2018年7月2日

書記長 中川 悟

 安倍政権は、交渉からの離脱を表明した米国を除く11ヶ国による3月のTPP11(環太平洋連携協定)の合意を主導したばかりか、その内容について国民に十分な説明責任を果たさないまま、6月13日に協定の批准案を強行成立させ、6月29日の参議院本会議において、自民党、公明党と日本維新の会などによる賛成多数、数の論理でTPP11関連法を強行成立させた。

 

 ひとたびTPP11が発効すれば、住民にとっての“食の安全”の維持はもとより、関税撤廃による輸入拡大が低い水準に留まる食糧自給率(カロリーベース)をさらに押し下げ、この国の風土や文化と固く結びついている地域農業・家族経営型農業を衰退させることにつながる。これは地方自治の観点からも中山間地域を中心に進む過疎化に拍車をかけ、地産地消の推進など、地域経済の適正な循環を阻害するものに他ならない。

 以前、はからずも自民党自身が「うそつかない、ぶれない、TPP断固反対」と選挙公約に掲げたように、関税撤廃、非関税障壁の緩和に伴う国内農業への影響は計り知れず、TPP11においても関税撤廃の凍結事項は極めて限定的でしかない。この点からも、政権を担う自民党のまやかしと変節を、国民と農業従事者に対する裏切りと厳しく弾劾するものである。

 

 また、いうまでもなくTPP11の内容は農業分野のみに留まらず、税関や検疫、金融や特許、労働や環境等あらゆる分野に及ぶ。

 すでに施行された主要農作物種子法の廃止、今国会で成立したPFI法の「改正」・働き方改革関連法、審議中の卸売市場法・水道法の「改正」など一連の法「改正」は、安倍政権が遮二無二にすすめる「世界で最も企業が活動しやすい国」づくりに向けた「国によるグローバル大企業のための規制緩和」の一環であり、それらが憲法に定められた国民の権利を阻害し、地方自治・住民自治を矮小化させる狙いがあることも厳しく指摘せざるを得ない。

 

 自治労連はこれまで、中央、地方組織で「ストップ!TPP11」を訴え、各地で農民連や全農協労連など広範な団体との共同を広げ、全国食健連の取り組みに参加したたかってきた。現在もTPP11発効等に反対する世論は、立場の違いを超えて広がり、各地で「主要農作物種子生産に係る条例」や「農業者戸別所得補償制度」を求める運動、地産地消や食育の大切さを伝える「給食まつり」などの取り組みにつながっている。

 自治労連は、国民のいのち、くらし、安全を破壊し、地方自治・住民自治を歪めることとなるTPP11の発効に断固反対し、地域に根差した地域型農業の発展を求め、安心して暮らせる地域の実現に向け、広範な国民と共同を広げてたたかうものである。

以上