北朝鮮問題は、住民に危機感をあおるのでなく、

                    外交による平和的解決のために政府は全力を尽くせ(談話)

2017年4月27日
書記長  中川 悟

1、北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射実験など危険な蛮行が続いている。
 これらは世界とアジアの平和と安全に深刻な脅威を及ぼし、国連安保理の諸決議、日朝平壌宣言等に違反する暴挙である。直ちに核・ミサイル開発政策を放棄させなければならない。
 加えて、求められているのは平和的解決である。3月8、9日に衆参両院それぞれで全会一致で採択された「北朝鮮のミサイル発射に抗議する決議」も、北朝鮮を厳しく非難し「核および弾道ミサイル計画」の放棄を求めるとともに、国際社会に対し「結束した外交努力を展開し、平和的な解決」を目指すべきと強調している。

2、ところが米トランプ大統領は先制攻撃を含む軍事力行使も「選択肢」だとし、原子力空母カールビンソン率いる空母打撃群を朝鮮半島近海に向かわせるなど軍事的圧力を強めてい  る。他方、北朝鮮も「核戦争も辞さない」「どんな形態の戦闘にも応戦する」などと述べ大規模な軍事演習を行うなど緊張が極限まで高まり、「一触即発状態」になっている。
 軍事で抑え込もうとすれば、対応がエスカレートし、偶発的事件が大規模な衝突・戦闘につながりかねないのであって、軍事的圧力を強める対応は直ちに中止すべきである。
 ところが安倍政権は米国の対応を支持し、先制攻撃まで容認している。さらにカールビンソン・空母打撃群に自衛隊が合流し「共同訓練」を実施しているが、これは「武力による威嚇」そのものであり、憲法9条1項に違反する。また、米軍が先制攻撃した場合の自衛隊の対応や米艦防護の任務付与の有無などについて、国会には何一つ報告されていない。国民も国会も知らないまま軍事作戦が始まる危険がある。
 
3、万が一、軍事衝突が起これば、北朝鮮と韓国、日本でおびただしい犠牲が生じる。
 ところが政府は、ミサイル攻撃への対応として、「頑丈な建物への避難」などをHPで呼びかけ、47都道府県の危機管理担当者らを集め、全国瞬時警報システム・Jアラートを使った警報の運用方法、住民への伝達や避難の方法などを説明し、各自治体にも協力要請を行っている。また、3月には男鹿市で住民避難訓練まで実施したが、今後、同様の訓練を広げていくとしている。
 しかし、ミサイルは発射から着弾まで数分間と言われており、「建物の陰に隠れる」などしても大規模な被害は避けられない。その点にふれずに「避難方法」などを説明することは、住民の危機感をあおるだけである。

 4、日本と世界の国民は軍事的衝突を懸念し、平和的解決を強く求めている。
 直近の世論調査でも、米空母の派遣に対し「外交努力を強めるべき」が6割を超え、「軍事的な圧力を強めるべき」は2割でしかない。いったん衝突が起これば甚大な被害が出ると想定される韓国では大統領選挙の最中であるが、その有力候補のすべてが外交・国際協調による平和的解決を訴えている。
 国民一人ひとりの生命を守るには、北朝鮮に一発のミサイルも発射させずに、平和的に解決するしかない。軍事的圧力を強めるトランプ政権に追随するのでなく、関係諸国の一致した外交努力による平和的解決のためにこそ政府は全力を尽くすべきである。