2019年2月1日

書記長 中川 悟

 1月28日、第198回通常国会が開会された。今国会においては、毎月勤労統計の不正解明が焦点となるが、同時に、ウソと隠蔽、改ざんを繰り返した安倍政権に退場を言い渡す場とする必要がある。さらに、消費税増税でなく、労働者・国民の生活優先の予算の確立と自民党の改憲案の国会提示を断念させることが課題としてある。

 安倍首相の施政方針演説では、厚生労働省による毎月勤労統計調査の不正・偽装を「おわび」や「検証」で片付け、問題を矮小化しようとしている。この問題は、雇用保険や労災保険などで2000万人をこえる人々に実害をもたらし、来年度予算案の審議の前提を揺るがし、国民の政府への信用を根底から破壊するなど、国民生活に極めて大きな影響を及ぼす重大な問題である。

 厚労省は、2018年1月から不正調査を統計上「修正」する措置を秘密裏に行い、自ら設置した特別監察委員会の報告書では、組織的隠蔽を否定する結論を出したが、これも第三者性を欠いたずさんなものだったことが野党の追及で明らかになっている。厚労省が不正調査の「修正」を始めた18年1月から、不正が発覚する12月までの間は、裁量労働制のデータねつ造、森友「公文書」の改ざん、外国人労働者のデータねつ造など、安倍政権によるウソと隠蔽、改ざんが次々と明らかになり、大問題になった時期と重なり、安倍首相自身の責任が改めて問われている。

 2019年度予算案は100兆円を超えたが、10月からの消費税の増税分5.7兆円分を含む一方で、介護保険料の負担増610億円や生活保護引き下げで社会保障の自然増を1200億円も圧縮している。「全世代型社会保障」の一環として、3歳児以上の保育・幼児教育の「無償化」が消費税増税と一体になっているが、給食費は対象外とするなど国民負担を増やしながら社会保障の拡充につながっていない。しかも「子どもたちを産み、育てやすい日本へ」と言いながら、推進しているのは、保育士配置基準などを緩和した企業主導型保育であり、公的保育の切り捨てである。また、学童保育(放課後児童クラブ)も、職員配置を緩和できるようにして「充実を進める」としているが、「緩和」の名で質の低下を招きかねない事態にある。これらについては、職場と地域で保育を守り充実を求める運動が、全国各地で開始されている。

 安倍首相は、施政方針演説で「安全保障政策の再構築」により、日米同盟が「外交・安全保障の基軸」だと改めて強調。同時に「自らの手で自らを守る気概なき国を、誰も守ってくれるはずがない」と述べ、新たな「防衛大綱」のもとでの抜本的な体制強化とその加速を表明した。新「防衛大綱」の下での“体制強化”、トランプ大統領に言われるままの米国製兵器の浪費的「爆買い」、5年間で総額27兆円にものぼる軍事費を投入する「中期防衛力整備計画」こそ、憲法違反の大軍拡であり、歴代自民党政権が掲げてきた「専守防衛」の建前すら投げ捨てるものである。

 さらに憲法改悪についても、「憲法審査会の場において、議論が深められるのを期待する」と述べ、国会の壇上で改憲論議の加速を呼びかけた。これは三権分立に反し、憲法尊重・擁護義務(憲法99条)にも違反する暴挙である。一方で、強硬で拙速な改憲姿勢は国民世論と野党の強い反発を招き、先の臨時国会で改憲案提示の断念に追い込んだ。このことは国民の運動の成果が反映されている。

 自治労連は、各地方組織、県事務所とすべての単組が19国民春闘勝利のたたかいと結合させ、職場・地域から「安倍9条改憲NO!」3000万人署名をさらに積み上げ、市民と野党の共闘で統一地方選挙と参議院選挙を勝利し、安倍9条改憲の息の根を止め、安倍政権そのものに退陣を迫るものである。

以上