2012年3月30日

子ども・子育て新システム関連法案の閣議決定に抗議する


日本自治体労働組合総連合
書記長 猿橋 均

公的保育制度を解体し保育を市場化する新システムに断固反対する

 

(1)3月30日、政府は、消費税大増税を含む「社会保障・税一体改革」法案及び、「子ども・子育て新システム」(以下「新システム」と称す。)の閣議決定を強行した。
政府は、新システムを経済戦略として女性の就労支援を進めるため、新たな次世代育成支援のための包括的・一元的なシステムとし、就学前のすべての乳幼児に質のよい保育を提供するために幼稚園と保育園を一体化して子ども園にし、そのことで待機児童が解消できるとしてきた。

しかし、実際には幼稚園には存続も含めて選択肢を残し、認可外の施設や小規模施設など、ビルの一室でも行える地域型保育などを緩い基準の多様な形態を容認しており、保育の質を大幅に切り下げるものである。幼保一体化施設である総合子ども園には、0~2歳児の保育を義務付けず、新システムが当初掲げた待機児童解消も全く期待できない。

新システムの持つ最大の問題は、児童福祉法第24条(保育所への入所)を「改正」し、市町村の保育実施義務をなくすとともに、保育を現物給付の制度から現金給付に変えることにある。また、公立保育園が移行する公立子ども園の財源は全額市町村負担としており、公立保育園の統廃合、民営化が一層加速するものである。さらに、株式会社等に剰余金などの配当を認める一方で、実効性に乏しい事業者の撤退規制にとどめるなど、保育の市場化をめざす改革である。

(2)そもそも民主党政権は、昨年1月に新システム関連法案の国会提出をめざしていた。新システム撤回を求めるこの間の運動により、第一次署名は284万筆を集約し、3月から開始した第二次署名は27万筆を積み上げている。都道府県議会では、25議会が新システム反対・撤回を表明し、自公の国会議員も反対の立場を鮮明にしている。こうした運動が、法案提出を大幅に遅らせてきたことに大いに確信を持とう。

(3)新システムに反対する世論が大きく広がっているにも関わらず、政府は一貫して新システムの導入を狙ってきた。財界の要求を丸呑みした経済産業省の「産業構造ビジョン2010」(2010年6月)では、医療・介護・健康・子育てサービスを「戦略5分野」の一つとして位置付け、今後30兆円以上の市場を創出するとしている。子育てサービスについては、「認可外保育施設が提供している多様な子育てサービスの供給を拡大するためには、幼稚園や保育所と一体化した共通の市場を構築」「効率化により保育料を引き下げても成立するビジネスモデルを追求」とあけすけに保育の市場化をめざしている。

これに基づく「新成長戦略」(2010年6月18日閣議決定)に基づき、新システムは構築されてきた。

財界が一貫して求めてきた保育の市場化を許さないたたかいは、日本の社会保障をめぐる最大のたたかいである。

(4)自治労連は、引き続き、地域での宣伝学習活動を通じて新署名をかつてない規模で進めながら、地元国会議員要請、自治体議会・首長への要請を旺盛に進めるものである。その運動の集約として5.13保育大集会と5.14国会要請行動を成功させて、新システム関連法案の審議入り阻止をめざすものである。

(5)保育・学童保育・子育て支援の拡充に公的責任は不可欠である。すべての子どもの生きる権利、質の高い保育を受ける権利を保障する立場から新システム法案の廃案を求めて全力を尽くすとともに、安心して子育てができる制度の実現を求めるものである。

(以上)