共謀罪(テロ等準備罪)創設の閣議決定に断固反対する(談話)

2017年3月21日
書記長 中川 悟

 安倍政権は21日の閣議で、犯罪を計画・準備した段階で処罰可能にする共謀罪(テロ等準備罪)を新設する組織犯罪処罰法改正案を決定した。
 この法案は、過去3度廃案(2003年、2006年、2009年)となった共謀罪の焼き直しであり、戦前の悪法「治安維持法」の現代版とも言われ、テロ等とは無縁の労働組合の活動や市民運動の取り締まりを目的とするものであり、この法案の閣議決定に断固抗議するものである。
 安倍首相は、東京オリンピック開催に向けて、テロ対策が不可欠であり、国連の国際組織犯罪防止条約を締結するためにも「テロ等準備罪(共謀罪)」創設が必要と説明してきた。
また、テロ犯罪に対する国民の不安につけ込むかのように、法案名に「テロ」の文言を入れてきた。しかし、共謀罪を創設しなくとも条約締結ができることが明らかになったばかりでなく、当初の条文には「テロ」の文言が入っておらず、慌ててつけ足すなど、「テロ対策」が口実に過ぎないことは明確である。
 また、共謀罪の対象となる法律等を676から277に絞ったり、「組織的犯罪集団」に限定するなど修正を図ってきたが、金田法務大臣の共謀罪の説明が二転三転するなど、国会審議の中で共謀罪創設の目的や必要性はすでに破綻している。
 そもそも共謀罪は、「合意」「内心」を取り締まり対象とすることから、政府が国民の日常を、常に監視する社会を生むことになる。また、密告すれば刑が減刑されるとすることは、お互いに密告を奨励する社会をつくるとともに、おとり捜査とえん罪が拡がることになる。このことは戦前・戦中の治安維持法下の日本社会を見れば明らかである。治安維持法の下で、国民は思想や内面が取り締まられ、表現の自由さえ奪われてきた。民主主義を奪い、「もの言えぬ社会」が戦争への道をたどったことの反省から、日本国憲法がつくられた。憲法を否定する共謀罪の創設は断じて許されるものではない。
 いま沖縄の米軍基地の問題や原発問題をはじめ、「保育所をつくって欲しい」「長時間労働を無くせ」など、多くの国民・住民が切実な要求をかかげて各地で声を上げている。こうした国民・住民の願いを監視し、規制をかけていく社会を許してはならない。自治労連は、地域住民の要求や願いに寄り添い、住民とともに、よりよい地域社会・地方自治めざし、テロ等準備罪(共謀罪)法案に断固として反対し、4度目の廃案を実現すべく全力をあげる決意である。