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被災地主体の復興に向け「岩手県民会議」を結成 

 7月9日、盛岡市勤労福祉会館で「東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議」の結成総会が開催されました。この「県民会議」は大震災という「国難」に立ち向かう県民の英知を結集しようと、加藤善正岩手県生協連会長理事、中里長門前陸前高田市長、箱石勝見岩手県保険医協会会長らが呼びかけたもの。当日は被災地からの参加も含め、会場いっぱいの200人が参加しました。

 総会を前に、大船渡市出身の佐藤隆雄氏(安全・安心な社会創造研究所代表)が「東日本大震災の応急対応から復旧・復興を考える」と題して記念講演。佐藤氏はパワーポイントを使いながら住田町の地元木材を使用した仮設住宅の紹介や、過去の震災で地域に合わせた地元の人たちの手による支援・復興例を紹介。「復興の原則は『医・職・住』の確保が基本。復興は上からの押し付けではなく、被災者の総参加による未来を展望した創造的な復興が必要」と強調しました。

 結成総会では、座長の岩手自治労連佐藤委員長が「沿岸部では自治体労働者も犠牲となった。その中でも復興めざして頑張っている。住民の声を生かした復興めざし、中身の濃い総会にしたい」とあいさつしました。

「被災者が今欲しいのは、確かな希望」
 続いて被災地を中心に11の団体・個人が報告。はじめに報告した陸前高田市の藤倉泰治市議(元岩手自治労連書記長)は「前中里市政が市民と共に作り上げてきたものが流されてしまった。しかし、その精神と市民の力は戸羽市政に受け継がれている。もう一度、みんなが戻りたくなるような魅力ある街を自分たちの手で作り上げよう」と報告。さらに釜石市で家を流され被災した前川慧一氏(元岩手自治労連委員長)は、隙間だらけで雨漏り、ハエやアリが入って来る、食糧支援が打ち切られる、水光熱費は自己負担など、仮設住宅の問題点を明らかにした上で、釜石・大槌地域の避難所で被災者の聞き取りをしながら、市や県への要望書を作成し提出した経験を報告。「被災者が今欲しいのは確かな希望。被災者主役の運動で要求を実現したい」と結びました。さらに陸前高田市職労の阿部勝氏は大津波が庁舎を襲ったときの状況をリアルに語り、職員も4分の1が犠牲になり、多くの職員が家を流されながら、「震災直後から市民を守るために各部署で必死に頑張っている。これからもそこに住む市民がいる限り頑張る」と決意を表明しました。