“疑惑隠し”の冒頭解散は憲法違反、市民と野党の共闘で安倍政権倒す歴史的チャンス

― 要求実現のためにも、政治を変えよう ―

2017年9月27日

書記長 中川 悟

 

 安倍首相は、野党の臨時国会開会の要求を口実に、28日に国会を開会するも、一切の審議を行わず、冒頭解散すると表明した。

 臨時国会召集は、森友学園への国有地売却、加計学園による獣医学部新設、防衛相・自衛隊の日報隠しなど安倍政権をめぐる疑惑追及のため、野党が憲法53条に基づいて要求していたものである。それを3か月もたなざらしにして、野党に追及の機会を与えず、招集した途端に冒頭解散を行うならば、憲法違反、権力の私物化、党利党略を通り過ぎ個利個略そのものである。

 安倍首相は25日の記者会見で、消費税の使途変更や北朝鮮問題を捉えて、「国難突破解散」としている。しかし、民主主義の根幹である国会の議論を軽んじ、憲法と立憲主義を蔑にする、そんな首相の政治姿勢こそ「国難」と言わざるを得ない。今度の総選挙の最大の争点は、そんな5年間の安倍政権の政治姿勢をこのまま続けさせるのかどうかが問われる選挙である。

 同時に、森友・加計疑惑や憲法違反の様々な悪法を強行採決してきたことに対する国民世論に追い詰められた中で、いちかばちかの解散・総選挙に打ってでるものである。

自治労連は、解散の大義も、総選挙の争点の大義もない安倍政権に満身の怒りを表すとともに、安倍政権を退陣に追い込む歴史的なチャンスが到来したと捉え、全国の自治体公務公共労働者に総選挙での奮闘を呼びかけるものである。

 

 今度の総選挙の意義の第一は、自治体公務公共労働者にことごとく劣悪な労働条件を強いてきた、長年の安倍・自民党政治に審判を下し、「正規職員が当たり前の公務公共職場」の実現、「8時間働けば普通に暮らせる社会」の実現に向けて奮闘することである。

 この間、「三位一体改革」をはじめとする地方財政破壊と「集中改革プラン」などにより、自治体正規職員は22年連続で54万人が削減され、64万人にも及ぶ臨時非常勤職員によって住民サービスが支えられてきた。その結果、正規職員には長時間労働と健康破壊が、非正規労働者には劣悪な労働条件と不安定雇用が強いられてきた。加えて、「給与構造改革」と「給与制度の総合的見直し」により、地域間の賃金格差を深刻なまでに広げるとともに、地公法・自治法「改正」により、今また非正規の拡大が危ぶまれている。さらに安倍政権は、まやかしの「働き方改革」により一層の長時間労働を強いようとしている。

 第二は、国政・行政・憲法の私物化を許さず、憲法99条に基づき憲法遵守義務を負う自治体労働者が、日本国憲法の全条文を「まもり、いかす」政治を取り戻すために奮闘することである。

 「森友・加計疑惑」で問われたことは、「すべて公務員は全体の奉仕者であり、一部の奉仕者ではない」とする憲法15条をないがしろにし、公務労働者を時の政権の一部の奉仕者におとしめることにより、国政・行政を歪めたものである。

 北朝鮮問題では、米トランプ大統領と金労働党委員長の威嚇の応酬が止まらない。もし偶発的な衝突が起きれば本格的な交戦になりかねない。対話を否定し、日米軍事一体化、「戦争法」発動、大軍拡を進めようとする安倍政権の態度は極めて危険である。加えて、安倍政権は憲法9条に自衛隊を明記し、9条そのものを死文化しようとしている。「自衛隊を海外の戦場に送ってはならない」は広範な国民の思いである。

 さらに、「戦争する国」づくりのための、沖縄、原発、社会保障破壊を阻止し、地方自治、幸福追求権、生存権が守りいかされる国づくりが求められる。

 第三は、7月7日に核兵器禁止条約が採択され、核兵器廃絶を求める世界の本流に加わり、その先頭にたつ政府をつくるために奮闘することである。

 8月の広島・長崎での平和祈念式典に参加した安倍首相が禁止条約に署名しないと明言したことに、「あなたはどこの国の総理か」と被爆者、そして国民は失望した。加えて日本政府は、高校生平和大使の国連軍縮会議での演説を封殺した。核保有国と非核保有国との「橋渡し役」どころか、妨害する立場を鮮明にしている。全自治体の96%にあたる市町村加盟の平和首長会議も「ヒバクシャ署名」に賛同・協力を表明していることからも、核兵器廃絶の流れを地域からつくりだしていくことが極めて重要となっている。

 

 総選挙は、議員定数289の小選挙区と全国11ブロックの議員定数176の比例区の合計465の定数の争いとなる。小選挙区・比例区ともに、こうした私たちの要求を掲げて取り組むこととあわせ、とりわけ、小選挙区では、市民と野党の共闘を発展させることが極めて重要である。

 市民と野党の共闘は2年間で安倍政権を倒しうることが実証された。昨夏の参院選では32の一人区すべてで野党統一候補が実現し、11で勝利し、続く新潟県知事選、仙台市長選でも勝利した。この間の野党共闘は「戦争法」に反対する空前の市民の運動の中から沸き起こった「野党は共闘」の声に応えて始まった。改めて、中央・地方で野党共闘に向けて力を尽くし、野党共闘の意義を職場・地域で大いに広げよう。

 すべての自治体公務公共労働者に投票権行使を呼びかけ、「“疑惑隠し”の冒頭解散は憲法違反」、「市民と野党の共闘で安倍政権倒す歴史的チャンス」、「要求実現のためにも、政治を変えよう」と、訴え尽くそう。

以上