローンが支払えないと不安の声が出されています。本当に頭にきます。
林 美佐枝さん(左)松本 芳恵さん(右)

▲福岡・北九州市職労

言わせろ!!

 連合は公務員賃金削減を認めましたが、それに追随しないたたかいが必要です。地域で奮闘したいと思います。
長谷部晋(はせべしん)委員長(左)

 震災復興を口実にした賃金削減や消費税増税は許しがたいです。高い議員報酬や年金を得て弱い者いじめをするなと言いたい。
吉崎正幸(よしざきまさゆき)副委員長(右)

▲北海道・自治労連豊浦町職労

主張
2011年夏季闘争

住民本位の復興、最賃改善・雇用確保・くらし応援を

 今年の夏季闘争は、問い直される公務労働のあり方と公務員の労働基本権回復、東日本大震災を理由にした憲法改悪と「構造改革」議論など、これまでとは異なる情勢のもとでとりくまれます。
 東日本大震災から3カ月にもなろうとする5月末、依然10万人余が避難所生活を強いられ、震災後の失業・休業者は約11万人余にのぼり、憲法25条や27条が満たされない生活が続いています。

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 今、被災者の住居、仕事、雇用の立て直しこそ急務です。ところが、菅政権は「創造的復興」の名のもとに、住居の高台への集団移転、農林水産業の集約化と大企業参入など国からの押し付け、大企業の利益優先の復興をめざそうとしています。また、「日本中で広く分かち合う」を合言葉にし、消費不況を拡大する消費税増税まで画策しています。さらに、宮城県知事の「復興特区での規制緩和」「道州制の先取り」など被災県の実情を無視した構造改革路線の旗振りも地域住民の想いとの矛盾を拡大しています。いまこそ直接住民と向き合い、住民合意の復興計画を国と大企業の負担で実施させる世論をつくる時です。
 今年の賃金改定も新たな情勢を迎えています。菅内閣は、協約締結権回復と人勧制度廃止の諸法案と合わせ、財政再建を口実に国家公務員の賃金を2013年度末まで5%〜10%削減する給与法案を6月上旬にも上程しようとしています。総務省交渉は山場を迎えていますが、自治労連は「財政再建が示されない」「消費低迷に拍車をかける」「労働基本権回復の具体的な姿が見えない」などの理由から反対しています。また総務省は「地方公務員への影響は遮断する」としていますが、財務省などの地方財政への波及の意図は露骨で、地方独自の財源である地方交付税などを確保する共同のたたかいが求められます。
 人事院は、延期してきた民間給与実態調査を6月24日から6週間余で、東北3県を除いて行います。1カ月半遅れる調査により、勧告時期が国・地方とも遅れる予想です。勧告にあたっては震災後の賃下げ傾向に追随せず、民間労働者や被災地の労働者の生活改善につながる勧告を公務からも求めることが重要です。秋季年末闘争を展望し、最低賃金時給1000円以上の実現、被災地をはじめとした雇用の確保などに全力を挙げ、国民のくらしを応援することこそ震災復興の要だという世論を大いに広げようではありませんか。


住民と向きあって

ここに輝く自治体労働者

陸前高田市

広報臨時号を連日発行
今のがんばりが新たなまちづくりへ

 岩手県陸前高田市は、市役所屋上にまで達する津波に襲われ、壊滅的な被害を受けました。いち早く仮設庁舎を立ち上げ、被災した1週間後の3月18日から広報『りくぜんたかた臨時号』を連日発行しています。

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「行政機能は生きている」と打ち出し、動き出した自治体の存在をアピールしました。そこには住民と向きあう自治体労働者の姿がありました。5月7日、広報担当である企画部協働推進室の大和田智広(おおわだともひろ)さんに話を聞きました。

▲被災して1週間後の3月18日から広報臨時号を連日発行している大和田智広さん

▲5月16日から臨時広報は自治労連が行政区長に渡しています。

広報でお返しを

 「自分が生き延びることができたのは、広報の仕事をしていたから」と大和田さんは話します。
 地震発生時は外出していて、揺れがおさまってすぐに職場に戻ると、上司から「市内の様子を記録してほしい」と言われ、高田高校裏の丘に登り、津波が来る前から海の様子を撮影していました。「僕は広報という仕事に助けられた。だから広報でお返しをしようと思いました。復興までどのくらい時間がかかるかわかりませんが、今のがんばりが、新たなまちづくりにつながると信じています」

住民相談をQ&Aに

 大和田さんの自宅は全壊し、車も流失してしまいました。被災直後からは災害対策本部で寝泊りをしています。震災翌日には避難所に「食料」や「灯油」を届け、4日目からは安否確認作業に取りかかりました。
 1週間ぐらい広報の仕事から離れていましたが、上司から「市民が情報不足を訴えている。広報の作成を」との指示がありました。この間、災害対策本部の窓口にも立ち、連日のように「食料は?」「ガソリンは?」「人工透析をやっているので通院のための給油券がほしい」など、切実な相談が寄せられました。「これらのニーズに応えるのは大変なことでした。寄せられた要望から広報に『住民相談Q&A』を掲載しました。特にはじめの10日間が体力的にも精神的にもきつかったです。原稿の最終校正が夜12時を過ぎることもありますが、朝6時前に起床し、第一中学校で2500枚を印刷します。避難所約90カ所分の仕分けをし、それを自衛隊が配布しています」

「毎号が楽しみ」

 「ありがたいのは、他課の女性職員がこの仕分け作業を毎日、朝早くから自主的に手伝ってくれることです」と笑顔になりました。
 毎号の情報は「各課を回って収集し、明るい情報が入るとすぐに自転車を飛ばします」と話します。「毎号、楽しみにしている」と市民から言われ、50号までは出そうと決意をしたそうです。5月31日で67号に。
 「広報を読む住民が応援してくださっているのでここまで続けてくることができました。亡くなった同僚も天国から私を応援してくれていると信じています」と新たなまちづくりに向け、今日も臨時号は住民の手へ届けられます。

▲5月16日からは企画部、復興対策局や税務課、市民環境課など窓口業務が第1仮庁舎へ移転

強く、懸命に〜 被災地・陸前高田市から

▲7万本の松が津波で流され1本だけ残った「一本松」。復興のシンボルにも

▲気仙町長部の「双六(すごろく)公民館」で津波で流されてきた拾得物を清掃するボランティア

▲気仙町長部の廃墟のなかで力強く泳ぐこいのぼり

「このまちの復興に携わりたい」

大槌町 まち唯一の仮設GS(ガソリンスタンド)で奮闘する新入職員

 
 岩手県大槌町も、庁舎や施設が全壊・流失し大きな被害を受けました。
 今年4月に大槌町職員として採用された災害復興室の松橋史人(まつはしあやと)さんはまち唯一の仮設ガソリンスタンドの運営に携わっています。ガソリンスタンドの経営者が「災害対策に」と燃料を全て寄付してくれたからです。

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 松橋さんは「生きているうちに津波を経験するとは思いませんでした。被災当初はガレキの撤去や人命救助などのボランティアをやっていました」と振り返ります。
 被災直後の混乱のなかで職員になった松橋さんは「住民から要望がたくさん寄せられ、対話の場が増えました」と話します。「学生の時、まちを離れてくらしてみて、このまちが好きだとわかりました。帰ってくると落ち着くんです」
 取材中「緊急車両です」と声がかかりました。松橋さんの出番です。

▲緊急車両に給油する松橋史人さん

住民の安全・安心を守る消防職場に

いまこそ消防職員に団結権を

 4月28日、広島高裁岡山支部は、岡山「東備消防職員協議会」妨害差止め等請求控訴審判決で、「結社の自由」を侵害したとして、当局に賠償金の支払いを命じました。2001年10月に結成された同協議会を嫌悪した当局に対し、活動の正当性について司法的確認を求め2005年に提訴していました。一審は敗訴しましたが、今回の逆転勝利判決は、消防職員の団結権回復へつながる一歩となります。

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逆転勝利判決

 今回の判決は、団結権が不当に禁止されている消防職場で、自主的団体の活動の正当性を認め、「結社の自由を侵害する」違法行為であることを司法の場で断罪しました。
 「違法団体」との誤った非難がなされていた東備消防職員協議会について、当事者能力を認める一審判断を維持し、「相当の無形の損害を被った」として、損害の支払いを当局に命じています。
 憲法21条は「集会や結社の自由」を保障しています。地方公務員法52条5項で制約されているのは、消防職員が「団体交渉を前提とした団体を結成すること」であり、消防行政に関わる研究会をつくったり、勤務条件の改善や消防力の充実について集会を開いたり、グループや団体を結成したり、みんなで話し合った結果を当局に要望することは当然、合法的なことです。

▲勝利判決報告集会。左から、高坂能さん、上河(うえかわ)正見さん、近藤幸夫弁護団長、作花(さっか)知志弁護士

団結権回復の熱い想いは誰にも消せません

 今、消防職場では、財政難からくる職員定数削減や、ポンプ車をはじめとした機材や備品の不足、施設の不備が深刻になり、市町村合併や救急医療の広域化による救急車の移動範囲の広がり、さらには消防力の低下につながる「消防の広域化」の動きが進んでいます。国が定めた「消防力の整備指針」に照らしても消防職員の充足率は75%(2009年調査)で人員不足になっています。
 ILO第87号結社の自由及び団結権の保護に関する条約を批准している国で消防職員に団結権を禁止しているのは日本だけです。
 消防職員に団結権があれば、現場を一番よく知る消防の専門家として労使双方が話しあうことで、消防の広域化や救急医療体制の問題の解決をはかり、安全・安心を守ることにつながります。
 東日本大震災の復興支援で、消防職員ネットワークの仲間たちも行政支援やボランティアで現地に入り奮闘しています。「住民の安全・安心」を守り発展させる想いは、自治体や公務公共の職場で働く私たちと同じ想い・願いです。
 自治労連は、消防職員の自主組織である「消防職員ネットワーク」とともに、広域化や救急医療体制の問題点を住民に知らせ、消防署、職場改善をめざす運動を職場・地域一体となってすすめてきました。引き続き労働基本権回復議論においても、消防職員の団結権回復を求めるとりくみを強めていきます。

消防職員ネットワークとは?

 住民の生命・身体・財産をあらゆる災害から守るためには、地域住民とともに消防力の強化、充実をしなければなりません。そのために、全国の消防職員が集い、語り合い、情報交流できるネットワークづくりを目的とした消防職員の自主的組織です。1997年5月に京都市内で結成され、現在、約1000人の消防職員が加入しています。

▲岩手県気仙町でガレキの撤去作業に奮闘する京都・宇治消防の仲間

「新システム」では子どもを守れない

5・22保育緊急集会

国は保育の公的責任・最低基準の強化・拡充を

「よりよい保育を!実行委員会」が主催した「新システム反対! 5・22緊急集会」が、東京・芝公園で開催され、政府が導入しようとしている「子ども・子育て新システム」に反対し、「被災地の子どもに保育の保障を」「待機児解消と保育充実を」のスローガンのもと、全国から1600人が結集しました。

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 開会あいさつで、自治労連の山口祐二副委員長は「国は『子ども・子育て新システム』の導入で保育の市場化を狙っている。企業の参入・撤退も自由となる。貧困と格差が進むなか、子どもの保育を受ける権利すら奪われかねない。『新システム反対』の声を全国からあげていこう」と訴えました。続いて、実方伸子全国保育団体連絡会事務局長は「子ども・子育て新システムは、6月にまとめられる『社会保障と税の一体改革』の重要な柱の一つと位置づけられている。その歩調に合わせながら、5月中にもまとめ、一気に国会上程を狙っている」と情勢報告。東日本大震災に触れながら「今回の災害で保育所の機能の重要性が改めて明らかになった。その土台になっているのが公的責任や最低基準を柱にした現行保育制度。現行制度の強化・拡充が必要。国会請願署名をさらに広げていこう」と呼びかけました。
 集会後、パレードを行い、途中から雨が激しくなるなか、子どもたちも一緒に「保育は福祉でオッケー オッケー」「保育で金儲けはノーサンキュー」などと道行く人に元気にアピールしました。
 翌23日には、院内集会と「新システム」の問題点を議員に訴える国会要請行動を実施しました。

▲「保育園が好きな人?」「ハーイ!!」

参加者の声

子どもの笑顔奪う新システムは反対

神奈川・鎌倉市職労 河口 美乃さん

 被災者の話を聞いて、いま国がやるべきことは保育園などの再建をいち早く行うことです。新システムのなかで、子どもたちを守ることができるかどうかあらためて考えさせられました。子どもたちの笑顔は元気のもとです。笑顔を奪う新システムは反対です。


保育士の配置基準を一日も早く改正して

子どもの元気がいちばんの救い

 

 5月7日、岩手県陸前高田市の公立高田保育所の熊谷恵子園長に話を聞きました。同保育所は、津波で保育所が流失し、現在は旧米崎保育園を借りて運営しています。熊谷園長は、「保護者から届いた『子どもを救ってくれてありがとう』の手紙に力をもらって、やっと一歩を踏み出せそうです」と話してくれました。

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 「子どもを守るだけで精いっぱいだった。電話も電気も切れました。急いで持ち出したのは、ハンドマイクでした。南側の保育室の職員が、外の様子を見ると、遠くに土ぼこりのようなものが…。津波だと気づき、みんなに声をかけて、一気に逃げました。後ろを見ると、『どっと、どっと』とガレキが押し寄せてきます。そばにいた人が『後ろを向くな、走れ、走れぇ』と叫びました」と熊谷園長は当時を振り返ります。
 「いったいどこまで走ったら助かるのかと思い、ずっと前を見ると、子どもたちが遠くに走っていて、ホッとしました」
 震災当日の夜には送別会が予定されていたので職員は25人いました。地震後、お迎えが来ていない子どもが32人。背負ったり、手を引いたり、何とか乗り切りました。
 熊谷園長はあらためて「今の保育士の配置基準では、大きな災害があった時に子どもたちを助けられません。せめて0歳児2人に対し保育士1人、1歳児3人に対し保育士1人の配置は必要、一日も早く職員配置基準を改正してほしい」と強調します。
 「子どもたちは、まだ元気がありません。今の施設に慣れていないのです。『物資』とか『避難』、『津波に流されちゃった』といった言葉が出てきます。入所式もないスタートでしたが、これからは、心がいやされる行事を企画していきたい。今は子どもたちが元気に来てくれることが救いです」と語ります。

▲童話「ぐりとぐら」の話に聞き入る園児たち

50歳代は800万〜900万円に

静岡で最低生計費シンポジウム開催

賃上げ・社会保障拡充のために
生かそう最低生計費試算運動

 自治労連も主体的にかかわって各地でとりくまれている最低生計費試算運動が、全国的に大きな影響を与えています。静岡では昨年の若年単身世帯に続き、50歳代4人世帯の最低生計費が約800万円以上であることも発表し、30代、40代の試算も大詰めとなるなか、シンポジウムが静岡市内で開催されました。

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 試算運動で示された「若年単身世帯の最低生計費は首都圏も東北地方も差がない」という結果は、2010年の中央最低賃金審議会での議論に大きな影響を与え、「全国で前年より10円以上アップ」「2020年までに最賃を時給1000円以上」という画期的な政労使合意が示されました。
 4月29日に行なわれたシンポジウムでは、最初に静岡県労働研究所(以下、労研)主任研究員で県立短大講師の中沢秀一氏が基調報告を行いました。中沢氏は若年単身世帯、50歳代の最低生計費試算結果の概要について「首都圏の900万円と静岡との約100万円の差は、仕送りの有無と大学の教育費が公立か私立かであることが大きい」と説明し、シングルマザー世帯の最低生計費についても報告しました。
 続いて静岡労研所長で静岡大学教授の布川日佐史氏がコーディネーターを務め、全労連の伊藤圭一調査局長、パート臨時連絡会の佐伯かをり代表、静岡自治労連の林克委員長の3人がパネリストとして発言しました。
 伊藤氏は「最賃は、つい相場で考えてしまいがちだが、そうした『支払い能力論』ではなく、労働者の生活目線、つまり『生計費』で考える必要がある」と述べました。また、林委員長は「社会保障が拡充されれば生計費を担うことができる。教育・住居・医療など、第2の賃金である社会保障に目を向けよう」と訴えました。
 会場からは「職業・産業別最低賃金制度への展望を」などの意見も出され、人勧制度廃止の情勢のなか、公務員賃金を考えるうえでも視野が広がるものとなりました。
 今後も最低生計費試算運動をすすめ、最低賃金の引き上げだけでなく公契約運動や公務員賃金を改善する運動に積極的に活用していきましょう。

25歳単身男性世帯 各地の生計費比較表

  静岡県
(静岡市)
東北地方
(北上市)
首都圏
(さいたま市)
  賃貸アパート 1K 25平方メートル
消費支出 175,004 171,818 174,406
食費 40,150 40,822 39,564
住居費 42,000 30,000 54,167
光熱・水道 6,993 9,017 6,552
家具・家事用品 2,686 3,490 3,881
被服・履物 5,838 5,385 7,548
保健医療 2,420 2,465 2,465
交通・通信 40,082 41,683 18,214
教育 0 0 0
教養娯楽 15,417 18,145 18,273
その他 19,418 20,811 23,742
非消費支出 44,853 42,603 42,395
予備費 17,500 17,000 17,000
最低生計費(税抜き) 192,504 188,818 191,406
(税込)月額 237,357 231,421 233,801
(税込)年額 2,848,284 2,777,052 2,805,612
時給額 1,366 1,332 1,345

(注)非消費支出には、所得税=4,600円、住民税=8,869円、
社会保険料(厚生年金+協会けんぽ+雇用保険)=31,384円を含む。

▲社会保障拡充と試算運動について発言する林委員長

ともにたたかう仲間です

新規加入組合紹介

 「自治労連第43回中央委員会」(5月13日〜14日、大阪開催)で承認された10組合を紹介します。ようこそ自治労連へ!

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三重 とことめの里労働組合

組合があってこそ職員の安心がある

 津市の複合温泉施設で働いています。運営形態の見直しが提案され、津市役所の組合に相談すると「非正規の方は…」と断られました。温泉施設は訪れる人々の心身を癒す場所。組合があってこそ、働く職員の安心があり、「癒しの心」も見えると思います。

▲別所英昭執行委員長

三重 希望の里職員労働組合

利用者本位の介護と施設の拡充めざします

 職場は4月にオープンした特別養護老人ホームです。利用者が希望を持って生活できる、利用者本位の介護を目標にしています。介護職場で働く労働者の労働条件向上と介護施設の拡充、介護保険制度の充実をめざし、奮闘したいと思います。

▲小倉文子執行委員(左)と川北速美書記長

石川 消費生活相談員ユニオン石川

北陸3県で初めて生活相談員の組合

 消費生活相談員は知識と経験が必要とされる専門職でありながら、全国の9割以上が非正規職員で雇い止めの不安にさらされています。怒りの声をあげ、仕事に誇りを持ち、ともにがんばりましょうと呼びかけます。

▲朝倉春夫書記長

愛知 自治労連春日井市学校給食会労働組合

正当な賃金を求め喜ばれる給食を

 4年前、分会としてスタートし、正当な賃金を求めて当局と交渉を続けてきました。みなさんに支えられ、本日ここにいます。単独組合となったこれからも、春日井市内の児童・保護者から喜ばれる給食をつくれるように日々精進していきたいです。

▲礒脇秀宏(よしひろ)執行委員長

兵庫 西藩(せいばん)地域地場産業振興センター労働組合

通らない非正規の声 組合結成で要求実現を

 組合員15人のうち正規職員は1人しかいません。労働条件の改善を求めて声をあげても、非正規だということで意見が通りにくい状況です。組合ができ、公式に意見が言えるようになったことが大きな成果です。

▲鈴木新之助書記長(左)と松原百合江会計

奈良 香芝(かしば)市民図書館労働組合

仲間を増やし雇用継続を守りたい

 図書館司書をしている臨時職員が3月末で雇用を打ち切られ、奈良自治労連に相談に来ました。雇用継続を守るためには労働組合を結成し、団体交渉することが必要であると訴えました。解決にはまだ時間がかかりますが、仲間を増やし、がんばります。

▲吉兼(よしかね)重雄組織拡大専任者

岡山 井原市管理職ユニオン

地域住民のために働く大切さに心寄せ

 東日本大震災で自治体労働者が住民のいのちを救うために奮闘する姿に、その職に対する誇りや宿命を感じています。地域住民のために働くことが、どれほど大切で大変か、ユニオンに寄せる気持ちを高めています。

▲坂川伸子組織拡大専任者

福岡 自治労連北九州市水道検針員労働組合

築き上げた労働条件崩すことは許さない

 3年前、職員・検針員の入札制度による委託提案がされました。私たちは北九州市職労の部会として活動していましたが、これまでに築き上げた労働条件を守るために組合を結成しました。一人でも多くの仲間を増やし、たたかっていきたいです。

▲近藤誠治副執行委員長

福岡 福岡市立病院職員労働組合

これからは自分たちでたたかいをすすめます

 昨年から独立行政法人に移行し、福岡市職労病院支部として活動してきましたが、独立することをみんなで確認し合いました。これからは自分たちで、公的医療、そして労働条件を守るたたかいをすすめていきます。

▲高村美保執行委員長(左)と赤星学副執行委員長

福岡 自治労連北九州上下水道協会労働組合

組合員の職場とくらしを守るために

 4月25日、上下水道協会の料金センター職員を中心に41人で結成いたしました。料金センター従業員の雇用と労働条件の維持・改善などを活動方針にかかげ、組合員の職場とくらしを守る運動を積極的にすすめたいと思います。引き続き、指導ねがいます。

▲田中均(ひとし)執行委員長(左)と峰松伸一書記長


今月の連載・シリーズ

悠湯旅情 第129湯
自由律俳句の俳人・種田山頭火 山口県防府市
「うしろすがたのしぐれてゆくか」
酒を愛し、行乞の旅を続けて

My Way My Life (131)
高知・南国自治労連 吉岡 早代さん
自分でつくった野菜は愛おしい

日本列島 おどろき・おもしろミュージアム 第112館
福島県会津若松市 白虎隊記念館
戊辰戦争が引きおこした悲劇を伝える史料館

うレシピ 第1品
広島市職労 山脇 慶子さん
長芋の生ハム巻き