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機関紙『自治体の仲間』2011年 12月号 Vol.457 広げよう「新システムNO」「国は保育に責任をYES」

広げよう「新システムNO」「国は保育に責任をYES」

すべての子どもたちによりよい保育を 11・3大集会

 政府は、公的保育制度を解体し、保育を市場化・産業化する「子ども・子育て新システム」導入に向け、年内に成案をまとめ、2012年の通常国会へ法案提出をねらっています。11月3日、緊迫した情勢のなかで「新システムNO! 国は保育に責任を! すべての子どもによりよい保育を! 11・3大集会」を開催し、5000人が結集しました。主催は自治労連も構成団体である「よりよい保育を!実行委員会」。2日には、集会に先がけ、省庁・国会議員要請行動を行いました。

▲新システム導入NO! 日比谷野外音楽堂での集会

▲銀座パレード ぼくたちの保育園を守って

大集会に5000人が結集 たたかえば情勢は切り開ける

汗をかきながら署名行動

 大集会に先立ち、450人が有楽町マリオン前などで署名宣伝行動を行いました。静岡・伊東市職労連の鈴木吉子さんは、汗をかきながら署名を集め「一人でも多くの人に、新システムの内容をわかりやすく伝えていきたい」と話しました。

署名集めきろう

 日比谷野外音楽堂の大集会には、全国から5000人(自治労連は19地方組織、1118人)が集まりました。
 実行委員会を代表して、自治労連の野村幸裕中央執行委員長が、「野田内閣は『新システム導入』と構造改革を促進している。反対の運動をさらに広げていこう」とあいさつすると大きな拍手が起こりました。
 基調報告で全国保育団体連絡会の実方伸子事務局長は、「新システムは国・自治体の責任を放棄し、保護者には自己責任で保育所さがしを押しつけ、保育料は応益負担。企業参入で、子どもをもうけの対象にする」と指摘し、「いま、日本中に『新システムNO!』の世論が広がっている。たたかえば情勢は切り開ける。法案阻止に向けて、保育署名500万筆を集めきろう」と、緊急のとりくみを呼びかけました。
 千葉・船橋市、東京からパフォーマンスが披露され、参加者は「新システムNO!」、「国は保育に責任をYES!」のプラスターを掲げました。

現場からの訴え

 リレートークでは、保護者や保育士、学童保育指導員、幼稚園の教諭などが次々に実態を報告しました。福島県の保育園園長・齋藤美智さんは「安心して子どもたちと生きていけるように求めます」。大阪自治労連の仁木将(にきまさる)さんは、「新システムが導入されれば学童保育もこれまで以上に自治体や保護者任せになってしまう」と訴えました。集会後は銀座パレードで道行く人たちにアピールしました。

▲数寄屋橋交差点で道行く人に署名を訴えました

▲署名宣伝行動に参加する静岡・伊東市職労連の鈴木さん(左)

運動にたしかな手ごたえ

保育カーニバル 長野

 長野・坂城(さかき)町職保育部は、11月5日、坂城町中之条公民館で「第9回保育カーニバル」を開催。
 「保育園ってどんなところ? 迫りくる“子ども・子育て新システム”って知ってますか?」をテーマに、保護者会や医療生協、坂城町職青年部などの協力のもと、子どもたちや親をはじめ300人を超える町民が参加しました。
 オープニングは、子どもたちと職員によるロックソーラン。給食の展示、震災被災地からのレポート、絵本読み聞かせコーナーなど盛りだくさんの内容です。
 たくさんの方々が署名に協力してくださり、運動にたしかな手ごたえを感じました。

▲職員による寸劇は、「新システムになったら」を熱演、公的保育制度を守ろうと訴えました

各地で学習会 石川

 石川自治体一般労組は10月28日、11月18日と19日に「子ども・子育て『新システム』って何? 公立保育所の民営化って?」をテーマに学習会を開催しました。
 10月28日は加賀市で、18日は内灘町で、非正規保育士たちが奮闘して開催しました。19日は、白山(はくさん)市で「白山市の子育てを考える会」が、民営化の提案のある保育所のうち2カ所でビラをまき、学習会を開催しました。
 明星大学の垣内国光教授は「子どもたちの味方になって後悔しない仕事をしよう」と励ましました。

 

▲「白山市の子育てを考える会」で講演する垣内教授

主張
野田政権の暴走をストップ

一致する課題、幅広い共同の力で未来を開こう

 野田内閣の公約無視、自公政治に逆戻り、財界とアメリカの「御用聞き政治」の暴走が続いています。TPP(環太平洋連携協定)への交渉参加を表明し、アメリカから全品目の関税をゼロにし、非関税障壁の撤廃を求められても否定しない態度です。提出済みの労働者派遣法改正案は、大変不十分な製造業派遣と登録型派遣の原則禁止でしたが、この二つの派遣禁止事項そのものを削除し法制化すると自公民3党で合意しました。

 「社会保障と税の一体改革」で年内にも消費税の引き上げ時期・増税幅を政府決定し、来年の通常国会に関連法案を提出しようとしています。増税実施前には国民の審判を仰ぐとしていますが、そもそも2009年総選挙での「任期中は増税しない」との公約を裏切るものです。医療・介護では「外来患者数を現行より5%削減、要介護認定者数を現行より3%削減をめざす」、保育新システムでは公的措置責任をなくし、保護者の自己責任で入所にするなど、日本の社会保障を国・企業責任から国民負担での「自助」「共助」にしようとするものです。沖縄普天間基地問題は、「県内移設反対、無条件撤去」の県民合意を踏みにじり、政府は年内にも辺野古の海の埋立許可の前提となる環境アセスメント評価書を県に提出し、あくまで辺野古移転を強行しようとしています。
 しかし、TPPでは全国農協中央会・日本医師会などが反対し、各地域で共同行動と懇談が進んでいます。保育・障がい者・生活保護分野でのたたかいも広がっています。先の日本平和大会in沖縄は、沖縄のたたかいと連帯し、「核もない平和なアジア・太平洋を」の合意が広がりました。原発ゼロのたたかいでは、福島・福岡・浜岡を始め、地域・自治体ごとに集会・行動が全国どこでもとりくまれてきています。
 同時に憲法審査会の始動、国会の比例定数の削減、大連立による密室合意など国民の批判を反民主主義の力で抑え込もうとする動きも重大です。先の大阪のダブル選挙は、「独裁政治ノー」「教育・基本条例反対」の共同したたたかいが広がりました。民主主義の逆行を許さず、今こそ国民諸要求一つひとつで一致する課題でのさまざまな幅広い共同のたたかいが必要です。この年末から2012年国民春闘につなげ、被災地本位の震災復興、憲法が生きるあたり前の国民要求が実現できる日本社会を切り開きましょう。


“響け”怒りのシュプレヒコール

最大の山場秋季年末闘争に全力

国民要求実現11・10中央行動

 野田首相がTPP(環太平洋連携協定)への交渉参加を表明しようとする11月10日、全労連・国民春闘共闘・国民大運動実行委員会主催の国民要求実現11・10中央行動が展開されました。日比谷野外音楽堂での中央総決起集会、デモ行進、国会要請行動に3000人が参加。住民本位の復興とTPP参加阻止、社会保障改悪・大増税反対を国会内外でアピールしました。自治労連は行動に先がけて総務省前で独自集会を展開しました。

▲TPP反対、大増税反対と3000人の仲間で日比谷野外音楽堂がうめつくされました

日本を壊すTPP参加は撤回しろ

全組合員で決起を自治労連独自行動

野村幸裕中央執行委員長の主催者あいさつの後、情勢報告をした猿橋均書記長は「国公の賃下げ法案提出の暴挙に加え、財務省が地方交付税削減をねらっている。国公の賃下げを地方に押しつけるのは筋違いだ」と強調。さらに「全体の奉仕者にふさわしい賃金・予算・人員を求め、全組合員で決起していこう」と呼びかけました。また現業評議会、医療部会、保育部会、社会福祉部会から決意表明が行われました。
 総務省に対し、現業職場を守り、公務公共サービス拡充を求める署名2万4422筆を提出しました。
 「国民要求実現11・10総決起集会」であいさつに立った国民春闘共闘の国分博文代表幹事は、「国民の承認なしのTPP参加は断じて許せない。交渉参加をあきらめるまでたたかい抜こう」と訴えました。

被災地置き去りに憤り

 全国農業協同組合中央会の大西茂志常務理事が連帯あいさつし、「被災地置き去りで、TPP参加を検討していることに強い憤りを感じる」と厳しく批判すると、会場からは「そうだ!」の声と大きな拍手が響きました。
 また、農民連、全教、福島県労連など7団体が、それぞれの運動とたたかいを報告し、参加者に訴えました。
 最後に、「政府は震災復興に全力をあげろ」などアピールしながら国会請願行動、各省庁要請、デモ行進を展開しました。


11月22日から国会前座り込み開始!
「憲法違反の賃下げ法案は廃案に」

 臨時国会で賃下げ法案の審議がねらわれているなか、全労連・公務部会は法案に反対して、座り込み、国会傍聴、議員要請行動を行っています。行動初日の11月22日は、昼休み集会を含め、のべ200人が参加。東京自治労連の荻原淳委員長は「いま、政府がねらう賃下げは憲法違反だ。廃案になるまでたたかう」と決意表明しました。
 また75人の国会議員に対し、要請行動を行いました。

▲国会前で座り込み抗議する自治労連の仲間

誇りと怒りの大運動
めざせ、均等待遇実現

 正規職員の採用抑制により、職場では非正規職員が正規職員に仕事を教えるなど、「なくてはならない存在」となり、矛盾が明らかになっています。いま、「誇りと怒りの大運動」が各地で展開され、雇い止めや委託化による解雇阻止、均等待遇実現のとりくみ、組合結成や組織拡大が進められています。

非正規職員の声載せ、朝ビラ360人で4000枚配布

広島自治労連

 嘱託連絡会が10月30日、「2011自治体・関連職場で働く臨時・パート・嘱託職員学習決起集会」を開催し、賃金確定にむけた課題と行動を確認しました。
 自治労連・松尾泰宏中央執行委員が、「住民生活と地方自治の発展こそ、自治体労働者の生活と権利を守り、誇りと生きがいをもって働くことのできる道。そこに確信を持って、運動を進めよう」と呼びかけました。
 ひと・まちネットワーク労組の大津洋子さんは「誇りを持って働くためにも、賃金・労働条件引き上げ、何よりも均等待遇の実現を」と語ります。
 11月17日には、「同じ広島市の職員、均等待遇実現を」と朝ビラを嘱託連絡会と関連労組で実施し、360人が8行政区で4000枚を配りました。夜は関連労組連絡会の「2011年賃金確定・秋の総決起集会」。嘱託職員と外郭団体職員の賃金引き上げ、雇用の安定、「誇りと怒りの大運動」の展開、「広島自治労連非正規公共評の設立」などの行動提起を確認しました。

▲広島市役所本庁舎前で朝ビラを配布する仲間たち

要求と組織拡大の大きな前進を確信に

東京自治労連

 11月25日、東京自治労連は「誇りと怒りの大運動2 非常勤職員の一時金・退職金・経験加算制度の実現をめざして」集会を開催しました。
 21の単組・支部から50人の組合員が参加し決意を固めあいました。
 この集会は、昨年12月に日航の仲間と連帯し、「整理解雇・雇い止め阻止」をかかげてとりくまれた大集会「誇りと怒りin東京―ラパス」に引き続くものです。
 集会では、全国のたたかいで切り開かれてきた情勢や、この間の「介護」「保育」など4つの職種職域ユニオンの結成などの要求運動・組織拡大で大きな前進を築いてきたことを確信に、対話と要求運動を推進し、自治体非正規・公共関係労働者の賃金と労働条件の改善、均等待遇の実現や「要求署名1万筆達成」、非正規・公務公共分野で「5000人組織化」目標達成などを意思統一しました。

▲全都に広がるたたかいの輪!力強く決意表明

原発ゼロ 安心がほしい

福島
「故郷に必ず帰る」「お外で遊びたい」
10・30 福島集会

 10月30日、福島市「四季の里」で「なくせ!原発10・30大集会inふくしま」が開催され、参加者は全国から1万人を超えました。福島県でこれだけ大規模な集会が開催されるのはめずらしく、原発問題での国や東電に対する強い怒りがあらためて示された集会となりました。自治体の外へ避難を余儀なくされている浪江町と飯舘村の首長からは「東電の補償は上から目線だ。国と東電に果敢に挑戦している」「故郷はそこにいて慈しむもの。故郷に必ず帰る」と強い決意が示されました。また「お外で遊びたい」「友だちに会いたい」と訴える子どもの発言に、多くの参加者が涙を抑えることができませんでした。
 関東ブロックを中心に、北海道・東北から九州まで全国各地から自治労連の仲間がかけつけ、また、自治労連福島県本部も集会成功のために大きな役割を果たしました。

▲「なくせ原発」の思いで集まった参加者たち(福島市・四季の里)

福岡
「さよなら原発」の一点で1万5000人
さよなら原発!福岡集会

 11月13日、「さよなら原発」の一点で呼びかけられた福岡集会は、1万5000人を大きく超える参加者が会場の舞鶴公園に集りました。
 集会では、原発事故が明らかに「人災」であったこと、世界の地震の1割が発生する日本に、54基もの原発が存在していること、国と電力会社が「安全神話」をふりまき、安全対策を怠ってきたことなどが語られました。そして「ここに集まった1万有余の意思としてすべての原発の廃炉を求めます」と集会宣言を決議しました。
 集会後、九電本社まで3つのコースに分かれてパレードし、「原発いらない」「金より命」「世界を変えよう」と市民にアピールしました。
 集会には九州各県の自治労連と福岡市職労や福岡県職労南筑支部などの仲間が多数参加。福岡自治労連は県労連とともに集会を支えました。

▲原発の廃炉をもとめ1万5000人が結集(福岡・舞鶴公園)

WakaWaka企画第2弾 学ぼう震災と私たちの仕事

和歌山自治労連

被災地で活動、学習会に参加した青年たち
自治体労働者の役割を認識

 10月29日和歌山自治労連の青年を中心としたWakaWaka実行委員会の企画第2弾「学ぼう! 震災と私たちの仕事」と題して学習交流会を開催しました。
 県下の各単組から青年層を中心に27人が参加。東日本大震災被災地の岩手県山田町職の伊藤尚生(たかお)委員長が被災自治体の職員としての行動や被災状況など写真を交えた現地からの報告と復興に向けた思いを語りました。

 また被災地への自治体派遣や自治労連のボランティア派遣に参加した2人の青年組合員からプロジェクターを使った活動報告を受けました。
 さらに、参加者からの質問・感想メモをホワイトボードに貼りつけフリートークの意見交換を行い、参加者全体が災害に対する認識を深めることができました。
 参加者からは、「現地活動を行った感想は?」「いま、必要なものは何ですか?」「生の声が聞けてよかった」「自治体労働者として自分自身の役割を再認識できた」などの質問や感想が多く出されました。

頼りになる自治体労働者に

 最後に、台風12号の被災地となった新宮市職労の仲江玄実行委員長は、閉会のあいさつで「震災や水害を自分自身のこととして受け止め、今後起こりうる南海地震、津波への備え、住民から頼りにされる自治体労働者としての役割をあらためて認識し、今日の学習を今後に生かしていきたい」と決意を語りました。

▲参加者の質問・感想をフリートークで交流

防災意識高まる

 参加した橋本市職労の森田敏之さんは、「学習会で防災意識が高まりました。災害時の自治体職員としての対応等を聞くことができるとてもいい機会でした」と語ります。
 11月12日には、議員・民主団体・労働組合などでつくる「和歌山県災害対策連絡会」の現地学習交流会に実行委員会から9人が参加しました。

▲橋本市職労
森田敏之さん

「原発」「国保」などで自治体キャラバン

徳島自治労連

三重から学んで阿波路をゆく

 徳島自治労連も加盟する徳島県社会保障推進協議会が、自治体キャラバンにとりくみました。
 11月9日を起点に、9コースに分かれ、全25自治体・議会に対し、国保、介護、年金、生活保護、医療費、原発関係など23項目について要求および請願を行いました。自治労連は、全コースに、のべ12人が参加し、一定の役割を担うことができました。

 首長、議長が直接対応あるいは文書回答を行なうところなど、各自治体の対応はさまざまでした。特に過疎の町村においては、少子高齢化にともなう第1次産業の衰退、地域の崩壊など追いつめられている実情が切々と語られました。
 徳島自治労連は、三重の運動に学んで非正規職員や公契約をめぐる実態アンケートをお願いし、今後の懇談につなげるように依頼しました。
 今後、自治体キャラバンを予算編成に向けての活動の一環として重視していこうと考えています。

▲11月9日、美波町長らと懇談する要請団

有期導入撤回、偽装請負を廃止、直接雇用の実現

あいつぐ要求前進の新潟公務公共一般

さぁ次は組織拡大だ

 新潟県公務公共一般労働組合は、新潟市民病院の5年有期雇用導入撤回や津南町の偽装請負を廃止させ、直接雇用の実現など、要求前進を勝ち取ってきました。悩みは、それに比して組織拡大が前進しないことです。

 やっぱり組織拡大は、職場でともに働いている仲間が協力しながら、個別に交渉結果のニュースを手渡し組合加入を呼びかけ丁寧に働きかけることが一番の近道。
 保育園分会長の小林由美子さんが、成果を載せたニュースで個別に丁寧に説明し、組合加入を進めています。現在、新潟市の保育で3人、聖籠町(せいろうまち)の運転員1人の計4人が加入。
 10月29日には「第10回保育の職場を語る集い」を13人で実施しました。これを機にさらなる組織拡大にとりくんでいます。

▲9月3日の新潟県公務公共一般労組定期大会。ここで、新しい拡大方針が決まりました

2011年日本平和大会in沖縄

全国から約1600人集う

日本のどこにも基地いらない
沖縄に連帯し、全国で運動の発展を

 11月24日〜27日、沖縄県那覇市で「2011年日本平和大会in沖縄」が開催されました。24日の国際フォーラムに始まり、全国から約1600人を超える参加があり、「沖縄から、日本から基地をなくそう」と声をあげました。


11月25日、那覇市民会館でおこなわれた開会総会には、全国から1300人が参加。全労連・大黒作治議長は開会あいさつで、国の辺野古基地建設に向けた環境アセスメント評価書提出の断念を求め、沖縄県議会による全会一致の意見書採択、沖縄選出の全会派国会議員と共同での国会への申し入れなど、県内一丸となった運動の広がりを受け、「沖縄のたたかいに連帯し、全国でも運動を発展させよう」と呼びかけました。
 日本平和委員会・千坂純(ちさかじゅん)事務局長は国内外の運動の到達点として、国内においては普天間基地問題が大きな焦点であることを強調しました。
 26日はシンポジウム・分科会、27日は那覇市内の公園で閉会総会が行なわれました。
 名護市の稲嶺進市長が駆けつけ、「辺野古の海にも陸にも新しい基地はつくらせない。みなさんの力を借り、信念を貫き通す」とあいさつ。「普天間にも、辺野古にも基地ノー!」と、全員でそろいのパネルを掲げました。

▲開会総会では国内外の代表が基地反対の運動について発言しました。佐世保の代表団には長崎自治労連の仲間が登壇

世界をもっと豊かに

 グアムからの参加者の「私たちのグアムに新たな米軍基地をつくることは許さない」という話を聞き、アメリカは軍備を縮小すべきだと思いました。世界的に軍事費を縮小して平和的な産業発展に変えていけば、世界はもっと豊かになれるはずです。

▲大分県自治体一般労組
中内信孝さん

基地はみんなの問題

 旧海軍司令部、ひめゆり平和祈念資料館などを巡り、平和について考える機会となりました。また、現在日本にある米軍基地の問題は、一部の人々だけではなく、世界中の人々が平和について、ともに考えていく必要があると思いました。こうした機会を与えられたことに感謝しています。

▲神奈川県職労連
井出智美さん

どうなる高齢期雇用と定年延長問題 シリーズ(1)

職務給原則すら投げ捨てる3割引き下げ

 人事院は、9月30日人事院勧告とあわせて国会と内閣に対し「定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出」を行いました。公的年金の支給開始年齢が、2013年度以降段階的に引き上げられることから、定年延長問題は、私たちの生活設計にとって影響を与える重要な問題となっています。シリーズ第1回はその概要についてです。


人事院は、公的年金の支給開始年齢が、2013(平成25)年度以降段階的に60歳から65歳へと引き上げられ、現行の60歳定年制度のままでは無収入となる期間が発生することから、国家公務員制度改革基本法第10条の規定に基づき検討を始め、「定年を段階的に65歳に引き上げることが適当」であるとして意見の申出を行いました。

段階的な定年の引き上げ

 13年度から3年に1歳ずつ段階的に定年が引き上げられ、25(平成37)年度に65歳定年となります。
 段階的に定年が引き上げられている期間中は、延長された定年退職後、年金が満額支給される65歳までの間について、再任用制度の活用の拡大を通じて65歳までの雇用は確保するとしています。

年間給与は60歳前の7割

 60歳超の職員の給与は、民間企業の高齢期雇用の実情を考慮し、年間給与が60歳前の70%水準(俸給月額73%、特別給3・00月分)に設定されています。

多様な働き方など

 組織活力を維持するための方策として、当面役職定年制の導入による組織活力の維持、短時間勤務制の導入や節目節目での意向聴取等を通じ、60歳超の職員の多様な働き方を実現するとしています。また、加齢に伴う身体機能の低下が職務遂行に支障を来すおそれがある職務に従事する職員の定年の引き上げに関して、その職務の特殊性を踏まえた条件整備や所要の措置の検討が必要だとしています。
 60歳前と同じ職務を行っているにもかかわらず、賃金が30%も下がるのでは、これまで人事院が固執してきた職務給原則すら投げ捨てるものです。本来賃金は、その年代に応じた生計費をふまえたものであるべきです。また、公的年金の支給開始年齢の引き上げに伴う「高齢期雇用」の問題は、民間労働者にとっても重要な問題です。官・民がともに考え、とりくんでいく必要があります。
 次回は、問題点・課題について考えます。


将来への不安は増すばかり――職場の声

 人員削減による職場環境の悪化で毎日とても疲れます。いまでも定年まで働き続けられずに早期退職する先輩組合員が大勢います。年老いた親のことや自分の健康のことを考えると他人事ではありません。働きがいを持って定年まで安心して働き続けられる職場や社会保障の充実が不可欠です。

▲茨城・結城市職
野村尚美さん

 定年を延長することは、年金支給開始年齢の引き上げと連動するものです。18歳から40年以上も勤める者にとってはふんだりけったり。年金支給開始年齢の引き上げは絶対に許せません。

▲佐賀・唐津市労連
平田 強さん


今月の連載・シリーズ

悠湯旅情 第134湯
文学の香りただよう愛妻湯の町 群馬・磯部温泉
「温泉マーク」発祥の地で舌切雀がおもてなし

My Way My Life (136)
神奈川県職労連 川野辺 雅俊さん
カードマジックの不思議現象を楽しんで

日本列島 おどろき・おもしろミュージアム 第117館
静岡県浜松市 航空自衛隊浜松広報館
憲法そっちのけで空自をアピールする広報施設

うレシピ 第6品
神奈川・横浜市従 布川 未来さん
ジャーマンポテトグラタン