2018年11月2日

書記長 中川 悟

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設にかかり、8月30日に沖縄県が行った埋め立て承認撤回処分に対し、沖縄防衛局が国土交通大臣に対して申し立てていた執行停止について、10月30日、石井国土交通大臣は承認撤回の執行停止を決定した。

 これは、2014年の沖縄県知事選挙やこの間の数度にわたる国政選挙、そして9月30日の沖縄県知事選挙や、それに続く豊見城市、那覇市の市長選挙で示された沖縄県民の圧倒的な民意を踏みにじる暴挙であり、満身の怒りを込めて抗議するものである。

 

 埋め立て承認撤回の理由として、石井国土交通大臣は「普天間飛行場周辺の危険性除去や騒音被害防止を早期に実現することが困難になるほか、日米同盟にも悪影響を及ぼしかねないという外交・防衛上の不利益が生ずる」と記者会見で述べた。これは、くり返し示されている民意よりも、辺野古への新基地建設を優先すると公然と宣言したものである。

 また、防衛省が、埋め立て承認の条件に違反して、貴重な自然資源の保護策を講じず、さらには、米国の定める高さ制限や国内航空法にも抵触する多数の建造物があることや、新たに判明した大浦湾の活断層や軟弱地盤の対策も行っていないなどの不法行為について、何も触れることなく、沖縄防衛局の申し立てを認めたものである。

 この承認撤回の執行停止の決定をうけ、沖縄防衛局は11月1日に辺野古新基地建設工事を再開した。不当な決定にもとづく、民意を一顧だにしない新基地建設工事の再開に強く抗議する。

 

 そもそも、今回の埋め立て承認撤回の執行停止は、沖縄防衛局という行政機関が申請したものであり、それを、国民(私人)の権利救済を目的として行政機関を相手方とする行政不服審査法を用いて国土交通大臣に執行停止を求めること自体、法の趣旨を逸脱した不法行為である。

 翁長雄志前知事が2015年に承認の取り消しをした際にも同じ手法が採られた。しかし、2016年に改正された行政不服審査法の7条2項で「行政機関を相手方とする処分については適用除外である」と明示されており、国土交通大臣の決定は法解釈をねじ曲げて不法行為をさらに重ねるものであり、断じて認められない。この不服審査請求と執行停止申し立てに対して、110名の行政法の学者が制度の濫用を厳しく批判していることは言うまでもない。今回の手続きは、政府による自作自演のきわめて不当な決定と言わざるを得ないとともに、地方自治の本旨に反する行為であることは明白である。

 

 安倍政権が行政不服審査法を濫用してまで辺野古への土砂投入を急ぐのは、安倍政権が追いつめられていることを示している。私たち自治労連は、「辺野古に新基地はつくらせない」という民意を示した沖縄県民と固く連帯し、「普天間基地の即時閉鎖・撤去と辺野古新基地建設反対」の運動をさらに強め、立憲主義を無視し、地方自治を破壊する安倍政権と対峙して、わたしたち国民のいのちとくらし、民主主義と平和を守る運動を全国で広げていく決意をあらためて表明するものである。

以上