政府・財務省による地方公務員賃金削減の世論誘導に断固抗議する

2012年11月7日
日本自治体労働組合総連合
書記長 猿橋 均(談話)

 財務省は1日、財政制度審議会(財務省の諮問機関)の財政制度分科会において、2012年度の地方公務員賃金が、2年間の臨時的な削減(平均7.8%)のもとにある国家公務員賃金との比較で、「近年にない高水準」「8割超の自治体が高い」などとする資料を提出し、地方自治体において適切な給与水準を求めたと報道されている。

 これは、地方における今年度の賃金確定闘争が本格化している時期に、公務公共労働者の賃金抑制をはかるため、あたかも地方公務員の賃金が引き上げられたかのような誤った印象を国民に与える、極めて意図的で悪質な世論誘導であり、断固抗議するものである。

 これまでも政府は、「地方公共団体の職員の給与については、当該地方公共団体の条例で定める」ものであり、「地方公共団体に対して、今後、国家公務員の給与の引下げと同様の引下げを要請することは考えていない」と繰り返し表明してきた。総務省は、本年10月に行った自治労連との交渉の際にも、「各地方公共団体に対して、今回の国家公務員に係る時限的な給与削減措置と同様の措置を実施するよう要請することや、強制することは考えていない」と回答している。今回の財務省の姿勢は、政府の正式な見解に真っ向から反するものと言わざるを得ず、自治体首長の中からも、批判の声が上がっている。

 国家公務員に続く地方公務員の賃金削減は、13春闘における民間労働者の賃金引き上げを抑え込み、そのことによって、臨時的なはずの国家公務員の賃金削減を長期にわたって固定化しようとする明確な意図をもって進められようとしている。このことが、再来年4月実施とされている消費税増税をはじめとする国民負担増の言い訳とされ、さらに、財界・大企業が狙うすべての労働者の一層の賃金引き下げに結びつくことになる。

 こうした賃金削減の連鎖は、労働者に重大な生活悪化をもたらすだけでなく、消費不況から脱却することができないでいる日本経済の回復をさらに遅らせるものとなる。労働総研は、公務員人件費を1割削減することによって、家計消費の減少額が2 兆5937 億円、それによる国内生産の減少額が5 兆8472 億円、国と地方の税収の減少額が5401 億円と試算(2011 年5 月19 日)している。その影響は、とりわけ、地域・地場の民間企業に、疲弊した地方・地域の経済にさらに大きな打撃となるもので、到底、許すことはできない。

 自治労連は、道理なき賃金削減を許すことなく、民間企業に比べ低水準の初任給引上げをはじめ、生活実態に基づく生涯賃金ラインの改善、自治体の非正規労働者や公共職場に働く労働者の雇用安定と均等待遇実現、大幅な退職手当切り下げ反対など、職場の切実な要求実現に向けてたたかう。さらに、すべての労働者の賃金引き上げ、国民生活を破壊する消費税増税、社会保障改悪の策動を国民的な共同で阻止するため、全力で奮闘することを表明する。

以上