image003 自治労連公営企業評議会(以下、公企評)は、2 月12 日公益社団法人日本下水道協会、公営電気事業経営者会議、2 月19日全国簡易水道協議会、公益社団法人日本水道協会との懇談を行いました。 

 公企評では住民本位の公営企業の発展を目指す立場から、毎年、各省庁に対して要望書を提出しており、今回は1 月15日に行われた省庁要請行動の際に国に提出した要望書、国からの回答などを説明、各団体とも理事長、事務局長を始めとした要職の方々に丁寧に対応していただき、各関係団体が国に対して要望している情報などを意見交換し共通課題についての理解を深めました。 

現場の維持管理には「人・モノ・カネ」が必要 日本下水道協会

 下水道の未普及問題や設備更新、現場の民営化や人材育成の問題、下水が取り組む環境対策などについて私たちとの意見交換を行いました。

 下水道においては、都道府県構想の中で縦割りを排し普及や統合の促進を図り、また、近年の異常気象の中での降雨対策なども取り組んでいる。現場の維持管理を行うためには何が必要か「人・モノ・カネ」の問題が提起されている。人材育成の面では直営でやっていくことは望ましいが、下水は実務行為的委託が9割を超えており、民の力がないと難しい現状がある。「判断」という行為を残す中でどのように持続していくかがポイント。ただ、地方においてはその「民」もいない現状があると中小事業体に対する「持続」の問題などに共通の認識を示す中で懇談が行われました。

電力自由化への対応に苦慮 電気事業経営者会議

 主に水力発電により発電した電気を、電力会社等に売電することで事業経営を行っている地方公共団体が経営する電気事業は、今回の電力自由化や固定価格買取制度(FIT)による様々な影響を受けています。

 公企評としても、環境に優しく地産地消のエネルギー普及のため公営電気事業の重要性を認識しており、これらの問題を中心に懇談を行いました。経営者会議としてもFITの中で水力発電における減価償却期間は機器の耐用年数からみても長くすべきで、これらの延長を求めている。また、現在は電力会社との長期契約で電力を売ってきたが、電力自由化により入札が余儀なくされ価格が不安定になり安定した経営のための方針を検討しなくてはならない状況であるなどの問題点が出されました。

更に国が言っている電力会社との契約を直ちに破棄して自由化市場に参入するには、電力会社に高額な違約金を支払わなければならないなどの問題点が山積で、公営電気としては直ちに自由化には踏み込み難い状況であるとの見解でした。

 「広域化、統合では解決しきれない」全国簡易水道協議会

 広域化、統合では解決しきれない簡易水道の現状について意見交換を行い「延長措置はとられたが要件緩和が必要」(簡水協)「簡易水道として存続する事業体は切り捨てられるのではないかという危惧は大きい」(公企評)など、とにかく人材不足の地方の水道事業では存続するための技術的な見地も事業体に残っていない中で、福祉水道として発展してきた簡易水道が今後も存続するための、国に対しての要望内容や、お互いの立場を確認しました。 

「供給人口が少ない地域では民間=コストが低くなるとは限らない」「水質検査費用は小さな事業体では負担が大きいが、国が責任をもって行うべきではないか」「広域化では遠くの水源にたよる事例も多い」など、地域毎に事情が大きく違う地方の水道事業では、貴重な自己水源を守ることの大切さも話の題材に上がりました。

人材育成の重要性を認識 日本水道協会

 2012年から続けてきた日本水道協会との懇談は、急激に職員が減少し、収益が落ちていく中で水道事業をどう持続させていくかをテーマに話し合いを行ってきました。

 今年の懇談でも事業体での事故事例などの事例について意見交換しながら、事業体に技術力を残していくことの重要性について意見交換を行いました。

「遠隔設備の自動運転が不調となったときにいかに手動運転で対応するか」「請負工事などでも民間業者まかせにするのではなく公的責任を担う部分が多い」「プラントなど多くのメーカーが入っている設備で全体をコーディネートする技術者がいる」など実体験にもとづく具体的な話をする中で「水道事業の根幹である安全で安定的な給水には、公の関わりは必要であり、人員削減をつづけることは、それを脅かすことになる」との共通認識をもちながら人材育成の重要性について懇談しました。