「貧困なくせ」の共同を広げ、生活保護基準の復元とともに、生活保護法改悪の動きを許さないたたかいを地域から広げよう(談話)

2013年7月26日
日本自治体労働組合総連合
書記長 猿橋 均

 自民・公明・民主の3党は、2012年8月に「消費税増税法案」とともに「社会保障制度改革推進法」を強行し、憲法25条に定められた国民生活に対する国家責任を投げ捨て、社会保障を「権利」から「自己責任」「自助・共助」に変質・解体することを狙っている。その突破口として、いわれのない生活保護バッシングが展開され、今、その具体化として、生活保護基準の大幅引き下げと、生活保護法の大改悪が進められようとしている。

 本年8月からの生活保護基準の引き下げは、生活保護制度利用世帯にとっては、平均6.5%、最大10%引き下げられ、全世帯の96%に影響が及ぶものである。加えて、ただでも低い生活困窮者への生活保護制度の捕捉率が引き下げられ、制度からの排除が進むという重大問題を持っている。
 さらにその影響は、最低賃金や就学援助、各種制度の減免基準、住民税課税最低限度額への影響を通じ40種類に及ぶ制度が影響を受け、一般世帯の生活にも広く及ぶことから、当事者や支援団体はもちろん、マスコミも批判を広げている。

 こうしたことから、当事者・支援団体を中心に、8月以降、生活保護基準引き下げに対し、全国で大規模な「不服審査請求」や「訴訟」を広げることが呼びかけられている。

 自治労連は生活保護制度を直接的に担う窓口に立つ労働組合として、これまでも、「制度の利用に罪悪感や劣等感を負わせることなく、保護が必要な人に権利として行き渡らせる」ことが、私たちの職務であることを呼びかけてきた。また、今回の保護基準の引き下げに対しても、国民の生活を支え守る立場から、断固反対であることを明らかにしてきた。

 生活保護基準引き下げに関わる「不服審査請求」や「訴訟」は、直接的には福祉事務所の決定に対して異議を申し立てるものとなるが、この運動を「住民と自治体」の間の対立関係としてとらえるのではなく、憲法25条に基づく、国民の正当な権利行使としてとらえることが重要である。

 改めて、政府による生活保護敵視政策の狙いや、住民生活への重大な影響について、職場で学習・議論を進め、住民生活を支えるに足る職場体制の確立の取り組みとあわせ、住民や支援団体との共同を広げる取り組みを進めよう。

 生活保護制度をめぐっては、基準引き下げ問題と合わせ、保護を必要とする人を窓口で追い返すことを狙った「生活保護法改悪」の動きが具体化されている。先の通常国会では、当事者団体や「STOP!生活保護基準引き下げアクション」などの市民運動と、労働組合のたたかいの広がりの中で、改悪法案を廃案に追い込んだ。このたたかいの中では、生活と健康を守る会の代表から、福祉事務所の窓口の頑張りに対する敬意の表明と合わせ、「こうした自治体の頑張りをないがしろにする制度改悪は許せない」との共同と連帯のメッセージが寄せられている。

 自治労連は、国民の「生きる権利」を切り刻む行為を自治体や福祉事務所に押し付けようとする生活保護法改悪に断固反対するとともに、生活保護基準を復元し、憲法25条に基づく国民の正当な権利を保障できる自治体をめざす取り組みを進める。
その根源となっている「社会保障制度改革推進法」の廃案に向け、秋の臨時国会を展望し、幅広い共同を広げよう。

以上