消費税増税、社会保障削減、雇用改悪を押しつける、安倍内閣の経済・財政方針に断固抗議する(談話)

「骨太方針」「成長戦略」「規制改革に関する答申」の決定にあたって 

2013年6月19日
日本自治体労働組合総連合
書記長 猿橋 均

 安倍内閣は、6月14日、国民には増税、社会保障削減をおしつけ、大企業に全面奉仕する「経済財政運営と改革の基本指針(骨太方針)」を閣議決定した。

 「骨太方針」は、6月5日に産業競争協力会議が示した「成長戦略」や、規制改革会議の「規制改革に関する答申」(答申)とともに、国民・労働者に一層の負担と犠牲をおしつけるものとなっている。

 自治労連は、「骨太方針」をはじめとした安倍内閣の一連の経済・財政方針の決定に強く抗議するとともに、同方針の実行に断固反対することを表明する。

 安倍内閣の経済・財政方針は、国民のくらし、権利にとって次のような重大な問題点をもっている。

 第一に、消費税増税、社会保障削減、雇用破壊など、国民・労働者のくらし、権利を破壊し、大企業の営利活動へ一層の便宜提供をはかろうとしていることである。「世界一企業が活躍しやすい国をめざす」(成長戦略)として、大企業には設備投資減税、投機規制緩和、大型公共事業への集中投資などをはかる一方で、国民には「社会保障・税の一体改革を着実に推進する」(骨太方針)として消費税の増税と自己責任をおしつけている。さらに「規制改革に関する答申」では、労働者の解雇を容易にして低賃金で雇用する「限定正社員」制度や、残業代をゼロにする「裁量労働の拡大」、派遣労働の拡大などを打ち出している。この間の「構造改革」に加えて、労働者の保護規制を緩和し、生活保護改悪を突破口にした社会保障の改悪が行われれば、「貧困と格差」が極限まで進行することは必至である。

 第二に、原発再稼働、原発輸出、TPP交渉への参加など、アメリカや財界の要請に応じて、国民の安全を脅かし、日本の経済主権を放棄しようとしていることにある。「成長戦略」は「原子力発電の活用」を明記し、「立地自治体関係者の理解と協力を得るため、政府一丸となって最大限取り組む」としている。また「骨太方針」は「グローバル化を活用して(中略)、ヒト・モノ・カネが自由に行き来できる環境の整備」としてTPP交渉参加の姿勢をうちだし、医療分野では医薬品のインターネット販売の原則解禁や、医療に差別を持ち込む保険外併用療育費制度の拡大も盛り込んでいる。
 国民の多数が原発再稼働に反対し、TPP交渉には農協や医師会が反対し、地方自治体でも8割の地方議会が「反対」「慎重対応を」の声をあげている。「骨太方針」に示された原発推進、TPP交渉参加を見込んだ規制緩和方針は、国民の世論にも真っ向から反する暴挙である。

 第三に、公務公共サービスを民間企業へ開放し、地方交付税をはじめとした自治体財政制度を改悪しようとしていることである。「骨太方針」では、公共施設等運営権を民間に開放するPPP、PFIの導入領域を大幅に拡大するなどして「地方自治体の行財政改革を促していく」とし、地方交付税は地方公務員の賃金や人員の削減など行革の進捗状況を反映させる算定を行うとしている。保育の分野では、「規制改革に関する答申」で、株式会社の参入促進、保育所の避難施設基準の緩和を盛り込むなど「保育新システム」を先取り、具体化するものとなっている。

 国民・労働者に耐えがたい痛みを押しつけ、大企業の営利活動に一層の便宜提供をはかる安倍内閣の経済・財政政策は、国民・労働者のくらしの再建、地域住民の福祉向上に逆行するものであり、断じて容認できない。

 自治労連は、これまでも、消費税増税や社会保障の改悪を許さず、「働くルール」の確立、地方財政の充実、安全・安心をまもる公務公共サービスの充実をめざして、住民、業者団体、地方自治体と懇談を進め、原発ゼロ、TPP交渉参加反対、地方交付税削減反対などで共同を広げてきた。
 これまで築き上げてきた共同をさらに広げ、安倍内閣による国民犠牲の経済・財政方針の具体化を許さないたたかいを進めるものである。

 さらに、来月に実施される参議院選挙では、安倍内閣の悪政に審判を下し、国民・労働者のくらしと権利をまもり、地方自治を拡充する政治への転換をはかるために奮闘するものである。

以上