共謀罪(テロ等準備罪)創設の参議院本会議での強行採決に断固抗議する(談話)

2017年6月15日
書記長 中川 悟

 安倍政権は6月15日朝、参議院本会議で、犯罪を計画・準備した段階で処罰可能にする「共謀罪(テロ等準備罪)」を新設する組織犯罪処罰法改正案を自公与党と維新によって強行採決した。
 参議院の法務委員会で審議すればするほど答弁が替わり、法案の危険性が明らかになり、国民の不安が日増しに広がってきていた。ところが国会法第56条第2項の「緊急を要する事由があれば委員会の審査を省略することができる」を持ち出し、委員会審議を中止し、採決抜きに本会議に持ち込む異常な強硬手段をとった。希代の悪法となる共謀罪法の成立と議会制民主主義を破壊する前代未聞の暴挙に、自治労連は満身の怒りをもって断固抗議するものである。
 短い参議院の審議でも問題は多数浮かび上がった。「犯行計画」について、衆議院では「指揮命令や任務の分担なども含めて具体的に合意する必要がある」としていたが、参議院では「犯行期日や各人の役割の詳細まで定まっている必要はない」とした。
 組織的犯罪集団についても「対象となる団体を明文で限定することによって、一般の会社や市民団体、労働組合など正当な活動をおこなっている団体が適用対処となることはあり得ない」としていたが、「(対象は)限定されていない…組織的犯罪集団とかかわりがある『周辺者』がテロ等準備罪で処罰されることもあり得る」「環境保護や人権保護を標榜していたとしても『隠れみの』の場合、処罰され得る」など、共謀罪の適用は「限定的」「歯止め」としていたものが一切なくなっている。
 国外からも共謀罪への深刻な懸念が寄せられた。国連人権理事会特別報告者のケナタッチ氏が5月18日、共謀罪法案について、「プライバシーの権利やその他の基本的な国民の自由の行使に深刻な影響を及ぼす」と懸念を示す書簡を安倍首相に送付。国際ペンクラブやフランスのルモンド紙なども懸念を表明したが、安倍政権は国内外の懸念や批判にまったく耳を傾けようとせず、菅官房長官は逆に、ケナタッチ氏に抗議さえしている。
 安倍政権が一時、大幅な会期延長を検討しながら、このような強行採決をおこなったのは、森友・加計学園問題での前文科省事務次官の告発や「総理のご意向」文書の存在などが明らかになるもと、真実を求める国民世論と国会での追及に追い込まれた結果である。
 自治労連は引き続き、地域住民の要求や願いに寄り添い、住民とともに、自由に語り合い、よりよい地域社会・地方自治めざす取り組みを強めるため、安倍政権の早期退陣にむけて奮闘する。
 また、文科省職員が「総理のご意向」文書の存在を告発したことに対し、義家文科副大臣が処分をちらつかせて押さえ込もうとしていることに強く抗議するとともに、「デモ活動している集団は『組織的犯罪集団に該当しない』」「本人に犯罪実行の意思がない場合は計画者となり得ない」などとした政府答弁も活用し、テロ等準備罪(共謀罪)法の行使・乱用に断固として反対する。そして憲法19条「思想信条の自由」などの憲法原則を確信に、共謀罪に臆することなく、その廃止にむけて全力をあげる決意である。                       

 以上