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「放課後児童クラブ」の課題で厚生労働省要請行動

 3月4日(水)、自治労連は「子ども・子育て支援新制度」の本格実施のもとで4月から市町村事業として実施される「放課後児童クラブ」に関わって、厚生労働省に対して要請行動を実施しました。

 要請には自治労連から、非正規・公務公共関係評議会学童保育全国連絡会の渡辺喜久代代表をはじめ全国から9名が参加、厚生労働省からは雇用均等・児童家庭局育成環境課健全育成係が対応しました。

 要請に対する厚生労働省の回答・説明を受けて、参加者からの質問や要望、現場の実態などが次々と語られました。要請項目と主な回答は以下の通りです。

要請項目

1.2015年度の放課後児童健全育成事業及び、放課後の事業に関わる予算について

 ①現行の放課後児童健全育成事業の水準を維持・拡充できるよう都道府県・市町村へ考え方を示し、予算措置すること

 ②事業に従事する職員(支援員・補助員)の賃金・労働条件について、子どもの権利保障の立場で安心して働き続けられるような抜本的な改善をはかること

2.「放課後子ども総合プラン」についての考え方と今後の展開について

①「放課後クラブ」と「放課後子ども教室」それぞれの役割を明確にし、拡充を図ること

②自治体が運営する際に混同され、職員が兼務するなどがないように各自治体には充分説明し、誤った運営が行われている場合は指導すること

3.「新制度」における放課後児童支援員資格制度に関わって、資格認定研修の在り方や予算措置などについて

 ①運営形態・雇用形態に関わらず、配置基準に見合った支援員が確保されるよう適切な予算措置と都道府県への働きかけをすること

 ②現職が認定研修を受講する際に、自己負担・自己責任とならないよう、各自治体・事業主が雇用者責任を果たすよう働きかけること

  

要請1について

 2015年度予算については1月14日に閣議決定されたが、放課後クラブ関連の予算については厚生労働省と内閣府との共管勘定になった。新制度にともなって運営費や施設整備費等は大幅に増額し、2014年度の約390億から2015年度は約575億になっている。中身は量的拡充で17万人分の受け皿確保の予算と、質の改善で2014年度実施の延長支援事業を継続させ、1人の常勤配置の差額分を拡充している。障害児の受入れ加算では、5人以上の受入れの場合の加算措置を追加。19人以下の放課後クラブに対しても2人の人員配置ができるようにした。施設整備費についても放課後子どもプランの関係で受け皿整備があるが、一体型で整備する場合は補助単価を高くして整備しやすいようにしている。都道府県が行なう研修への補助金や資質の向上のための現任研修に対する単価アップや、国庫補助を1/3から1/2に引き上げ拡充をはかった。

要請2について

 要請は一体型を前提としていると思うが、一体型と一体化は違うという説明をよくしている。予算決定後も各自治体向けに文部科学省と一緒に説明会も開催しているが、予算の説明とともに放課後子ども総合プランの説明も行なっている。自治体に対しては一体型で行なう場合でも市町村の条例で基準を定め守ってもらい、一体型と一体化を混同しないよう呼びかけをしている。

要請3について

 資格認定研修に対する都道府県への補助を行なっているが、研修へ指導員を送り出す事業者・施設への補助も充実をはかっていきたい。と回答がありました。これらの回答を受けて延長支援事業の1名分は事業所になるのか、それとも支援の単位ごとになるのか?との質問に対しては、支援の単位ごとになると回答。また、地域の中核的な放課後児童クラブとはどんなことを想定しているのかとの質問には、地域との連携や学校との連携をしてもらうことを要件として盛り込むことを検討している。地域に1つというような限定はしていない、具体的な要件は予算が決まる3月中には出していきたいとの回答がありました。また18時30分以降の開設が予算・人的配置の関係で困難な状況や、事業が単年度事業のために活用できない状況、資格職種であるにもかかわらず処遇が低いため指導員が集まらない状況や、入った人もあまりの仕事環境の厳しさに1年もたずに辞めていく人がいること、やりがいを持って仕事をしてくれる人も結婚を機に生活できないために辞めていってしまう現状、経験加算がないことなどが話され、指導員の処遇改善が必要であることを訴え、引き続き国に対して要請をあげていくことを確認しました。