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機関紙『自治体の仲間』2012年 10月号 Vol.467 憲法がいきる地域、日本へ

憲法がいきる地域、日本へ

第11回地方自治研究全国集会in埼玉 9月29〜30日 埼玉県さいたま市

学習・交流、活気みなぎる のべ3000人

「憲法をいかし、安心して住み続けられる地域、日本を」のスローガンを掲げ、東日本大震災後初めての第11回地方自治研究全国集会in埼玉が開催され、全国から2日間でのべ3000人が参加しました。

▲基調フォーラムの模擬国会特別委員会で、委員側の鋭い追及や住民側参考人の証言に政府側もタジタジ。会場の傍聴者からの声援や野次に委員会は盛りあがりました

初日の全体集会は埼玉の歓迎行事、国の重要無形文化財の「秩父屋台囃子(ちちぶやたいばやし)」でオープニング。続いて国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんが記念講演。基調フォーラムは、国会討論を展開する模擬国会に初挑戦。夜は3つのナイター講座、青年企画「青年とことん!しゃべり場in埼玉」で大いに学習と交流を深めました。
2日目は、150本を超えるレポートが持ち寄られた、31の分科会・講座が開催され、2日間で「憲法がいきる地域と日本を」、への活気みなぎる集会となりました。

▲現地歓迎行事でオープニングをかざった日本三大曳山祭りのひとつ「秩父屋台囃子」

憲法違反の政治、力をあわせ変えましょう

基調フォーラム 模擬国会

テーマ 日本国憲法の誠実な実行をめざす特別委員会

場面は、国会の特別委員会。「原発・エネルギー政策」「消費税増税・社会保障」「地域主権改革」をテーマに集中審議が開会されました。開会宣言の後6人の委員が意見を述べて政府を追及。会場の傍聴者(参加者)から、政府側の無責任な答弁に失笑や野次が飛び交いました。住民代表6人が参考人に立ち、現場の実態を切々と訴える証言に、傍聴者からは「がんばれ」の声援や大きな拍手。最後に委員から「国民犠牲の今の政治、力をあわせ変えていきませんか。平和憲法をいかし、安心して住み続けられる地域、日本をつくるために頑張る」と意見表明があり、閉会しました。


原発・エネルギー政策

放射能問題は深刻かつ異質。悲観して自ら命を絶った仲間もいました。農業再開には一時的資金が必要。政府は、福島の再生に責任を果たしてほしい。

▲福島農民連
亀田 俊英(としひで)さん

静岡県民は浜岡原発の永久停止・廃炉を願っています。国は直ちに原発ゼロを宣言し、再生エネルギー推進を明確にして地方の努力を後押しすべきです。

▲静岡自治労連
林 克(かつし)さん

消費税・社会保障

小さな印刷会社を始めて30年、今回の消費税増税ほど営業の危機を感じたことはありません。増税法即時中止、「中小企業憲章」法制化を求めます。

▲埼玉・三郷民主商工会
広瀬 富治(とみじ)さん

生活保護受給は、高い失業率や派遣・期間労働者など低賃金が原因。この問題を解決しないで、国の責任で行う生活保護を削減するのは本末転倒です。

▲全国生活と健康を守る会
前田 美津恵(みつえ)さん

地域主権改革

私の娘は認可外保育施設で午睡中に心肺停止となり亡くなりました。子どもの命を最優先にした保育施設の拡充を国の責任でおこなっていただきたい。

▲赤ちゃんの急死を考える会
阿部 一美(かずみ)さん

橋下「維新の会」のねらいは、住民と自治体労働者の分断です。自治体労働者と住民が手を取り合って、要求実現をめざすことが一番大事なことです。

▲大阪府職労
小松 康則(やすのり)さん

主張
第11回地方自治研究全国集会in埼玉の成功を力に

憲法をいかし、安心して住み続けられる地域、日本をつくろう

第11回地方自治研究全国集会in埼玉は、のべ3000人の参加で大成功しました。参加された仲間のみなさんと送り出してくれたみなさんに心よりお礼申し上げます。
記念講演の阿部彩さんは、「既存の社会保障制度の仮定が崩壊している。働けば、まっとうな生活を送ることができるというが、ワーキングプア率はOECD諸国のなかでも最悪レベル」と指摘。また貧困対策として、「最低賃金、同一労働同一賃金などの労働規制が第1の防波堤。所得制限なしの子ども手当などの支給。医療・保育所など普遍的なサービスの提供。奨学金など教育に関する投資など、さまざまな制度を組み合わせた重層的なセーフティネットの構築が必要」と強調します。

「国民の生活まもれ、貧困と格差をなくせ」の声は切実です。しかし、民主党代表には、民自公3党合意による「消費税増税」をごり押しし、原発を再稼働した野田首相が再選。自民党総裁は、自民党のなかでも最もタカ派といわれ、しかも前回突然政権を投げ出した安倍晋三元首相を選出。また橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が9月12日、「日本維新の会」を結成しました。
橋下市長が提案する「維新八策」は、「大企業には、国際競争力に勝つためのインフラ整備」、その一方で、「自立する個人」の名の下で「労働市場の流動化や生活保護の有期制導入」など労働法制と社会保障の大改悪をねらっています。また「大阪市職員政治活動制限」条例をはじめ大阪で強行している「恐怖政治」「独裁政治」を全国に広げようとしています。
自公政権や民主党政権が国民に背を向け、アメリカと財界いいなりの政治に奔走する姿に未来はありません。総選挙を見据え、5兆円の軍事費削減、不要不急の大型公共事業の見直し、年間320億円の政党助成金廃止、大金持ちや大企業への不公平な優遇税制を是正し、能力に応じた税負担で、消費税増税に頼らない道を広げましょう。
エネルギー問題でも、全国で繰り広げられている原発再稼働反対運動と連帯するとともに、「原発ゼロ、再生可能エネルギーをいかす地域・自治体をつくる」ための自治労連の提案を具体化しましょう。
自治研集会のスローガンである「憲法をいかし、安心して住み続けられる地域、日本を」実現するために、職場や地域で国民との共同を広げ奮闘しましょう。


貧困と格差を生み出さない社会を

記念講演 すべての人に、暮らしを守るセーフティネットを

日本の相対的貧困率は2009年で16%、6〜7人に1人が相対的貧困となっており、1985年から上昇を続けています。その原因は、勤労世帯の所得悪化と高齢化・核家族化等社会構造の変化によるものです。
相対的貧困率は、所得分布の中央値の半分以下の所得の世帯割合をいい、相対的貧困は社会のなかで普通の人のくらしができない状況をさしています。

日本の貧困率はOECD30カ国中4番目に高く、日本は、れっきとした格差社会、貧困の多い社会です。ワーキングプア率はOECD中で上から5番目。ヨーロッパでは貧困=失業問題ですが、日本は働いていても貧困なのが特徴です。さらに生活保護受給率が1・6%と他国より格段に低く、政策による貧困削減効果が少ないことも特徴の一つです。
高い貧困率は、貧困の連鎖・階層化を生み出しています。こどもの貧困は学力、健康、さらには、自己肯定感や将来への希望にも影響を与え、成功確率を少なくしています。
また格差社会は非常に強いストレスを生み、人々を攻撃的にします。この間の生活保護や公務員バッシングに見られるように、日本でもこの傾向が顕著になっています。
さらに貧困は社会との様々なつながりまで自ら排除してしまうという「社会的排除」を生み出しています。これを社会の問題として捉え、「社会的包摂」という考え方での対応が求められています。それは、貧困という結果への「川下」対策ではなく、貧困を生み出すメカニズムに着目し、「川上」対策によって貧困を生み出さない方策です。この方向に社会を変えていくには多くの人を巻き込むムーブメントが必要です。住民と接し、社会状況を一番判っているみなさんが建設的連帯の方向性を見出して頂ければと思います。

▲国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部長
阿部 彩(あべ あや)さん

自治研集会に参加して

模擬国会、おもしろかった

学童保育の指導員です。子どもの貧困は成人後にも大きく影響するものであり、社会のひずみは、子どもなど弱者にしわ寄せがいくものだと感じました。首長選びにも慎重にならなければいけませんね。模擬国会、おもしろかったです!

▲埼玉県学童保育指導員労組(春日部支部)
楠瀬 真理子(くすせ まりこ)さん

安心してくらせる社会保障こそ

介護保障の分科会に参加して介護保険制度の矛盾をあらためて感じました。所得に応じた保険料負担と、きちんとサービスを利用できる制度設計を強く訴え、親も子も孫も、安心してくらせる社会保障と国づくりをめざしたいです。

▲静岡・浜松市社会福祉協議会労組
村松 洋子(むらまつ ひろこ)さん

地域や仕事に活かすヒントもらった

青年企画 青年とことん!しゃべり場in埼玉

全国から参加した58人のほとんどが「しゃべり場」は初めてで、ドキドキのなか「青年とことん!しゃべり場in埼玉」はスタートしました。
グループ分けの「相方は誰だ?」ゲームや「伝言ゲーム自己紹介」を通じて、場が和んだところでスタート。「自分の仕事のここが好き!」など仕事のやりがい、悩みを語り、自然と話題が出てきて、みんなで笑ったり、真剣な顔で話を聞く姿も見られました。「栄養士をしているが、一人職場のためすぐに相談できる人がいない」「青年がなかなか集まらず、声をかけても来てくれない」といった悩みも聞かれました。終了時には「もう少し時間がほしかった」などの感想も寄せられました。

この「しゃべり場」で感じ、学んだことは、それぞれの地域や日々の仕事に活かすヒントになり、青年の立場での自治研活動のよい機会となりました。

▲青年のパワーあふれる「しゃべり場」で集合写真、「小さな青年」2人も仲間入り

▲仕事のやりがいや悩みなど、青年たちの話題はつきません

ナイター講座ダイジェスト

ナイター講座1

地域経済再生、震災復興、再生可能エネルギーいかす地域づくり

岡田知弘・京都大学教授は、はじめに、東日本大震災・福島原発事故から1年半を経た現在、復興を口実にした便乗ビジネス、「構造改革」路線が再生され、復興が進まず被害が拡大する状況に目を向けるべきだと強調しました。そのなかでも、被災地域では「人間の復興」を柱にしたとりくみが広がっていることや、「構造改革」勢力との対立軸が明らかになりつつあることを、まちづくりのさまざまな実例をあげながら語りました。

最後に、TPP・消費税増税・道州制の本質を見つめ、切り返していくためには、憲法と一体となったとりくみが大切だとし、「住んでいる地域の状況を把握しながら、そこにあった政策をつくり、提起し、多くの住民と共同し、実現していく『新しい質の地域社会運動』が必要だ」と結びました。参加者は222人でした。


ナイター講座2

「社会保障・税の一体改革」と社会保障のあり方

日野秀逸・東北大学名誉教授は、「社会保障・税の一体改革」は財界のシナリオ通りに進められ、そのねらいは、ひとつは国民負担増と、国や大企業の負担減。もう一つは、「国の責任」を180度ひっくり返して「自立・自助」を持ち込むことにあると指摘しました。
そして、社会保障は、(1)雇用保障、(2)最低生活保障、(3)社会サービス、で国に責任がある。同時に所得再分配の機能があり、貧困や格差を是正する役割がある。東日本大震災の教訓から、私たちは、憲法に立脚した、安全・安心の社会を、住民の主体的参加(自治)によって造り上げることをめざすべきと指摘しました。
その財源も不公平税制などを見直し、大企業の内部留保の社会的還元などによって十分可能であることも明らかにしました。参加者は226人でした。


ナイター講座3

「地域主権改革」の争点と国・自治体の役割

二宮厚美・神戸大学名誉教授は冒頭「地域主権改革のねらいは、一言で言うと福祉国家型自治体の全面破壊にある」ときりだしました。
その背景には、1990年代半ば、日本経済がグローバル化するなかで、多国籍企業が負担の軽減や国・地方の役割再編など分権化をよりどころとしてきたことがあげられます。
「地域主権改革」と橋下「維新の会」との対抗軸として、(1)住民参加の直接民主主義、(2)公選首長の代表制民主主義、(3)公選議員の議会制民主主義の3点に加え、極めて重要なこととして、(4)公務労働の行政民主主義、(5)公務労働者の労働組合民主主義をあげ、職員の労働基本権をきちんと保障しないようでは、もはや自治体とは言えないと述べました。そして、この5つを柱に、本気になって、自治体民主主義の再構築へ奮闘することを呼びかけました。参加者は243人でした。

▲どの会場も超満員になったナイター講座

分科会クローズアップ

第11回地方自治研究全国集会in埼玉

2日目は、28分科会・1講座と、八ッ場(やんば)ダム視察、川越のまちづくりの2つの現地分科会が開催されました。そのなかから3つの分科会を紹介します。分科会では、各地のとりくみや教訓を交流しました。


地域が活性化する仕組みをつくろう

第8分科会
温暖化防止、再生可能エネルギーへの転換を

助言者の日本環境学会・和田武会長は、外部企業の参入規制と住民の参画保障政策により、再生可能エネルギー発電施設の約80%が住民所有となっているデンマークの事例、過疎化する地域での市民共同風力発電所建設で、住民の収入が安定し転出が止まったドイツの事例など、地域に大きな恩恵をもたらしている住民主体の導入を紹介。7月の特措法で買い取り制度は整ったが、利益を住民に還元する仕組みにしないと「市民負担で大企業を潤す」ことになると指摘し、「地域に存在する自然エネルギーは、地域固有の資源」「地域に根ざした主体が、地域の発展に資するように活用する(湖南市自然エネルギー基本条例)」の重要性を強調しました。
その後、岩手県葛巻町の「エネルギー自給のまちづくり」、京都市職労の若手職員を中心としたエネルギー研究会のとりくみ、佐川清隆さん(東京大学博士課程)の「原発ゼロと温暖化抑止両立の可能性」、初期投資なしで太陽光発電を導入できる静岡の「掛川モデル」など、国内外の再生可能エネルギー推進の具体的事例が多数報告され、今後の目標と課題が明確になりました。

▲再生可能エネルギーの世界のとりくみと課題を助言する和田武氏(第8分科会)

公契約運動は、公共の質の改善に結びつく

第11分科会
最賃引き上げ、公契約適正化でワーキングプアをなくす

公契約適正化と最賃引き上げの前進を市民的な共同の広がりでつくり、運動を発展させようと問題提起がされ、東京公務公共一般労組、京都市職労、千葉・野田市職労、東京・板橋区職労、新潟県公務公共一般労組、埼玉・戸田学校校務員労組から、地域の実態をつかむことが公契約適正化へつながるなど、具体的数値を示した実践報告がありました。自治労連が行った野田市公契約条例調査結果では「(1)労働者の賃金底上げに成果、(2)地域・業界の理解が公契約適正化のカギ」と報告。
助言者の永山利和氏は「公契約条例制定の拡大と新しい今日的意義」について講演。各地で条例制定が広がると同時に、建設、行政など外注や委託など、公契約に関わる広範囲の運動も広がっていると述べ、「公契約運動が国や地方の行政と社会構造を再構築する運動へとつながっていく」と語りました。そして「公契約条例運動は単に労働条件を守るということにとどまらず、公共の質の改善に結びついていく。公務労働者との連携、話し合い、実情調査などの運動、住民自治の活動が改善を押し上げる」と、公務労働者の役割を強調しました。

▲公契約条例の今日的意義を語る永山利和氏(第11分科会)

「ハシズム」では住民サービスは守れない

第27分科会
住民のために働く公務員のあり方、仕事を考える

東日本大震災で改めて問われた公務労働の必要性。しかし、その後も変わらない構造改革の流れ。そして、公務員攻撃と住民自治破壊を進める大阪の橋下市政。このような情勢のなかで、この分科会は開かれました。神戸大学の二宮厚美教授は、「公務員バッシングは戦後最大の状況に達している。橋下市長は職務命令絶対主義を進めているが、これは(1)強いものが勝つ、(2)勝ったものが正しい、(3)負けたものや弱いものはそれに従え、(4)従わないものは排除する、という彼の哲学が背景にある。市政に異を唱えただけで職員が処分されるなど、極めて危険な職場状況になっている」と指摘しました。
その後、いくつかのレポートが報告され、岩手自治労連からは「集中改革プランによる大幅な職員削減が進むなかで、震災に対応できた理由は、職員の自治体労働者としての魂、使命感にほかならない。住民のいのちと財産を守るという自治体の責務を全うするためには、職員の数と質の確保が不可欠だ」と報告しました。
非正規・関連職員が増え、その役割が広がっているなかで、すべての労働者が一体となり、住民本位の行政サービスをつくり上げるために奮闘することを確認し合いました。


オスプレイNO! 怒りのレッドカード

沖縄・宜野湾市 県民大会に10万人超が結集

青い空は県民のもの基地のない沖縄へ

沖縄復帰後最大の10万1千人が結集して、オスプレイ拒否の県民大会が9月9日に宜野湾海浜公園で開催されました。自治労連沖縄県事務所も積極的に参加し、怒りのレッドカードを日米両政府に突き付けました。
大会で共同代表5人の一人は「国民の生命より日米安保を重視する米国追随の姿勢は、主権国家としてのありようが問われている。大会を出発点に島ぐるみでたたかおう」と呼びかけました。

8年前、ヘリ墜落事故に遭った沖縄国際大学の女子学生は「私たちは静かなキャンパスで勉強したい。沖縄の青い空は県民のもの。このきれいな空に軍用機を飛ばすのを許さない」と訴えました。配備強行は戦後67年間ずっと基地の重圧に苦しめられてきた県民の総意に挑戦するものです。
翌日の地元紙・沖縄タイムスは「日米両政府は民意を正面から受け止めなければならない。強行すれば、『怒りのマグマ』は臨界点に達するだろう」と報道。本土においても7ルートの低空飛行訓練がねらわれており、沖縄と全国が連帯してオスプレイ配備反対のたたかいを急速に盛り上げることが求められています。

▲「OSPREY NO!」などプラカードを掲げる集会参加者たち

2012年自治体病院キャラバンスタート

京都自治労連

自治体病院が命の砦
住民とともに地域医療の存続を

京都自治労連医療部会と京都医労連が共同で毎年とりくんでいる自治体病院キャラバンが9月12日、北部地域を皮切りにスタートしました。
今年のキャラバンでは、深刻な医師・看護師不足でギリギリの状態のもと、献身的な医療従事者の奮闘で何とか地域医療が維持されている実態がこれまで以上に明らかになりました。

そうしたなかでも、小児科医師が自治体病院の2人と開業医1人となった京丹後市久美浜町では、この3人の小児科医が「3人で地域の子どもたちの命を守らなければ」と、開業医との連携を強化して危機的状態に対応。民間病院が、病棟の看護体制を維持するために、訪問看護・リハビリ事業から撤退するなかでも「自治体病院の役割」を掲げて訪問看護体制を維持させていることなど、担当者から「自治体病院が地域住民の命の最後の砦」との気構えが語られました。
一方、災害医療・原発災害医療・災害時の避難計画については、課題も多く今後「国・府からの補助」を求める声とともに、原発事故に対しては、到底対応できないことなど、大飯原発再稼働の危険性を改めて痛感するキャラバンとなりました。

▲京丹後市立弥栄(やさか)病院の事務長と懇談

賃金・権利・地方自治 要求実現に向け

長野県・上田市職労 自治労連加入

9月1日に第25回長野県自治労連定期大会が、長野市内で開催され、代議員など42人が参加しました。
竹内禎夫(よしお)委員長は「深刻な雇用状況が続いているなかで、雇用とくらし、地域経済を守るとりくみが重要であり、私たちに求められている」「取りまく情勢は厳しいが、新たな決意で、一丸となって活動して行こう」とあいさつしました。

大会の冒頭に上田市職労の自治労連加入が全員一致で承認されました。上田市職労の中澤徳士(のりと)委員長は「自治労連はあこがれの的だった。加入できてうれしい。労働組合の3原則を基本に、要求を実現する労働組合の役割をしっかり果たしていきたい」とあいさつしました。
大会後、本部の猿橋均書記長を講師に、秋季年末闘争学習会を行い、「地域から政府・国会に攻めのぼるたたかいを大いに外に出てすすめる」「すべての労働者の賃上げこそ、地域経済を立て直し、社会保障基盤を確立する」「あらゆる課題で、対話と懇談の可能性を汲みつくす」「大きくなった長野県自治労連をさらに大きく・強くする」など運動の方向を確認しました。

▲壇上で加入をよろこぶ上田市職労の仲間たち(右から2人目が中澤徳士委員長)

働きがい持てる勧告を

改善求め地方人事委員会に要請

高年層の賃金抑制を持ち込むな
愛知県本部

9月12日、自治体・公務公共労働者が、「全体の奉仕者」として誇りと尊厳を持って職務に専念できるよう「月例給と一時金の引き上げを勧告すること」などを求め、自治労連愛知県本部は愛労連、公務共闘とともに県人事委員会に対して、12年賃金改善に関する要請交渉を実施しました。

12人勧の「50歳代後半の昇給停止・昇格抑制など県に持ち込ませないこと」など、公務員が安心して働くことができるよう13項目にわたって賃金・労働条件の積極的な改善を求めました。これに対し、県人事委員会は、「県だけでなく、市町村に影響を与える勧告だと認識している。民間実態調査結果とあわせ、みなさんの要望を念頭に適切な勧告を行う」と回答。また4年にわたる県職員の独自賃金カットについては「長期にわたる異常な状態であり、憂慮している」として、人事委員会としての基本的な姿勢を明らかにしました。愛知県本部は、労働基本権制約の代償機関としての存在意義を発揮し、改善勧告を行うようあらためて求め、交渉を終了しました。県の勧告は10月前半に予定されています。

▲愛知県本部は愛労連、公務共闘とともに県人事委員会に対して、12年賃金改善に関する要請交渉を実施

賃金改善求めて団体署名を提出
愛媛県本部

9月14日、愛媛県本部は愛媛労連、県公務員共闘、県国公、県教組の代表とともに県人事委員会へ団体署名を提出しながら要請行動を行いました。最終的に259にのぼった団体署名を手渡し、「すべての世代の働きがい・モチベーションに応える勧告を」と要請しました。
愛媛県本部は、今年4月に県職員の初任給が2号改善され、応募者数が増加したことに触れながら、「大震災の教訓を活かす安全・安心の地域づくりのために、人材確保が求められている。より積極的な給与改善を要請する」と訴えました。
高齢層の給与について「調査を分析中だが、民間との比較で公務が高い傾向だ」とする人事委員会に対し、組合側は「官民較差や『情勢適応原則』が強調されるが、『職務給原則』から言えば職務が変わらないのに給与引き下げはおかしい」と訴えました。
また、「特別職の非常勤職員は権限外だ」と人事委員会が述べたのに対し、組合は「地公法17条や22条の非常勤・臨時職員の賃金・労働条件は人事委員会が所管すべきだ」と強く求め、要請行動を終えました。

▲愛媛県本部は愛媛労連、県公務員共闘などの代表とともに県人事委員会に団体署名を手渡し、要請

橋下「維新の会」の野望は許さへん

大阪自治労連・大阪市労組

100万署名と全国オルグでハシズム包囲

「税金を食うシロアリ」と言い放ち、「市長の言う『民意』がわからない」と言った職員を捜し出して反省文。あげくの果てが「思想調査アンケート」や組合事務所の追い出しなど…。しかし、そこにはたたかう労働組合がありました。


「思想調査アンケート」裁判
第1回裁判(弁論期日) 10・3大阪地裁

10月3日、大阪地裁809号法廷は原告団・傍聴者であふれ、支援者は200人超にのぼり、廊下にも支援の輪が広がりました。
午前10時に開廷した「思想調査アンケート」裁判では、大阪市労組の川本正一原告団事務局長が「入職当時に先輩から『市民の半歩前に出て仕事しろ』と言われ、その先輩に近づくためにがんばってきました。市長直筆の業務命令に悩み、家族にも相談。妻は『住宅ローンはどうなるの?』と心配しましたが、最後は応援してくれました。口数の少なくなった同僚たちも『本当は答えたくなかった。でも処分が怖い』と言い、私の心に火をつけました。一日も早く落ち着いて仕事ができる市役所にしたい。それが私の気持ちです」とのべました。大阪市労組の55人の原告を代表し、団長の永谷孝代さんは「『回答しない場合は処分』に脅威を感じた。障害や、貧困が広がるもとで声にできない子どもたちの悲痛な叫びをしっかり受け止め、子どもたちに恥じない生き方をしたいと決め、『これが私の生き方だから』と提訴に踏み切った」とのべ傍聴者の胸を熱くしました。
弁護団を代表して西晃弁護士が、「市長の職務命令によって強制した公権力の行使であること。個々の質問項目が、人の心に秘めておくべき項目に土足で侵入しようとしたこと。例え選挙の『民意』で選ばれた市長であっても、日本国憲法の下にあり、法秩序を破壊し、基本的人権を侵害する行為を行う権限など一切与えられていない」と指弾しました。
その後の報告集会(写真下)では、「憲法を取り戻す大きなたたかいが始まった」(井関和彦弁護団長)。「市長は処分で脅しながら、野村弁護士らの第三者チームがやったと答弁している。市長であっても、個人の領域に踏み込んではならないものがある」(西晃弁護団事務局長)。また、「思想調査アンケート」裁判を支える会代表の渡辺武さん(元大阪城天守閣館長)は「市長は責任者としての謝罪がない。原告団の正当なたたかいを支持し、たたかい抜く」と決意を示されました。なお、裁判に先だって団体署名229団体、個人署名3491筆を提出しました。
大阪自治労連では、今回の裁判が、単に大阪市職員の権利を守るだけでなく、憲法と日本の民主主義を守るたたかいであること。同時に、閉塞感漂う日本社会において、橋下「維新の会」の野望を許さず、沖縄や反原発の国民的たたかいとの連帯で新しい日本社会を切り開く運動としてとりくんでいます。
そのためにも、府内の労働組合や民主団体はもとより、近畿ブロックはじめ全国的なオルグもすすめています。同時に裁判だけでなく、住吉市民病院を守る運動や赤バス廃止反対の住民共同にもとりくんでいきます。

▲7月30日、提訴に向かう左から原告団の川本事務局長、永谷団長、弁護団の井関団長、西事務局長


今月の連載・シリーズ

悠湯旅情 第143湯
火山がもたらす湯のめぐみ 登別温泉 北海道登別市
のぼりべつでもくだりは一緒 地獄に棲むのは心優しい湯鬼神

My Way My Life (145)
京都・南山城村職 藤森 雅彦さん
小さな村で奏でる壮大な音色

日本列島 おどろき・おもしろミュージアム 第126館
埼玉県ふじみ野市 ふじみ野市立福岡河岸記念館
新河岸川と明治の風薫る河岸記念館

うレシピ 第15品
神奈川・横浜市従 布川 未来さん
変わり五目豆

高野豆腐を食べるならこうや!


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