原発を推進する「エネルギー基本計画」の閣議決定に抗議し、

原発ゼロ・再生可能エネルギーへの転換を要求する。(談話)

2014年4月15日

日本自治体労働組合総連合

書記長 猿橋 均

 安倍内閣は4月11日、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けて、停止中の原発の再稼働を促進し、事実上、原発依存を継続することを宣言した「エネルギー基本計画」(以下「基本計画」)を閣議決定した。原発ゼロを求める圧倒的多数の国民の声を無視して、原発利用をさらに推進する安倍内閣に対して、自治労連は満身の怒りをもって抗議するものである。

 「基本計画」の第一の問題点は、政府が福島第一原発事故の教訓をふまえず、新たな「安全神話」を作り出して、国民の生命、安全を脅かそうとしていることである。「基本計画」は「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合した原発の再稼働を進める」としているが、原子力規制委員会は規制基準が事故の根絶を保証するものではないとしている。福島第一原発事故は未だに収束しておらず、事故原因も究明されていない。原発事故で今なお13万人を超える人々が将来への不安を抱えながら避難生活を強いられている。全国の原発立地・周辺の自治体では、まともな避難計画さえ策定できない状況にある。国民の生命、安全を危険にさらす原発の再稼働はもちろん、安全確保が保証されていない原発の輸出は断じて許すことはできない。

 第二の問題点は、「基本計画」が、原発を推進する理由に「コストが低廉で供給が安定している」としていることである。しかし、「核のゴミ」や事故処理の費用を含めれば、原発でかかる費用は膨大な金額に上り、ひとたび事故を起こせば稼働を停止して電力供給ができなくなる。原発ほど高コストで不安定な電源はない。

 第三の問題点は、「基本計画」に、再生可能エネルギーを推進するための数値目標をはじめとした実効ある方針が示されていないことである。政府が2010年6月に示した「2030年の発電電力量のうちの再生可能エネルギー等の割合は約2割」とする、これまでの政府の不十分な導入目標の数値すら、参考として脚注に紹介するにとどめ、「さらに上回る水準の導入を目指す」というなんら実効性の伴わない表現にとどめている。具体的な数値目標や目標達成のための政策も示さない「基本計画」では、再生可能エネルギーへの抜本的な転換はできない。

 この「基本計画」は、「世界で一番企業が活動しやすい国づくり」として、大企業本位の成長戦略の具体化を図るものである。政府は原発推進を宣言した「基本計画」を撤回し、原発ゼロ・再生可能エネルギーへの転換をはかるべきである。

 自治労連は、住民のいのちと安全を守る自治体・公務公共労働者の労働組合として、国民の生命、安全を脅かす危険な原発を即時にゼロにするために、共同を広げてたたかってきた。

 2012年には「原発ゼロ・再生可能エネルギーをいかす地域、自治体をつくるための提案」を発表し、全国各地の自治体首長等と懇談を進めてきた。原発立地自治体・地域の現地調査も行い、原発なしで地域経済と地方財政の再建を図るための政策づくりも進めている。各地の自治体との懇談では、「原発の再稼働は論外だ」「住民の安全をまもる自治体して、原発に依存しない地域をつくりたい」「再生可能エネルギーで地域の振興を図りたい」など、多くの賛同の意見、共同が広がっている。

 自治労連は、国民と力を合わせ、政府の原発推進政策を転換させ、原発ゼロ、再生可能エネルギーへの転換をめざして引き続き奮闘するものである。

以上