2012年7月27日

労働契約法改正法案の衆院採決に抗議し、徹底審議のうえ廃案を求める


日本自治体労働組合総連合
書記長 猿橋 均

 有期法案(労働契約法改正法律案)は7月26日午後の衆議院本会議で、民主、自民、公明、生活、みんななどの賛成多数で可決され、参議院に送られた。同法案は昨日、衆議院厚生労働委員会で審議入りしたが、わずか3時間余の質疑で採決が強行された。

 質疑では共産党や社民党が法案に反対する立場からさまざまな問題点を追及しただけでなく、法案に賛成した民主党や自民党、公明党なども「5年手前での雇止めが起きるのではないか」「無期に転換しても待遇改善が図られず、劣悪な処遇のままになってしまう」「19条は雇止め判例法理と同じにはなっていないのではないか」など法案の重大な問題点を指摘せざるを得ない状況であった。

 自治労連は、同法案が有期契約労働者の不安定・低賃金という労働条件の抜本的改善につながらないどころか、逆に5年雇い止めが広がり、雇用の不安定さが加速されることを指摘。また、臨時・非常勤職員や任期付職員に恒常的業務を担わせる「有期雇用の濫用」が地方自治体において行われているもとで、適用除外となっている公務職場にも大きな影響を及ぼし、これまでの運動の到達点を後退させるものだと表明してきた。

 昨日のわずか半日の審議を通じても、その指摘・懸念の正しさが浮き彫りになるとともに、労働者・国民に真実を明らかにしない野田政権の本質があらためて明らかになった。つまり、5年直前での雇止めの大量発生や不更新条項への有効な防止策がないこと、また、無期労働契約に転換の場合も、「現に締結している有期労働契約の内容である労働条件と同一」と規定されたことによる格差の固定化(同一の業務に従事しながら労働条件の劣る新たな“準社員”の発生)などである。

 また、民主党・野田政権は、有期雇用を「雇用の基本」とする方向に転換しようとしている。国家戦略会議で確認された同フロンティア分科会報告書は、「人材戦略」として「企業内人材の新陳代謝を促す柔軟な雇用ルールを整備する」とし、40歳や50歳での定年制の採用などと合わせて、「有期の雇用契約を通じた労働移転の円滑化をはかる」とのべている。さらに「有期を基本とした雇用や金銭解雇ルールの明確化」「希望者による(出向ではない)他省庁への移籍や金銭解雇、積極的な中途採用を、まずは公務員から始め、民間企業に広げていくというのも一つの方策であろう」とのべ、公務職場をその実験台にしようとしている。

 このことは、本法案が政府方針転換の先駆けとなるものであって、有期契約労働者だけでなく、全労働者にかけられた改悪であることを物語っている。したがって、参議院段階においては十分な審議時間を確保し、当事者からのヒヤリングをはじめとして、問題点の議論、実態論議を深めたうえで、廃案とするよう求める。

 野田民主党政権の悪政、公約破りに対して今、労働者・市民の怒りが沸騰し、諸行動への参加と連帯が大きく発展してきている。自治労連は、公務・民間、正規・非正規を乗り越え、広範な人々との共同をいっそう強化し、実効ある有期労働規制の実現のため、いっそう奮闘する決意である。

(以上)