2012年2月21日

社会保障を切り捨て、消費税増税に道を開く「社会保障・税一体改革」大綱の閣議決定に抗議し、関連法案の成立阻止に向け全力で奮闘する


日本自治体労働組合総連合
書記長 猿橋 均

野田内閣は17日、社会保障の削減と消費税率の引き上げを盛り込んだ「社会保障・税一体改革」大綱を閣議決定した。政府は大綱を受け、3月末までに消費税増税法案を国会提出することを狙っている。

大綱には、現行5%の消費税率を2014年4月に8%に引き上げ、さらに15年10月に10%まで引き上げることが明記され、逆に、法人税については一層の引き下げを「検討する」と記されている。また、「税制改正」については、「今後5年を目途に、そのための所要の法制上の措置(次の改革)を講じることを今回の改革法案の附則に明記する」としており、これは天井知らずの消費税増税に道を開くことを意味する。

社会保障分野では、物価下落を理由に年金支給額を引き下げることや、70~74歳の医療費患者負担の増額を検討することを盛り込んでいる。同時に、野田政権は消費税率引き上げに向けて「国民の納得と信頼を得るため」との口実で「衆議院議員定数を80削減する法案等を早期に国会に提出し、成立を図る」ことや、国家公務員賃下げ法案の「早期成立」などの方針を掲げた。この政府方針は、消費税増税で約13兆円、社会保障の切り捨てと合わせれば20兆円もの負担を国民に押し付けるものであり、国民に消費税増税への不安と怒りが広がりつつある。このことは、新聞各紙の世論調査にも表れており、軒並み「反対」が「賛成」を上回っている。全国消費者団体連合会は、「若い世代は消費力も税金を納める力もなくなっている。そこにお金を出せというのはあまりにも酷。もっとお金を持っている人が出す仕組みをつくるべき」と意見表明している。消費者だけでなく、企業の経営者からも景気への影響を懸念する声が上がっている。特に、消費税を価格に転嫁できない中小業者への影響は深刻である。また、清水信次・日本チェーンストア協会会長は、「財務省は、国の借金が多い、財政がもう危険だと言い立てるが、日本には巨額の資産があるのでもっと国債を発行しても大丈夫だ。国民を脅すのは許せない」と政府・財務省の姿勢を避難している。大分県の広瀬勝貞知事は定例記者会見で、政府が閣議決定した社会保障と税の一体改革に関連し、「社会保障については、あまり方向性が見えない。税のところだけは、はっきりしているような印象だ。何が一体改革だということになる」と苦言を呈した。与党内でも不協和音がある。国民新党は、最低保障年金を導入した場合、追加の消費税増税が必要になるとした試算によって「社会保障と税が一体になっていないことがばれてしまった」と指摘し、意見を異にしながら、政権維持のために野合していることを自ら露呈した。野党の自民公明も、比例定数削減等で国民そっちのけの党利党略の駆け引きをしている。

住民が主人公の社会を目指す自治労連は、2012国民春闘において、「本当に負担すべきは誰なのか」を、真剣に議論し、「先ず、軍事費や不要不急の公共事業、政党助成金などのムダを削り、大企業・富裕層への応分の負担を求めれば、消費税に頼らずに社会保障を拡充することは充分可能である」ことを全体で確認した。自治労連は、全労連・国民春闘共闘の仲間とともに、あらゆる機会、あらゆる場面を通じて総対話・宣伝活動を行い、「社会保障・税一体改革」の実体が、「消費税増税と社会保障の一体改悪」であることを国民・労働者の前に明らかにし、その関連法案の提出阻止、成立阻止に向けて全力で奮闘する。

(以上)