国会決議も公約も踏みにじるTPP承認案の衆院採決強行に断固抗議する(談話)

                           2016年11月10日 

書記長 中川悟

 11月10日、与党は、衆議院本会議においてTPP承認案・関連法案の採決を強行し、自民、公明、維新の賛成で可決された。国会決議も公約も踏みにじり、国民のいのちやくらし、地域を脅かす暴挙に、自治労連は満身の怒りを込めて抗議する。

 TPP協定は、農林水産大臣が「重要農産品で無傷なものは一つもない」と認めたように、「TPP断固反対」とした自民党の公約にも、「重要農産品の交渉除外」を求めた国会決議にも反することは明らかである。またTPP協定に盛り込まれたISDS条項により、地元の中小企業に公共事業を優先して発注したり、学校給食の食材に地元で採れた農産物を使用している自治体では、外国企業から損害賠償の訴えを起こされるおそれがある。

 TPPの審議をめぐって先の通常国会では「黒塗り資料」に象徴される政府の秘密主義が国民の厳しい批判を浴びた。今臨時国会でも、TPP影響試算の根拠を失わせる輸入米価格の偽装や、協定文の誤訳などが次々に明らかになり、審議の前提そのものが崩れるものとなっている。国民の批判に追い詰められた安倍政権は、農林水産大臣の「強行採決要望」ともいうべき暴言に象徴されるように、特別委員会で衆議院議事規則に反して強行採決を行い、議運委員長が陳謝する事態を引き起こしながら、国会での議席の多数を頼んで採決強行に踏み切る暴挙を行った。

 TPP協定に参加する12カ国の中で日本以外の国はどこも批准をしておらず、最大の参加国であるアメリカの次期大統領トランプ氏は「TPPからの離脱」を表明している。各加盟国の中でも反対の世論があり、発効自体が危ぶまれている状況にある。

 自治労連はこれまで、中央、地方組織で「TPPからの撤退」「国会での批准阻止」を訴え、各地で自治体、JA、医師会、経済団体など広範な団体との懇談を進め、共同を広げてたたかってきた。TPPに反対する世論は、立場の違いを超えて広がり、多くの地方議会から「今国会でTPP協定を批准しないこと」「政府は国民に十分な情報開示と説明を行うこと」を求める意見書が採択されている。世論調査でも66%が「TPPは今国会にこだわらず慎重に審議すべきだ」(共同通信10月30日)と回答している。

 自治労連は、国会決議も公約も踏みにじり、国民のいのち、くらし、地域を破壊するTPPからの撤退を求めるとともに、TPP承認の阻止と関連法案の廃案に向けて、引き続き広範な国民と共同を広げてたたかうものである。               

 以上