国民への公約を裏切り、TPP交渉参加に踏み出した安倍首相に断固抗議する(談話) 

2013年2月25日
日本自治体労働組合総連合
書記長 猿橋 均

 安倍首相は2月24日、アメリカのオバマ大統領との会談で、TPP(環太平洋連携協定)交渉について「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」とし、「なるべく早い段階で決断したい」と交渉に参加する意向を表明した。国民のくらし、地域経済、農業、食の安全、医療を根底から破壊するTPP交渉へ安倍首相が参加に踏み出したことに対して、自治労連は怒りを込めて抗議する。

 自民党は先の総選挙で、TPP交渉について国民に対し、①「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り交渉参加に反対する、②自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない、③国民皆保険は守る、④食の安全安心の基準を守る、⑤国の主権を損なうようなISD(投資家対国家紛争)条項は合意しない、⑥政府調達・金融サービス等はわが国の特性をふまえると、6項目にわたる公約をしていた。日米首脳会談後に発表された共同声明は「交渉に参加する場合にはすべての物品が交渉の対象にされる」「包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認する」と言明しており、関税と非関税障壁の撤廃が原則であることを明確にしている。アメリカと自由貿易協定(FTA)を締結した韓国では、米国自動車会社の圧力で自動車の二酸化炭素(CО2)規制が先送りにされるなど、韓国国民の生活と安全に重大な影響を与えている。安倍首相が国民への公約を守るのであれば、TPP交渉には絶対に参加できないのは明らかである。TPP交渉への参加に踏みだした安倍首相に対して、JA全中・萬歳会長が「われわれの信頼を裏切るような判断を絶対にすべきではない」と抗議の声明を発表するなど、各界、各団体から怒りの声が沸き起こっている。

 自治労連はこれまで全労連、民主団体とともに中央、地方組織で「TPPへの参加反対」を訴え、広範な団体との共同を広げてたたかってきた。反対の世論は、立場の違いを超えて大きく広がっている。地方議会では44の道府県議会、8割を超える市町村議会で「参加反対」「慎重審議」を求める意見書が採択されている。「反対」の世論は政権与党の中にも広がり、自民党の「TPP参加の即時撤回を求める会」に参加する国会議員は6割を超えている。

 安倍内閣が今後、TPP交渉への参加に突き進めば進むほど、広範な国民との間に矛盾が拡大することは避けられない。自治労連は、国民のくらし、経済、農業、食の安全、医療をまもり、アメリカと財界言いなりの政治を転換するために、引き続きTPP参加阻止に向けて広範な国民との共同を広げてたたかうとともに、7月に行われる参議院選挙で、安倍内閣をはじめTPP参加を推進する勢力に国民の厳しい審判を下すために奮闘するものである。

以上