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福岡自治労連・今年で6年目の憲法キャラバン  

憲法を軸に、原発・減災・防災・TPP・公契約・

地域循環型経済・賃金削減・交付税削減

・分権改革・道州制などが語られる

 今年で6年目を迎えた福岡自治労連の「憲法キャラバン」は、10月7日の粕屋郡粕屋町から11月8日田川郡川崎町まで、県内61自治体(60市町村と福岡県)のうち、59の自治体を訪問しました。キャラバンには、緒方県労連議長を先頭に県労連、地区労連の役員、福岡自治労連の役員が参加しました。懇談した59自治体の内、20の自治体で市(町・村)長、副(町・村)長が、39の自治体で総務部長や総務課長など事務方トップが応対しました。訪問には、自治労連の「こんな地域と日本をつくりたい」リーフレット、自治労連弁護団意見書「憲法改悪を許すな!」パンフレット、自治労連の「原発ゼロ・再生可能エネルギーをいかす地域、自治体をつくるための提案」パンフレットを持参し、内容について説明を行いながら懇談をしました。

 福岡では6年間キャラバンが継続されていることもあり、自治体の応対者とはずいぶん顔見知りになり、身構えることなく率直な意見交換や苦労話等も聞くことができ、有意義なキャラバンとなりました。

国会での右寄り論議を危惧している」 

「紛争は軍事力でなく、外交で解決すべき」

(みやま市長)

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 みやま市の西原市長は、古賀誠自民党元幹事長や長崎市長などへの手紙を示し「国会の中で憲法論議が右寄りに進められている。危惧している」「平和憲法を守るための署名運動を呼びかけた」と語り、平和憲法を守る重要性を熱く語りました。また、「原発には反対。テロの対象になる」「紛争は軍事力ではなく外交で解決すべきだ」とも述べました。

 福智町の浦田町長(さよなら原発11.10集会発起人)は、「原発がなくても住民の協力と知恵で今年の夏も乗り切れた。原発ゼロの方向で他のエネルギーも開発すべきだ」と述べました。また、憲法改悪問題についても自治労連の意見に賛同し「自治労連にメッセージを送りたい」と語ってくれました。また自治労連の「こんな地域と日本をつくりたい」のリーフレットを示して、自治体労働者の役割などを語ると、「(憲法にある)『全体の奉仕者』は町政推進の基本だ。法律以前に、職員は住民のために働いている。(自治労連の)リーフレットに書かれている中身についても実践をしていきたい」と述べました。

 初当選したばかりの東峰村の澁谷村長は、「TPP参加は、弱者の切り捨てで、主権をどう守るかが大切だ。小さくても自分たちで決められる自治体をめざしたい」と述べました。

「毎年懇談できるのを、楽しみにしています」(小竹町長)

 小竹町の松尾町長は、「毎年懇談できることは楽しみだ。TPPの国民の合意なくしての参加はけしからん。原発廃炉は誰もが思っているのでは。自然再生エネルギーを進める必要がある。メガソーラ2メガを2カ所誘致した。固定資産税(償却)が税収として助かる」と述べました。

 岡垣町の宮内町長は、改憲発議の過半数に変更することについて、「国民が判断すべきものだが、目的を達成するためにハードルを下げることは正しい事ではない。高い所に国民の意見が働く」と述べました。原発問題では「国が原発ゼロの方向性を示すべき。放射性廃棄物はなくならない。テロなどの危険もある」と述べ国の政策決定を求めました。

九州で初。直方市の公契約条例制定に、県内の多くの自治体から関心が集まる

image005  今年のキャラバンの特徴は、公契約条例に対する関心が非常に高いことが特徴でした。特に、直方市が12月議会で条例制定を決める(来年4月施行予定)ことは多くの自治体に知られて、関心を集めていました。①昨年5月のキャラバンで、直方市が公契約条例を制定する態度表明をしたこと、②今年5月に、直方市長から県労連に公契約条例を検討する審議会に委員を推薦してほしいと依頼があったことや審議会の内容について話すと、多くの自治体で対話が広がりました。

 直方市との懇談では、担当課長が「公契約条例は、人口6万人の財政力が弱い自治体では時期尚早だなど様々な意見があったが制定を決めた。パブコメももうすぐ終わり、今度5回目の審議会を開催する。今まで様々なご意見をいただき、委託業務契約と指定管理については、適用する対象を3千万円以上から1千万円以上に価格を下げた。請負工事は1億円以上とした。小さく生んで大きく育てたい」と述べ、九州で初めて実施する公契約条例への意気込みが感じられました。

公務員賃金・地方交付税削減で、国に対して不信が広がる

  公務員の賃金削減や、地方交付税削減問題では、すべての自治体で国に対する抗議の意思表明が行われました。「地方の固有の財源である交付税をかたに取り、賃金削減を一方的に求めるなど許せない」「これまでの集中改革プランと、独自の行革実施を国は無視している」など怒りの声が寄せられ、国に対して不信とあきらめが広がっていることがわかりました。

 道州制、市町村合併について「合併して良かった話は全く聞かない」「合併して良かったことは定数と人件費の削減のみ」「合併して大きな災害には対応できない」などの意見が出され、町村では道州制について賛同する意見は聞かれませんでした。その一方で、国をあてにしないで自律(自立)する自治体づくりを模索する姿も見られたことが特徴です。

 県労連と福岡自治労連は今後、憲法キャラバンの総括会議の開催を予定しており、今年の懇談の整理と次回に向けての教訓を整理することにしています。

 

 

 

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