児童福祉法第24条第1項の市町村「保育実施義務」に基づく、認可保育所の増設・公的保育の拡充こそが緊急の課題

「子ども・子育て支援新制度」の施行にあたって 

2015年4月1日

日本自治体労働組合総連合

書記長 中川 悟(談話)

 

 これまでの保育所、幼稚園のそれぞれの制度のあり方を大きく転換する「子ども・子育て支援新制度」(以下、「新制度」)が4月から実施された。新制度に向けての国の対応は遅れに遅れ、その実施主体である市町村は、制度そのものや、運用についても不透明な点が残されている新制度を、不安を抱えたまま準備することを強いられ、3月に説明会を行った自治体で、現場の疑問に答えることができないなどの状況が生まれる中で実施された。

「新制度」は、①市町村の責任による保育と直接契約による保育という二つの異なる仕組みが混在すること、②保育の基準が10種類以上に分かれている施設ごとに異なること、③待機児童の解消につながらないこと、④保護者の金銭的な負担が拡大すること、⑤保育・子育てへの企業参入が進むことなど多くの問題を抱えたままの実施である。今求められるのは、認可保育所への入所という多くの保護者の願いに応える、児童福祉法第24条第1項の市町村「保育実施義務」に基づく、認可保育所の増設・公的保育の拡充こそが緊急の課題である。

 4月から本格実施された「新制度」が保育を利用する子どもたちの成長・発達、保護者の安心、保育所で働く職員の働き甲斐を保障するものとなるよう国に対し、次の4点について緊急の改善を求めるものである。

1.待機児童解消に緊急の措置を取ること。市町村の保育実施義務を果たせるよう、自治体任せにせず、国が責任をもって、認可保育所増設を基本にすえた事業計画を安定的に実施できるようにすること。

2.保育士を確保すること。保育所整備のうえで大きな障害となっている保育士の確保のために保育士の抜本的な処遇改善と正規化への仕組みを作ること。

3.保護者に新たな負担を押し付けないこと。国の定める高すぎる保育料徴収基準を改め、多子世帯への保育料無料・軽減措置こそ必要である。

4.どの子にも行き届いた保育環境を保障するため、公定価格そのものの見直しを行うこと。示された公定価格が現行制度と比較しても保育所運営を困難にした事態を招いているなど不十分な単価である。必要な財源を確保し、改善すること。

 自治労連は、4月に実施されるいっせい地方選挙で住民が安心して住み続けられる住民本位の自治体を建設し、住民が主人公の地方自治の実現、国政の転換につなげる運動を進めるとともに子どもの幸福、保育の充実を願うすべての住民、団体と手を結び、待機児童解消をはじめ新制度による国・自治体の公的保育後退を押し返し、国民との共同の力で、よりよい保育を実現するため全力を挙げる決意である。